第3話 熊本空港のねこ
2人目登場です
今日は短いです。
「ぎゃ!」
熊本空港は、今日もカラスの群れがいた。
いつもと違うのは、小型機の駐機場と、隣にある大学の間にある雑草が生い茂るあたりに突撃したことである。カラスが狙っていたのは、生まれたばかりに子猫・・・。それも母猫とはぐれてしまったらしく、1匹だけのところをカラスに見つかってしまったのだった。
空から襲い掛かってくる黒い鳥・・・。子猫は逃げることも出来ずにうずくまった。
・・・
「気が付いたかな?」
俺は白い空間にいた。
周囲には何もない。真っ暗である。目の前には、若者にしか見えない男がある。
「お前は、ついさっき、この世界での生命活動が終了した」
目の前の若者にしか見えない男が話始めた。
「俺は死んだのかニャ」
「そうだ」
「ここはどこかニャ」
「この世界で魂を回収するために作った空間だ」
「はニャ?」
若者にしか見えない男の説明は理解できなかった。いや、何故か言葉はわかるのがだが、内容が理解できなかった・・・。よく見ると、俺の体はすでになく、白っぽい塊のようなものになっていた。当然、目も口もない。にも拘らず、目の前にいる若者にしか見えない男を識別できている・・・一体なにどうなってる!
「お前の魂は、この世界の中ではとても強い。付加魔法を付与できるほどに・・・」
「フカマホウ?」
思わず若者にしか見えない男の説明に聞き返してしまった。
「そうだ。お前には、新しい世界で世界を救う英雄に協力してほしい」
若者にしか見えない男はそういって、ねこの魂を見つめた。
「つまり、違う世界・・・異世界で生きろとニャ?」
「そうだ。そして、危機に陥っている世界を英雄と救ってほしい」
カラスに食い殺されたらしい猫に言うことか?とは思ったが、この世界では何も出来ずに終わってしまったため、違う世界という言葉にちょっと興味がある。
「もし、了承してくれるのであれば、お前に特製の体を与えよう」
「どんな体かニャ」
「外見は人間成人男性と同じ。だが、対瘴気対策の体・・・行ってもらう予定の世界では、瘴気に当たると人間や動物は動けなくなるのだが、この対策をした体は問題なく動くことが出来る」
「ほう・・・つまりその世界の人間より強いのかニャ?」
「そうだ。更に、お前にしか使えない付加魔法の力を与えよう。その力で瘴気によって創られる魔物と瘴気の発生源と思わる沼を塞ぐ英雄を助けてほしい」
「マモノ? ショウキ?」
「お前のための訓練施設を用意した。それと、相棒を用意しようと思っている。新しい世界を2人で救ってほしい。お前には英雄を支援するチートな能力を授けるからな。」
「嫌ニャと言ったら・・・」
「そのまま消滅してもらうだけだ。時間がないので最終回答が欲しい。 異世界に行くか YES/NO」
正直なところ訳が分からない。ただ、カラスに食い殺されて死んだのは間違いなさそうだ。このまま消滅するくらいなら、異世界の人間として生きてみるのも悪くない・・・。
「行くニャ。異世界とやらに!」
「ありがとう。世界をよろしく頼む。なお、この世界のある人物の記憶をコピーしたので、新しい体のDATA領域に入れておく。何か役に立つだろう」
若者にしか見えない男はそういうと、猫の魂に手をかざした・・・次の瞬間、魂は異世界に旅立った。
熊本空港にはカラスがいるんです・・・邪魔!!