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2人の本音

暇なら読んでみて下さい。


ささっ


( ^-^)_旦~

 ある日、レンの部屋にて


「ねぇレン」

「どうした?」


「レンはどうして私の妖怪探しに付き合ってくれるの?」

「それは、難しい質問だな…」


「難しいの?!そこは、『俺は…アヤカに妖怪を見せてやりたい。ただそれだけだ…フッ!』って格好つけるとこじゃないの?!」

「ソレは誰だ?そんな奴がいたら、ぶん殴ってやりたい」


「冗談はさておき、ちょっと気になってさ。レンには何の得もないじゃん?いくら可愛い幼馴染みとの2人旅でも、毎回嫌じゃないの?」

「自分で言うな。そもそも嫌だったら行かない。俺の性格知ってるだろう?」



 そう。出不精で面倒くさがり。だけど、アヤカに対しては裏表がなくて、嫌なことは嫌だとハッキリ言う。

 だからこそ、不思議なんだよね。



「レンって妖怪たいして好きじゃないでしょ?そんなに会いたいとも思ってないだろうし」

「それは誤解だな。俺は結構、妖怪好きだ。積極的に会いたいとは思わないだけで」


「えっ!そうなの?」

「嘘ついてどうする。だから、アヤカの会いたい気持ちは分からないでもない」


「そっかー。遠慮しなくていいんだね」

「全く必要ない」



 長い付き合いで知っているが、レンは嘘をつかない。いや、動物を庇うときには、しょっちゅうついてるが。



「よかったー。それ聞いたから、今後も気を使わずに誘えるよー」

「そもそも、気を使うような間柄でもないだろ」



 いい奴だな。さすが優良物件と言われるだけ……


 …これを機に、聞いてみようか?


 今まで聞いたことなかったが…




 アヤカはガラにもなく、緊張した面持ちでレンに話し掛ける。



「突然だけど、レンって私のことどう思ってるの?」




 言った!言ってしまった!


 これって、好きな人にどう思ってるか聞くフレーズだよね!


 少女漫画の主人公でもないのに、聞いて良かったのかな?!いや、それより変に思われないかな?


 ええい!ままよ!



「どうって?」



 レンは質問の意味がよく分からない、といった風に聞き直してきた。



「その……幼馴染みなのは当然だけど、それ以外に女子として何か思ってることあるかなって…」



 うぅー! なんか、とてつもなく恥ずかしいぞ!やっぱり聞くんじゃなかった!



 すると、レンは合点がいったとばかりにアヤカに告げる。



「それは、女子としてどう思ってるかということだな?」


「その通りであります…」



 アヤカは後悔していた。こんなことは勢いで聞いていいことじゃない。ましてや、今までただの幼馴染みだっただけの2人の仲に、今後、微妙な空気が流れ続けることになるかもしれない。



 5分前に戻って自分を殴りたい。バカアヤカめー!!



「好きだぞ」



 へっ?… なんて?



「えっと… そ、それは……どういう?」



「そのままの意味だ。アヤカのこと女として好きだ」



 ー! みるみる赤面するアヤカ。



 平然とした顔でレンは続ける。



「ん?何で黙るんだ?もしかして、そういう意味で聞いたんじゃなかったのか?」


「い、いや。合ってるんだけど、ちょっとビックリしちゃって」


「そうか」


 そういってレンは微笑む。




 ガハッ! 胸が苦しい… 

 そうか…… 私も、レンのこと……



「念のため聞くけど、それって付き合いたいとかの好きだよね?」

「そうだ」



 グハッ!

 アヤカは50ダメージを受けた。



「レンはいつから好きだったの?」

「分からないけど、気付いたら… かな」



 ガハッ! グヘッ!

 アヤカは100ダメージを受けた。



「ちなみにどんなところが?」

「見た目の可愛いさやスタイルはもちろん、快活でサッパリしたところや意外と涙もろいところ、妖怪に対してもだけど一途なところもだな。あとは気づかいもできるし、…」



 オロロロロロ! 



 クリティカルヒット!

 アヤカは砂糖を吐きだした…



「わかった!!もう、大丈夫!ありがと」

「もう、いいのか。わかった」




 あっぶねー!これ以上は私の心臓がもたない!

 とんでもねぇ地雷を踏んでしまった…



 何とか呼吸を整えたところで、レンが聞いてくる。



「まだ、アヤカは俺のことどう思ってるのか聞いてないぞ?」



 Oh NO!!  まじかー!



「俺は…今は重いかもしれないが、いずれアヤカと結婚したいと思ってる」



 いきなりプロポーズキター!新婚さんいらっしゃ~い!



「アヤカはどうだ?俺じゃ駄目か?」



 俺じゃ駄目か?キター!! あす〇ろ白書!



 アヤカがあたふたしていると、レンがゆっくり近づいてきた。



「まぁいいか。もう、アヤカは俺のモノにすると決めてるから」

「えっ!それはどういう意味…」



 レンはアヤカの頬に掌を当てると、唇を近づけてきた。驚いたアヤカの体はいうことをきかない。

 そして、覚悟を決めたアヤカはレンの唇を受け入れるために瞼を閉じた……



  ★  ★  ★  ★



 アヤカが瞼を開いたとき、レンは目の前にいなかった。それどころか、レンの部屋ですらなかった。



『夢か…』



 ここはアヤカの部屋。妖怪日めくりカレンダーに目をやり、今日は日曜日かと思い出す。

 かなりの寝相の悪さだったのか、体は上下が逆になり、毛布は乱れ、枕がベッドから落ちてしまっている。



『まるで、枕返しが来たみたいだね』




※枕返し※


 夜中に枕元にやってきて、枕をひっくり返したり、体の向きを変えるといわれている。特に害はないと思われるが、中には命を奪う枕返しもいるらしい。


  ★


 乱れた寝具をきちんと戻して、時間を見れば朝の7時を少し過ぎた頃。朝食を食べようと1階に下りる途中で、鏡に写る自分を見て苦笑い。

 寝癖もスゴいが、そんなことよりも顔が真っ赤になっている。


 …少し、熱で火照った顔を冷やしてから下りようと思った。



  ★  ★


 

 学校でレンを見かけたとき、無駄にドギマギしてしまって珍しくレンの方から話し掛けられたのは余談。





読んで頂きありがとうございます。


(●´ω`●)

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