凛音-ring-ne-
あちこちに散らばる七色
好き勝手飛びまわり
熱を散らしながら
方々にぶつかった
暴れん坊を
集めてかき抱いた
むず痒そうに
身じろいだ白色
両の腕に点る
まだ小さな明かりたち
いつかそれぞれの色を背に
飛び出していく
一時たりとも
じっとしていてはくれない1粒
それならば
色使いはフィーリング
文様も筆滑るままに
君はもう何度目かな
また出会えなかったのかい
それとも理想が
とても高いのかな
はたまたお目当ての誰かが
決まっているのかな
今度はちゃんと 探せるかな
きっと向こうは
忘れていないからね
心配いらないよ
納得がいくまで
何度でも戻っておいで
君はとても元気だから
同じ模様には
してあげられないけどね
いつだって幕切れは こんなものさ
笑っちゃうほど あっけなくて
取り残されていく自分を
もう何回もシミュレーションしたのに
想像したよりも辛くて
涙も出ないや
日曜大工みたいな手軽さでさ
繋ぎ止められたらいいのに
外れ落ちそうになる度に
釘を打ち付けてさ
継ぎ接ぎだらけの
不恰好な見た目になって
嘲笑を浴びたとしても
全然気にならないよ
むしろ こんなになるほど 大事なんだよって
こちらから鼻で笑って 吹き飛ばしてやるのに
あのままには しておけなくて
際の際まで 君が拘っていた
綺麗なままの身体で
空に還してあげないといけなくて
連れていったのは自分なのに
立ち上る煙に 息が出来なくて
取り返しのつかないことを してしまったと
幾日も悔やんで
せめて身体だけでも ずっと側に…
はっきりしない頭で
詮ないことばかり考えて
それから何回
太陽を周回しても
君お気に入りの席は 冷たく空いたまま
ご自慢の 長くて真っ直ぐな尻尾
何股に分かれてもいいから
ずっと一緒にいようねって
あんなに言ったのに
やっぱりちゃんと
聞いてなかったんでしょ
そんなことだろうと思ってたから
別にいいんだけどね
きっと還った先でも
そんな調子で困らせてるんだろうな
とにかく君は お転婆だったからね
その分だと
家の場所も 覚えてなさそうだね
地図入れておいたけど
文字読めないから期待してなかったし
紙 丸めて遊ぶの大好きだったから
どうせ転がして どこかにやっちゃっただろうし
別に 諸々 慣れっこですので
伊達に何年も 振り回されていないから
大丈夫 いつまでも待つよ
その代わり
私の姿が変わっていても
ちゃんと匂いで 判別してよね
落ち着きのない君のことだもの
きっと毛皮も 別の着て来ちゃうんでしょ
そしたら 私の鼻では
すぐには気づけないから
また前みたいに
甘ったれた声でアピールしてよね
おや
また君か
戻ってきたのかい
前の模様は
かなりの自信作だったのだけどね
そうかそうか
会えなくて残念だったね
こらこら…
相変わらず元気いっぱいだね
すぐ発つのかい
次こそは 会えると いいね
きっと君に会えるのを
ずっと待っているよ
そのいっぱいの元気で
ただいまを言っておやり
日付変わってしまいましたが、今日は愛猫の命日でした