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第2話 長崎空港のたぬき

やっと、主役登場・・・

「ご先祖様・・・」

1匹のタヌキが塚のようなもの前にいた。塚をよく見ると、タヌキの骨のように見える。長崎県の大村湾にある箕島の西側にその塚はあった。今も人間に見つかっていないその塚は、この島に先祖代々住んでいるタヌキたちである。元々平和な島であったのだが、ある日、人間により山を切り崩され、周辺の海が埋め立てられた結果、長崎空港と呼ばれるところになっていた。昔、同じ島にいた人間たちは、どこかに行ってしまったが、どういう訳か5月1日にやってきて、“慰霊祭”なるものをやっていく・・・。俺たちタヌキは生きているんだか・・・。

人間たちは俺たちを皆殺しにしたいのか、人間が俺たちに食べ物を渡すのを禁止しているらしい。そのような看板を見かけたという仲間の話を聞いたことがある。そんなにも関わらず、俺達を天使にしたような人形を作って売っているらしい・・・俺たちの肖像権はないのか!!


じっとしていても腹が減る。この島には、飛行機という巨大な鳥のようなものがウロウロしている。大きさも様々だが、いずれも俺よりはるかに大きい。あれは、どうやっても食えそうにない。

今日も夜中に食料調達に大きな鳥のいる方に行くと、いつもいない場所に人が立っている。思わず警戒しながら見ていると、突然、体が吹き飛ばれた・・・。


・・・


「どこから出てきたんですかね」

「この空港を作る前から住んでいるタヌキの子孫だろう」

「お客のペットが逃げ出したんじゃなければいいです」

「おう早く片付けろ」

意識が薄くなっていく中で、人間らしいもの会話が聞こえてきた。どうやら、空港内を移動していた車にぶつかって飛ばされたらしい。

人間が俺の体を掴んで持ち上げ、そのまま海に投げ込んだ。


「くそ・・・何てことしやがる!!」


・・・


「気が付かれたかな?」

俺は白い空間にいた。

周囲には何もない。真っ暗である。目の前には、若者にしか見えない男がある。


「お前は、ついさっき、この世界での生命活動が終了した」

目の前の若者にしか見えない男が話始めた。


「俺は死んだのか」

「そうだ」

「ここはどこだ」

「この世界で魂を回収するために作った空間だ」

「は?」


若者にしか見えない男の説明は理解できなかった。いや、何故か言葉はわかるのがだが、内容が理解できなかった・・・。よく見ると、俺の体はすでになく、白っぽい塊のようなものになっていた。当然、目も口もない。にも拘らず、目の前にいる若者にしか見えない男を識別できている・・・一体なにが起きているんだ!


「お前の魂は、この世界の中ではとても強い。そして、神聖魔法が付与できるほど清らかだ」

「シンセイマホウ?」

思わず若者にしか見えない男の説明に聞き返してしまった。


「そうだ。お前には、新しい世界で世界を救う英雄になってほしい」

若者にしか見えない男はそういって、タヌキの魂を見つめた。


「つまり、違う世界・・・異世界で生きろと?」

「そうだ。そして、危機に陥っている世界を救ってほしい」

海に投げ込まれて死んだタヌキに言うことか?とは思ったが、この世界の人間には一方的に虐げられていたので、違う世界という言葉にちょっと興味がある。


「もし、了承してくれるのであれば、お前に特製の体を与えよう」

「どんな体だ」


「外見は人間成人男性と同じ。だが、対瘴気対策の体・・・行ってもらう予定の世界では、瘴気に当たると人間や動物は動けなくなるのだが、この対策をした体は問題なく動くことが出来る」

「ほう・・・つまりその世界の人間より強いのか?」

「そうだ。更に、お前にしか使えない神聖魔法の力を与えよう。その力で瘴気によってつくられる魔物と瘴気の発生源と思わる沼を塞いでほしい」


「マモノ? ショウキ?」

「お前のための訓練施設を用意した。それと、相棒を用意しようと思っている。新しい世界を2人で救ってほしい」

「嫌と言ったら・・・」

「そのまま消滅してもらうだけだ。時間がないので最終回答が欲しい。 異世界に行くか YES/NO」


正直なところ訳が分からない。ただ、海に投げ込まれて死んだのは間違いなさそうだ。このまま消滅するくらいなら、異世界の人間として生きてみるのも悪くない・・・。


「行くぜ。異世界とやらに!」

「ありがとう。世界をよろしく頼む。なお、この世界のある人物の記憶をコピーしたので、新しい体のDATA領域に入れておく。何か役に立つだろう」

若者にしか見えない男はそういうと、タヌキの魂に手をかざした・・・次の瞬間、魂は異世界に旅立った。

長崎空港には狸が住んでいるそうです。

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