お茶会-4-
と、私が足を踏んでスッキリしている一方で、赤紫色の彼女はというと、笑っている女の子達の方を見てフッと挑発したように鼻で笑い料理がのったお皿を片手にバルコニーに姿を消していた。
か、かっこいい!!
私も1回でいいから鼻で笑ってみたい!!
「な、なんですの!? 今の!?」
「庶民のくせに私達を鼻で笑うだなんて……!」
途端ギャーギャーと騒ぎ出すご令嬢たち。
「トレド様! なぜあのような方をお呼びになったのですか!?」
1人の女の子が怒りで顔を真っ赤にさせそう言った。
「……庶民と接することで学べる事もあるかもと思ったのですが、呼ぶ人を間違ったようですわ」
そう言ってバルコニーの方を見やり目を細めた。
それ絶対、嘲るために呼んだよね!?
学べる事って、見たところあなた彼女に1回も話し掛けてなかったよね!? むしろ無視ってたよね!?
そうツッコミたかったのは私だけのようで、他の子達は「まぁ……」と尊敬の眼差しをエリザさんに向けた後、口々にエリザさんを賞賛しはじめた。
「……くだらない」
思わずその言葉が口から音となって出ていった。
やっちゃった! と思ったが、幸い私を取り巻いていた人達はエリザさんの方に行ったため、私の言葉を拾った人は誰もいなかった。
イライラが頂点に達した私は、思わず口から暴言が飛んでいかないうちに外の空気を吸って落ち着こうと思い、赤茶色の彼女が居るバルコニーへ向かった。
バルコニーに出ると春の心地よい風が私を包んだ。
「こんばんは」
バルコニーに設置されたクッションだらけのピンクのソファーに腰掛け、長い脚を組み探るように私を見ている彼女に声を掛けた。
「……何の用? 直接私を笑いに来たの?」
挨拶を返されるどころかそんな事を言われた。
「違いますわ。ただチョットばかりイライラしたものだから夜風にでもあたろうかな、と思いましたの」
そう言えば、彼女に真意を探るかのようにじっと見つめれた。
ってかさ、ちょっと思ったんだけど、わざわざ直接笑いに来るとかそんな人いる!? いたらその人、そうとう性格捻じ曲がってるよね!?
そう心の中でツッコんでいるとクスクスと上品な笑い声が聞こえてきた。
「本当に嘘はついてないみたいね」
むしろ嘘つけないタイプ?
そう言って小首をかしげた。
サラリと彼女の赤紫色の髪が彼女の首を滑る。
男の人が見たら鼻血もんだと思う。
それくらい威力が半端ない。
「えと、ありがとうございますわ?」
取り敢えずお礼を言っておいた。
「あなた面白いわね。っていうか、その口調やめてもいいわよ。私お嬢様じゃないし」
またクスクスと笑いながら彼女はそう言った。
「あ、そう? ならお言葉に甘えてー……ってえ!? 何で分かったの!?」
私のお嬢様言葉、結構さまになってたと思うんだけどなぁー……。
「ってことはエリザさんとかにもバレてたのか……」
うそんー。
え、それって結構ヤバくない?
「大丈夫だと思うわよ。上手よ」
「えっ!? じゃあなんでー……」
そう聞いても、答える気はないのか彼女はバルコニーから見える風景を見て黄昏ていた。
おおいっ!
「ところで、名前何ていうの?」
しょうがないから話を変えることにした。
「ソフィア=フランシス。ソフィアでいいわ。あなたは?」
「私はティナ=シーナ。ティナでいいよ!」
そう自己紹介すると、彼女……ソフィアは目を見開いた。
「シウォル=フランシスって知ってる?」
私が知ってるシウォルってあの門番さんしかー……、もしかして?
そう思い、改めてソフィアの顔をじっと見た。
「え、え!? まさかシウォルさんの娘さん!?」
「ええ。シウォルは私の父よ。そんなことより、私、自分の家の使用人のことさん付けで呼ぶお嬢様って初めて見たわ」
そう言って物珍しそうに私を見た。
「いやー、だってシウォルさんには本当にいつもいつもお世話になってるからー……ってそんなこと!?」
結構重要なことだと思うんだけど……!?
「ふーん。だって、あの人のことなんて興味ないもの」
「あ、はい」
どうやら娘さんが反抗期というのは本当らしい。
登場人物の年齢設定がややこしくなってきたので、ここで少し説明します。
ティナは現在14歳で、季節は春です。
ちなみに、ティナがウィルと出会ったのは13歳の時です。
クリスはシーナ家に引き取られたのが12歳の時で、現在は13歳です。
これ以外にもよく分からない点などありましたら教えて下さいm(_ _)m
出来る限り本文に組み込ませたり、今回の様に後書きに追加したりと解決していけたらと思っています!




