↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
狸戦記(仮) =他の異世界知識が組み込まれた勇者=  作者: OPPA
第3章 セントラル王国編
40/67

第37話 セント開放作戦(その1)

まずは、イジローの北門から・・・

「ではやるニャ」

カートに南門を塞いでいた壁を取り除いてもらうと、南門はもとの姿を取り戻した。その様子を先日、ここで保護したトムが眺めていた。


「見た目は何も変わらないんだがなあ・・・」

トムの呟きとも愚痴ともとれるなんとも微妙な声であった。

彼は、フヤ王国軍の兵士として、再びこの門番をすることになったらしい。といっても、住人は数えるほどしか残っていない状況であることから、暫定処置として、フヤ王国軍の兵士による管理がされる予定である。


「まあ・・・フヤ王国から移民を募るかもしれないが・・・今時点では誰も来てはくれまい」

アレックス=ヴァーツラフはそう呟いたあと


「街の守備要員以外は北門に移動開始!」

彼は、兵士達に指示を出す。兵士達はそれぞれの馬車に掛けていった。


「では、こちらも行くかニャ」

カートはそう言って馬車に向かう。ラムシェンドも黙って付いていった。

(あまりに順調過ぎる気がするが・・・)

ラムシェンドは3か国の王都を襲撃した者たちが使った瘴気発生装置、そして、イジローにあった瘴気発生装置が偶然とは思えなかったのである。

(誰かがわざと瘴気発生装置を使って瘴気をまき散らしているとしか思えない・・・)

偶然倒してしまったゴーレムは、瓦礫に埋もれてしまっている。少なくとも手がかりは期待できない状況にラムシェンドは気持ちを切り替えていた。


・・・


カートのアースウォールで塞いである北門に到着した一行は、


「まずは、セベビカイと同じように北門を使えるようにしましょう」

ラムシェンドの言葉に、フヤ王国軍の面々は皆頷いている。


「全てお任せで申し訳ないが、よろしく頼む」

アレックス=ヴァーツラフは申し訳なさそうに言った。


「どうやって使えるようにするのだ?」

イワンはセベビカイでの出来事を知らないので、理解できなかったらしい。


「ここの門には門の上に見張り台があるみたいニャからそこで見ていてもいいのニャ」

この街の北門には、門の真上に見張り台があり、どうやらそこは、瘴気に、覆われた時も無事だったらしい・・・だが、見張り台に籠城するのは不可能だったらしく、誰も残っていなかった。


門の脇の街壁を身体強化で飛び越えるラムシェンド。カートは、いきなり跳躍して壁によじ登った後、外に向かって飛び降りた。


「あいつら大丈夫なのでしょうか?」

イワンが心配そうに周囲の兵士に尋ねた。


「セベビカイの時もあんな感じだった」

兵士はそう言って北門を見つめていた。


・・・


「今回は沢山お出迎えがいるニャ」

「先に、ちょっと倒しておくか」

北門の外は、オーガとオークの連合軍とでもいうような集団が待ち構えていたのである。


ラムシェンドは、ウォレスの剣を使って斬撃を飛ばし、オーガを中心に倒していった。一方、カートは

「ファイヤーボール」

「ファイヤーボール」

「ファイヤーボール」

「ファイヤーボール」

「ファイヤーボール」

「ファイヤーボール」

と、サイズはそこその火の玉をオークに投げ込んで倒していく・・・。

10分もすると、周辺は、オーガとオークの死体で山が出来ていた。


「そろそろいいだろう・・・」

ラムシェンドは言葉を掛けて


「アースウォール」

カートは高さ3mの壁を直径100mの半円を描くように作った。これにより、壁の中の魔物は遮断されたのである。


「プリフィケーション」

ラムシェンドの魔法が黒い霧を消していく。オーガやオークに交じってやってきていたゴブリンやコボルトもいたはずなのだが、全て消えてしまった。


「ニャ?」

カートが変な声を上げた。


最後のオーガを斬撃で真っ二つにしたラムシェンドが、カートの方を向くと、カートが何か指さして放心状態になっている。


「どうした!」

ラムシェンドが慌てて叫ぶと、


「あんなにいたオークが消えてしまったのニャ」

そう言うなり、その場にしゃがみこんでしまったのである。カートの指さしていた方向には、確か、倒したオークを積み上げておいたはずだったのだが、オークの死体の山が完全に消えていた・・・いや、地面に転がる沢山の魔石を残して・・・。


・・・


ラムシェンドは、カートに教わりながら、オーガの魔石を取り出していく、ラムシュンドも出来ないわけではなかったのだが、解体が出来るカートの方が上手だったのである。


「せっかくのオーガだけど・・・私たち以外は食べれないので、ここで処分しよう」

そう言って、1匹だけカートに解体させ、後はファイヤーボールで焼却したのである。既に壁の内側に瘴気はなく、ゴブリンやコボルトの魔石が散乱している状態に、


「オーガとオーク以外の魔石はフヤ王国軍に回収を任せよう」

ラムシェンドは、そう言うと、北門脇にあった通用門から街の中に入っていった。


「とりあえず、北門周辺の浄化は完了しています」

「おお・・」

ラムシュンドの言葉に兵士達は驚きながらも、セベビカイでの出来事を知っている者たちはそれくらいで済んでいたが、


「本当なのか?」

イワン達、イジロー守備隊の生き残りは信じ切れていないらしい。結局、見張り台は危険ということで、誰も登らなかったそうだ。


「魔石が沢山散らばっているので、皆さんで回収していただけないかと・・・」

ラムシュンドの言葉が終わらないうち、兵士達は我先に通用門から出ていったのである。


・・・


「沢山回収できたな」

アレックス=ヴァーツラフは集められた魔石の山に驚いていた。もっとも、オーガとオークの魔石は全てカートが回収した後なので、ここにあるのは、それ以外、ゴブリンやコボルトの魔石のみである。

ラムシュンドから、魔物の体に魔石はあるものと教えられていても、実感がなかったのだが、目の前にあるのは地面に落ちていた魔石。元々魔石が採掘される地方ではないので、本来ならばあり得ないことだった。皆、ラムシュンドの言葉を信じるしかなくなっていたのである。


「この魔石は、ラムシュンド殿達が倒した魔物が持っていたのですか?」

脇で見ていたイワンが訪ねた。


「そうだよ。魔石は本来、魔物を倒して手に入れるものです」

ラムシュンドの言葉はイワンにとって衝撃以外の何物でもなかった。彼は、セベビカイでのラムシュンドの言葉を聞いていない。なので、魔石についての真実をいきなり突き付けられた状態だったからだ。


「今日は引き上げて、明日問題なかったら北門を開放しましょう」

ラムシュンドの言葉にその場に全員が頷くのだった。

魔石は、魔物を倒してその体内から取り出すことが出来ます・・・が、この世界の人は、瘴気に当たると硬直して仮死上になってしまうので、魔物にも触れることが出来ません。魔法で遠隔で取り出せれば可能?

そんな魔法はこの世界にはありません。ラムシュンドのプリフィケーション以外は・・・。

なので・・・この世界で魔石の活用方法が進化する可能性は低そうです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。