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最終話

 日本国内だけとは言え、全てのダンジョンが消滅し、その一帯に居たモンスターのほぼ全てが処理出来て、半年が経過した。

 この日本の事例は、他の国々の希望となったのだが、それを実行出来る国は少なかった様だ。

 その為、日本政府に対して、応援を要請する国が後を絶たなかった。

 また、日本に遅れる事3ヶ月で、国内6ヶ所のダンジョンを消滅させたアメリカにも、同様の依頼が持ち込まれていた。

 アメリカは、カナダなどの隣国に部隊を派遣し、ダンジョン攻略を実施している。

 そして、日本に関しては、インドネシアへと部隊を派遣した。

 何故にインドネシアなのかと言うと、石油の為だ。

 実際は、サウジアラビアやUAEの方が元々の石油輸入量では遙かに多のだが、距離が遠すぎた為一番近いインドネシアとなった。

 これが平時であれば、距離の問題など関係ないのだが、航空燃料はもとより、タンカー用重油すら事欠いている状況では、この距離が限界だったと言う事だ。

 また、インドネシアのダンジョン数が2ヶ所と、比較的少なかった事も選定の理由になったのだろう。

 この、インドネシア派遣部隊は、俺達4人を除いたあの部隊で、俺達が抜けた分を新規の者を6名加える事で補ったものだ。

 そして、彼らは……失敗した。

 基本的に、最初の段階の『ダンジョン入り口の確保』が出来なかった。

 彼の国には、(くだん)のダンジョン入り口の転移ポイントを未だ所持している者が居なかった。

 その為、ヘリによる上空からの接近と広範囲魔法による殲滅、その上で『空歩』で飛び降り、着地と共にポイントを記録し『転移』で脱出と言う手段を執った。

 そこまでは良かった。問題はその後だ。

 先ず、インドネシアの軍は、既に崩壊に近い状態で、彼らの部隊を援護出来なかった。人員はともかく、武器弾薬はほぼ底を突いていた。

 日本に関しても、武器弾薬に関してはほとんど同様で、最低限の支援すら不可能な状態だった。

 その為、事前の『ダンジョン周辺のモンスター殲滅』と言う手段が執れなかった為、大量のモンスターが(たむろ)している場に転移する必要があった訳だ。

 そして、彼らはそれを実行したのだが、最初の段階である『壁作り』が出来ず、大けがをした上で『転移』で逃げ帰る事になった。

 その後、1チームがヘリで現場に向かい、上空からダンジョン周辺への広範囲魔法を使った上での転移を実行したが、ダンジョンから出て来るモンスターに対処出来ず、結果は同じ様に『転移』で逃げ出す事になった。

 元々、俺達がいた際は、この『壁作り』は全て俺達が担当していた。

 その為、彼らは余りこの作業に慣れていなかった事もある。だが、根本的に言えば、パラメーターが低すぎて、処理速度が遅すぎた事が一番の原因だ。

 また、俺達の場合は、デボとぺんぺんと言う『転移』にほとんど影響を与えない特殊な存在が居た為、1回の転移で移動出来る戦力が2名多かった。

 かと言って、複数人のジャンパーを使って転移しようとしても、今度はそれだけの体積を転移出来るだけのスペースが無い為、転移自体が発動しない。

 最小体積で、最大戦力を持つ俺達だからこそ出来た方法だったと言う事だ。

 アメリカ軍の場合は、これを上空のヘリなどを使った支援攻撃で賄った。

 また、日本の自衛隊と違い、彼らはダンジョンへの立ち入りを禁止されていなかった為、その後も成長しており、パラメーターは俺達には及ばないにしろ、自衛隊よりは上だった為対処出来たのだろう。

