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狸戦記(仮) =他の異世界知識が組み込まれた勇者=  作者: OPPA
第3章 セントラル王国編
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第40話 セント開放作戦(その4)

いよいよセント攻略

「王都セントは、中央の城と東西南北の4つ、計5区画に別れており、高さ3mの壁で仕切られております」

イジロー守備隊のイワンの説明を聞く、ラムシュンドとカート。街道の開放が、城壁の水ぐ脇まで到達したが、あまりの大きさに困っていたのである。イワンの説明が正しければ、街を5つに分けて開放していくことが可能になる。改めて、フヤからの来た道につながる門は街の真南からやや西側にずれていた。


「北門は、やや東よりに有ります。出てすぐ、やや西に向かうカロン王国に向かう街道とアラウン王国に向かう街道に別れます。東門は、南東の方角にあってラダフントゥス王国に向かう街道になります。西門は、やや北よりにあって出てすぐ、イクシオン王国とレンボ連合王国に向かう街道に別れます」

イワンの説明をラムシュンドとカートを初めてとして、皆、静かに聞いていたが、


「つまりニャ。街には4つの門があって、それぞれの国つながる街道が出ているのだニャ」

カートが確認するように言った。


「はい、間違いないです」

イワンが答えた。


「街の中にある壁は?」

ラムシュンドはそれが気になった。


「はい、中央区画である城の周囲には堀があり、池になっております。内側に高さ3mの壁で守られており、出入りは東西南北の橋とその内側にある門しかありません」

「4つの区画も高さ3mの壁で仕切られており、内環状線と外環状線の2つ道路部分のみ門があります」

「不便そうだニャ」

イワンの説明にカートが疑問を呟いた。


「はい。万一、他国からの襲撃を受けた場合、区画ごとに閉鎖して被害の拡大と、脱出の時間稼ぎをするためと習っております」


ラムシュンドは。イワンの説明を聞きながら首を傾げていた。

(瘴気で全滅したということは、仕切りが機能しなかった・・・それとも、各区画ごとに瘴気発生装置が発生した?)

街の設計思想が上手く機能していれば、5区画全て全滅させるのは難しいと思ったのである。


「街の四つの門と城の4か所の門は道がつながっており、それぞれ、北門通り、東門通り、西門通り、南門通りと呼ばれています」


「堀の上4つの街に仕切りはどうなっているのかニャ」

「はい、堀の上には何もございません。各街の仕切りは、堀に少し入ったところまでしかありません」

 カートの質問にイワンが答えた。


「ということはニャ。堀の手前に壁を作って、区画を区切る必要があるということだ」

ラムシュンドは独り言のように呟いた。

(瘴気が他の区域にも流れ込めた訳か・・・)


「貴族たちはどのあたりに住んでいたのかね」

ここまで黙っていたアレックス=ヴァーツラフが言った。


「セントラル王国は、貴族はほとんどおりません。各地方の国境の街に赴任しているだけなので、王族は全て城に住んでいます。僅かな貴族も元々、王族なので・・・」

「皆、城の区画に住んでいるということか?」

イワンの説明を受け、アレックス=ヴァーツラフが確認するように言った。


「昔は、各地区に有力な貴族が屋敷を持っていたらしいのですが、全て没落しておりまして・・・」

イワンは何やら言いにくそうである。

「10年前の事件か・・・」

「はい・・・」

アレックス=ヴァーツラフの言葉にイワンが反応した。


「10年前の事件とは?」

ラムシュンドはなんとなく気になっただけなのだが、

「今回とは関係ない」

「関係ないと思います」

アレックス=ヴァーツラフとイワンが強い口調で言い返してきたので、それ以上聞こうとはしなかった。

(いったい何があったのだろう・・・貴族がいないとは)


「東西南北の4区画を順番に開放しましょう、そのために、堀の手前に壁を設置、城区画と分離、隣の区画との門である内環状線と外環状線の門も全て塞ぎましょう」


・・・


「エリア プリフィケーション」

街壁の外周に沿って、その外側の瘴気を一時的に消すことに成功した。


「上手く言っているみたいニャ」

各門は開いていたこともあり、街に近づいていた魔物を消すくらいの効果しかなかったが、しばらくは、瘴気の濃度が薄くなり、魔物が近寄りにくい状態になると予想した上で試したのだが・・・


「なかなか疲れる・・・」

かなりの魔力を持っていけれるため、1日1回しか出来そうになかった。

それでも、カート一人で街の中に行かせるわけにはいかなかったので、右手にウォレスの剣を持ち、壁を作るカートについていったのである。


・・・


「アースウォール」

南門を完全に塞いだ後、街のなかを進んでいくラムシュンドとカート。予想通り、ゴブリン、コボルト、オークがウロウロと徘徊していた。襲ってくるこれらを倒しながら2人は進んでいく。そして、大きな十字路に着いた。


「ここが外環状線だね」

ラムシュンドは、イワンの説明を思い出すようにいった。

「外環状線から塞ぎましょうかニャ」

そう言うと、左に曲がって外環状線を歩き出すカート。ラムシュンドも警戒しながらついていく。途中、壁着いたら、通り抜けてから塞ぐことを繰り返し一周したときには、夕方になっていた。


「大きいから大変ニャ」

カートとラムシェンドは、そのまま南門まで戻り、脇の通用門から外に出たのち、アレックス=ヴァーツラフやイワン達が待っている街道内の野営地に戻ったのであった。


・・・


3日後、内環状線の門を塞ぐ作業と、堀の手前に壁を作る作業が完了した。不思議なことに、イジローのように人の白骨死体などをみることはほとんどなかったである。

(襲われたというより、人がいなくなったような感じなんだよなあ~)

違和感を感じたラムシュンドであった。


「明日から、” エリア プリフィケーション”を各地区に掛けていきます」

城区画は堀の内側もろとも、全体を一気に掛ける予定である。


野営地のテントでくつろぐラムシュンドは

「ステータス」

と叫ぶ、テントの中にラムシュンドのステータスが表示された。


名前 ラムシュンド(Lv.20)

HP 10000/17000

MP 1000/240000

魔法 神聖  :プリフィケーション(Lv.6)

火属性 :ファイヤーボール(Lv.3)

風属性 :ウインドアロー(Lv.3)

付加魔法:広域魔法

スキル 身体強化、ウォレスの剣技

称号 タヌキの英雄、ダンジョン踏破者


「最近見ていなかったけど、MPとプリフィケーションのレベルが上がっているよ」

ラムシュンドは、満足そうである。



それを見ていたカートは

「ステータス」

と自分のステータスを出してみた。


名前 カート(Lv.20)

HP 10000/17000

MP 100000/200000

魔法 付加属性 :ヒール(Lv.3)、ライト(Lv.-)

火属性  :ファイヤーボール(Lv.4)

土属性:アースウォール(Lv.7)

スキル 鑑定魔法

称号 猫のブレーン、ダンジョン踏破者


「MPとアースウォールがレベルアップしているニャ」

少しずつ、壁を作るのが楽になっていたのは実感していたものの、その事実を証明するようにアースウォールとMPが上昇していたのである。

MPが上昇していくラムシュンドとカート。

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