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狸戦記(仮) =他の異世界知識が組み込まれた勇者=  作者: OPPA
第3章 セントラル王国編
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第26話 瘴気封印作戦会議(その1)

セントラル王国開放作戦開始!

他に誰も入ってこなかったのを確認してから、転移門でダンジョン地下5階に戻ると、瘴気封印装置の前のモニタをカートは確認し、瘴気がレンボ連合王国から消えているのを確認したのだった。


「これで一安心だニャ」

カートの言葉に頷くラムシェンド。だが、その表情は晴れない。


「何者かが、瘴気発生装置をばらまいている」

そう・・・瘴気の発生個所は、この大陸の北にある森だという。ラムシェンドの持つ波高の記憶にも、カートの持つ阿久津の記憶にも、こんな黒い煙(瘴気)が広い範囲で広がる・・・いや、覆いつくすといった事態は無かったはずである。にも拘らず、黒い霧はこの大陸のかなりの部分を覆っているという・・・そして、今回3ヶ国で発生した事件、そして見つけた瘴気発生装置の存在は、事態が深刻であることを示していた。


「どうするニャ」

カートもラムシェンドの言うことは理解出来るものの、対処が判らなかったのである。


「旧セントラル王国を囲む壁を作って復活させる」

「はっ?」

ラムシェンドの言葉に、目を大きく開けて驚くカート。

「恐らくだけど、瘴気発生個所からは、いくらかの瘴気と魔物が発生しているのだと思う」

ラムシェンドの言葉に頷くカート。


「だけど、それだけで、大陸の北半分を瘴気で覆いつくすのは不可能なのではないかと思っている」

ラムシェンドの言葉に再び頷くカート。そう、2人の記憶にある波高と阿久津の記憶から考えて、瘴気によって魔物が発生しても、黒い霧が大陸を覆いつくすとは思えなかったのである。この2人は、世界が違うと瘴気の威力も人の瘴気に対する耐性も違うということは理解できていないのだが・・・。


「つまり・・・今回やっつけた瘴気発生装置を全て破壊しないといけニャいということかニャ?」

カートの言葉に頷くラムシェンド。

「恐らく、瘴気発生装置は大量にはないのだろう・・・だから、範囲を区切って、”エリア プリフィケーション”を掛けることで見つけて破壊していけば、駆除できると思うんだ」


「旧セントラル王国で実験するのだニャ」

カートの言葉に頷くラムシェンド。


「瘴気があるところでは、この世界の人は使えないから、カートの“アースウォール”頼みだけどね」

ラムシェンドはカートに頼み込むように言った。


「もっと狭い範囲で行ったらどうかニャ」

「例えば、旧セントラル王国には、セントという王都があったらしいニャ。恐らく城壁で覆われているはずニャ」

カートの言葉に頷くラムシェンド


「2人でセントに行って、一旦、セントを浄化する。その後、どこかにあると思われる瘴気発生装置を破壊するのニャ」

自慢げに口髭を触るカート。


「でも、セントだけ回復したら、セントの街の人は生きていける?」

「あっ!」

ラムシェンドの言葉に気が付いたカート。


「先日の3か国での出来事からすると、セントの人たちも回復できるかもしれない。だけど、セントの外は瘴気で満ちていて出れない状態だったら・・・」

「みんな飢えてしまうニャ」

「だからセントだけ回復することは出来ないんだ」


「ニャあ・・・フヤ王国からの街道の両側に壁を作って街道を浄化してセントに向かうのはどうかニャ」

ラムシェンドはしばらく考え込んでいたが、


「確かにその方法の方がいいかもしれない」


2人で考えた作戦は以下となった

①フヤ王国からセントへの街道の両側にアースウォールで壁を作り、瘴気の侵入を防ぎながらセントまでの道を作る

②セントに“エリア プリフィケーション”を掛け、セントの街を浄化する。

③セントの街にあるだろう、瘴気発生装置を探して破壊する

④セントとラダフントゥス王国、レンボ連合王国への街道の両側に壁を作って確保する

⑤残り3か国とセントの街道にも両側に壁を作り、更に、北側3か国と国境にも壁を設置する。(結果としてセントラル王国をいくつかに分割する。)

⑥分割したものごとに“エリア プリフィケーション”を掛け、浄化していく


「3か国の協力が要りますニャ」

ラムシェンドはその言葉に頷いた。


・・・


「地下5階に基地が必要だニャ」

この地下ダンジョンには2階と3階に休憩室があり、食事と睡眠が出来た。が、地下5階からはあまりに遠い・・・。


(確か、討伐基地にはそんな施設もあったはず・・・)

ラムシェンドは波高の記憶にある“討伐基地”の記憶が引き出されていた。


・・・


休憩後、転移門を使ってフヤ王国に移動した2人は、フリヤ=パロール大司教を通じて、フヤの国王に謁見させてもらうように依頼した。


「はい!直ちに!」

救国の大英雄からの話にフリヤ=パロール大司教は、馬車に2人を乗せ、そのまま王宮に向かったのである。どうやら、いつでも対応できるように、馬車が待機していたらしい。ラムシェンドは、フリヤ=パロール大司教に今回の作成の概略と、フヤ王国への協力を求めたのであった。


そして、一旦待機するための部屋に通された2人のところに、5分と待たずに国王が現れたのであった。


「ラムシェンド殿、カート殿、お待たせしました」

国王であるアントン=ヴァーツラフは親しい友人にも接するかのごとくである。

「既に会議の用意は出来ておりますので、こちらへ」

何と、国王自ら案内するという。連れていかれた会議室には、この国の重鎮と思われる者たちが待っていた。国王の入室と合って一斉に起立したが、国王の指示で全員着席する。かなり異例の状態らしかった。ラムシェンドとカートは勧められるまま、指定された席に座ると、国王が起立し


「皆の物、よく聞いてほしい。今から、この大陸を人類が取り戻す作戦が始まる。ラムシェンド殿とカート殿の説明をよく聞いて、出来るだけの協力をしなければならない。よいな!」

国王は最後に語気を強めた。大陸の4か国が瘴気に覆われているという事態に何か思うものがあるのだろう。


「・・・という方法でセントラル王国を瘴気から開放します」

ラムシェンドとカートは、2人で練った作戦を説明した。


「恐れながら提案がございます」

重臣と思われる1人から声が上がった。


「申してみよ」

アントン=ヴァーツラフが睨むように言った。


「はい。壁によって瘴気を防ぐ方法ですが、壁を2重にして、その間に動物を話しておき、瘴気の侵入を監視できるようにしたいのです。可能でしょうか?」

街道の安全確保のため、ところどころ監視設け、2重にした壁の間に放し飼いにした動物が無事であるか確認させる。というのである。あまりに手間が掛るので、ラムシェンドとカートは提案しなかったが、街道の安全をいう意味では重要であった。


「壁を用意するのは可能です。監視要員と動物は確保できますか?」

ラムシェンドの回答に


「監視兵と動物はフヤ王国が責任を持つ」

アントン=ヴァーツラフが、答えた。


「ラダフントゥス王国、レンボ連合王国にも協力を依頼しよう」

国王の即決であった。

思ったより強力的(協力的)なフヤ王国。

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