 そんな訳で、低パラメーターで有り、支援が無い彼らは、結果として何も出来なかった訳だ。

 ……と、まあ、そんな話を今日聞かされたんだよ。拘置所の面会室で…


 俺達はまだ身柄を拘束されたままだ。実は、裁判すら始まっていない。

 なにぶん、世界的混乱に伴う食糧危機で、司法関係もぐちゃぐちゃの為、マトモに裁判などが動き出したのはつい最近になってからだ。

 実際、警察署の留置場にいた際も、飯が1日に1回出れば良い方だった。

 それ以前に、留置場を担当する警察官すら、まともな数が居なかった程だ。

 その為、先ず、起訴後の弁護士選定が長引いた。通常私選弁護士を選べない者は、国選弁護士が担当するのだが、これが見つからなかった。

 そして、遅れる事2ヶ月で弁護士が決まったのだが、今度は初公判日が決まらない。

 警察の留置場から、拘置所へと移送された後も、延々とただ待つだけの日々だった。

 この間、俺達には意味不明な事に『接見禁止』と言う、外部との連絡の一切が取れない処置が下されていた。

 その為、碧の現状すら全く分からない状態だった。

 一応、担当弁護士に聞いたのだが、同じ拘置所に来ている事しか分からないそうだ。

 『接見禁止』の場合は、担当弁護士しか面会出来ず、俺の担当弁護士では会えないそうだ。

 この『接見禁止』は、一応、1回目の裁判で解除される予定らしい。だが、未だその初公判の日は決まっていない…

 ちなみに、俺達の罪名は、『ダンジョンに関する特別法違反』だ。

 具体的に言うと、『ダンジョンの発生を発見した場合には、直ちにこれを関係機関に届け出ねばならない』ってのと、『ダンジョン内に、そこから産出される物を得る事を目的とし、無許可で入っては成らない』って条項に違反するって事だ。

 前項は300万円以下の罰金または3年以下の懲役刑、後項は100万円以下の罰金または1年以内の禁固刑となっている。

 運動時間一緒になった、この道のプロに言わせると、初犯なら100%執行猶予な罪だそうだ。

 そのプロいわく、3年以下刑は軽い罪に当てられるもので、場合によっては、午前午後に分けた2回の裁判と言う形で1日で終わるケースも有るとか。

 ただ、俺達の場合は、もう一つの疑惑が付けられている。罪名では無く『疑惑』なのは立証出来なかったからだ。

 それは、『俺達が自宅に発生したダンジョンを消滅させた事によって、その後の大氾濫が発生したのでは無いか』と言う疑惑だ。

 この事があったせいで、普通の警察では無く、公安なんて部署の警察が俺達を担当したらしい。熊本で逮捕されたのに、東京まで連れて行かれたのもそれが理由だろう。

 彼らいわく「これは、状況は違うが内乱罪を越える罪になり得るんだぞ!!」だそうだ。

 中には「外患誘致罪が適応されても良いレベルだ!! これは死刑以外無い罪だぞ!!」なんて言ってくるヤツも居た。

 起訴前に、担当検事の元に行って、調書を作るんだが、その際もこの事を言われた。

 だから言ってやった。

「へー、そーデスか、じゃあー、今回の『ダンジョン消滅作戦』を命じた政治家の全員が同じ罪ですよね。この事が仮に事実なら、アイツらは、俺達と違って、そうなる事を知っていて命じたって事は俺らより罪が重くないですか?」

 イメージは碧の口調だ。慣れないので、碧の様には出来なかった。

「全員、俺と同じ様に逮捕してくださいよ。告発ってのが必要なら、俺がしますから、今、この場に書類を持って来てください。さあ、ほら、早く」

 俺の目の前に座っていたその検事はもとより、助手なのか、横の机に座っていた若い男も唖然とした顔で、二の句が継げなかった。

 その後、「さー、早く」「いや…それは」「大量の犯罪者を放置するんですか?」「いや、だから、状況が…」と突っ込み続けると、俺の後ろに控えていた警察官に「連れて行け」と言って調書も取らず追い返された。

 まーそんなもんだ。帰りがけ、移送担当の2名の警察官に、同様の事を言ったが、「俺達は移送担当だから…」と誤魔化されて終わりだ。

 4日後の調書取りでは、その事には一切触れず、『ダンジョンに関する特別法違反』についてのみの調書を短時間で取ると、サッサと追い返された。ものの20分も掛かっていない。

 と、まあ、そんな感じで、拘置所の単独室と言う一人部屋にずっと突っ込まれて居たんだが、その日、入浴や運動時間以外の時間に外に出されて怪訝な顔をすると、面会だ言われた。

 『接見禁止』なのだから、面会と言えば担当弁護士しか居ないのだが、裁判すら未定の状態では合って話す様な事がある訳も無く、首を傾げつつ歩いて行った。

 面会と言う事で付いていったのがだ、そこは前回行った面会室とは別の場所だった。その上、作りも全く別だ。

 前回弁護士とここで面会した際は、テレビで見る様に間を透明プラスティックで仕切った狭い部屋だったのだが、今回は4畳位ある部屋で、中央にスチール製の机と床に固定されたパイプイスが有る部屋だった。

