第11話 ダンジョン地下2階(その1)
ダンジョン探索は・・・
朝、ベッドから起きた2人は、自動調理器にフードカードリッジ入れ、朝食を作っていた。
ラムシュンドには、お粥のようなものが、カートにはパンと卵焼きのようなものが出てきたのである。
(たしかにあっさりしたものが食べたかったのだけど・・・)
スプーンで粥を食べながら、この調理機のことを考えていた。
(波高の記憶にある討伐基地の食堂と似ているが、あっちはメニューから選ぶようになっていたはず・・・)
一方、パンと卵焼きを頬張るカートは、
(ラムシュンドと話していて、討伐基地の食事を思い出した・・・その結果がこれかニャ)
阿久津の記憶には、パンと卵焼きの朝食を食べた記憶があった。
・・・
「ステータスを確認しよう」
ラムシュンドはそういって、ステータスを開く、
名前 ラムシュンド(Lv.4)
HP 3510/3510
MP 11700/11700
魔法 神聖 :プリフィケーション(Lv.1)
火属性 :ファイヤーボール(Lv.2)
スキル なし
称号 タヌキの英雄
何故かHPとMPの値が上昇している。
「俺も確認するのニャ」
カートもステータスを開いてみると
名前 カート(Lv.4)
HP 2500/2500
MP 10760/10760
魔法 付加属性 :ヒール(Lv.2)、ライト(Lv.-)
火属性 :ファイヤーボール(Lv.2)
スキル なし
称号 猫のブレーン
こちらもラムシュンドほどではないが、HPとMPが上昇していた。
確認が終わると、ラムシュンドは、地下2階への扉と明けた。
・・・
地下2階は、石の壁、天井も床下も石が敷き詰めたように見える。正面と左右の3方向に通路があった。
「これぞダンジョン!」
思わすラムシュンドは呟いた。
「どっちから行くのニャ」
カートがラムシュンドに尋ねる。
「地下1階のように虱潰しに全て踏破しよう」
「わかったニャ」
ラムシュンドの考えは地下1階で当たっていたので、カートは反対しない。
「で、どっちから行くのニャ」
「右手法で行こうと思う」
ラムシュンドの答えに、意味が解っていないカートは首を捻りながら、
「みぎてほうってニャんだ?」
「ああ、私の記憶にある方法なんだ。右手を壁に沿うようにして移動していく方法だ」
「一体どこで使った方法なのかニャ?」
カートは答えがないだろうと思いつつ、とりあえず口にしてみたという感じで、期待しないで返事を待っている。
「どうやら、マイクロマウスの迷路探索の方法らしい・・・」
以外にもラムシュンドから回答があったのである。
「マウス・・・」
(ニャんか気になる言葉だニャ)
元々、答えを期待していなかったこともあり、カートはマウスという言葉に何故か興奮していたのであった。
ダンジョンを進んでいくと、スライムが突然、壁から出現して襲い掛かってきた。カートが、ライトの魔法を発動させていたので、すぐに発見できた2人は、ショートソードで難なく倒していく。倒したスライムは、豆のような小さい魔石を残して消えてしまうので、後は、それを回収するのみである。少し歩いては、スライムを倒し、魔石を回収してまた進む・・・。途中ダンジョンは左にドックレッグ(90°変針)し、更に、左に別れる道があったがそのまま住んでいく・・・。更に3回、左にドックレッグした先には、扉があった。
(何か嫌な予感・・・)
結局、扉は開かなかった。鍵穴もないので、鍵を探してくるようなものではないらしい。
「他を回らないと開かニャいようなきがするニャ」
「たぶん、そうだろう・・・」
カートの言葉に同意するラムシュンド。右手を壁に沿わせながら、元来た通路を戻っていく。戻るときも、スライムは出現してくるので、ショートソードで倒して、魔石を回収する作業が続いた。
途中見つけていた脇道にはいってしばらく行くと、前方に何か光る、大きなものがいた。
「でっかいスライムだニャ」
思わず、カートが呟く。その直後、
巨大スライムに目が現れ
「ほう・・・よくも我が子分を倒したな。許さん!覚悟!」
そう言った直後、ラムシュンド目掛けて、何か液体が飛んできた。咄嗟に躱すラムシュンド。
「ファイヤーボール」
ラムシュンドとカートはほぼ同時にファイヤーボールを打ち込んだ。
・・・
「どうすればいいのニャ?」
「さあ?」
ファイヤーボールをまともに受け、巨大スライムは燃え上がった。しかし、大きいせいか中々倒れない。燃やされながら、何か修復し続けているようであった。といっても、燃えているスライムにショートソードで切り掛かるのは、得策に思えなかった2人は、様子を見ていたのである。
しかし、いくら待っても状況が変わらないため、
「こいつは放っておいて、他に行こう。後でまたくればいい」
「そうするニャ」
ラムシュンドとカートは、燃える巨大スライムを放置してダンジョンを戻っていった。
燃え続けるスライム・・・永久機関?
どっかで見たような(聞いたような)気もするけど・・・。