 連れてきた刑務官に促されるままそのパイプイスに座ると、俺の入って来た反対側にあるドアが開き、4人の男達が入って来た。

 4人の内2名は見知った顔だ。1人は以前居た駐屯地のお偉いさんで、確か、陸上幕僚監部とかって所から来ていた人だったはず。

 そしてもう一人は、防衛大臣だ。以前、無駄に話を聞きに来た政治家達の一員だ。まあ、彼の場合は、他の政治家連中と違って正当な視察だが。

 机越しに並べられていた2つのイスに、防衛大臣と自衛隊のお偉いさんが座り、あとの2人はその後方に立ったまま控えた。

「久しぶりだね、あれから8ヶ月近く経つのか。身体は大丈夫かね?」

 体重が10キロ近く減った俺と違い、眼前に居る2名は以前のままの恰幅(かっぷく)を維持している。

 そんな福々しい顔を微笑ませて、防衛大臣が喋りかけてきた。

「………」

「うん? 体調でも悪いのかね? 大分痩せた様だが…」

「………」

 俺は無言のまま立ち上がる。その瞬間、前列に座った2人は身体をこわばらせ、後方に居た2人の手がスーツの胸元に伸びた。

 それに気づいたまま、無視して俺は身体を反転させ、入って来たドアの前まで移動して行く。後ろで「おい! どこへ行く!」と声が掛かっているが無視だ。

 そしてドアを、ノックする程度の力で叩く。力一杯やると、壊れはしないだろうが、多分凹ませる程度は出来るから気を使う。

「すみません、出してもらえますか、俺接見禁止が付いてますから、弁護士以外とは話できないことになってるんです」

 当然ながら、ドアの外には刑務官が待機していた訳で、慌ててガチャガチャと扉の鍵を開ける音が聞こえ、俺を連れてきた刑務官が飛び込んできた。

「お前、接見禁止だったのか!?」

「扉に接見禁止の札あったでしょ?」

 他は知らないが、俺が居る拘置所では条件が定められた被疑者が居る場合には、その者が入っている部屋の扉にマグネット式の札が貼り付けられていた。

 俺の部屋の扉には、赤字で書かれた『接見禁止』の札が貼られており、他の部屋の扉に『糖尿食』なんて札も見た事がある。

 大慌てで俺は廊下に出され、その刑務官は近くの壁にあった内線電話でどこかに連絡を取った。

 その後、5分近くその場で待機となり、挙げ句の果てに、「特別許可が出ている」と言う事だったらしい。

 それが本当か嘘かは知らない。裁判所の許可が必要だと弁護士から聞いた事が有るので、発行された書類があるはずだが、俺に提示を求める権利は無い。

 そんなすったもんだが有ったが、普通と違う『面会』が再開された。今度、運動の時、あのプロに聞いてみるか、こんな面会って有るのか?って。

 俺がパイプイスに座ると、防衛大臣が咳払いと共に話し出した。

「君も、こんな所に閉じ込められていて、世間の情報が分からないだろう。あの後の事を簡単に教えよう」

 そう前置きし、俺達が身柄を拘束されてから、現在までのダンジョン関連の事を長々と教えてもらった。『聞いてくれ』じゃ無く『教えよう』って所がいかにもだな~なんて思った。

「で? 聞きたいと頼んでもいない事を長々と喋ってくれたけど、で、なに?」

 俺はあえて、碧口調で行く。既に敬意なんて全く持っていない。俺達を告発したのは、間違いなく彼らだ。

 罪を犯したのは間違いない。故に、俺も碧も大人しく従った。『転移』が使えて、いつでも脱獄してまた戻ってくるなんて事も出来るのだが、それもやっていない。

 罪は罪として認めているし、それに服する用意もある。だが、やらせる事をやらせて、事が終わった瞬間、逮捕は無いだろう、って思う訳だ。

 おかげで、デボとぺんぺんに苦労を掛けてしまっている。

 別れ際、「悪い、しばらく2人でなんとか生活してくれ。家に帰ってくれてると助かる」と言うのが精一杯だった。

 通常、身柄を拘束するのは、『逃亡の危険性』を鑑みる訳だが、俺達の場合はこれを考慮するのは無意味だ。『転移』で逮捕後でも簡単に逃げられるのだから。

 つまり、いきなり拘束では無く、身の回りの整理をする時間をくれても良かっただろう、って話だ。

 俺達の考えはともかく、実質、無償で命を賭けて作戦を成功させた者に対する行為とはとてもでは無いが思えない。

 有る意味、日本を救ったと言っても過言ではない訳だ。その結果が、終わった途端、はい逮捕だ。

 そんなヤツらに、礼節を取る必要は無い。碧風で充分だろう。後方に控える2人の護衛らしい者の顔に怒気が浮かぶが知った事では無い。

「…最初にも言ったが、この事態は我々も望んだのもでは無いのだよ。それは分かってくれ」

 陸自のお偉いさんが、無意味な事を言ってくる。

 これは、最初に言い訳として言ってきた、「君らを告発したのは、一部の者達で、我々はそれには関与していない。君らの事は最大の功労者として表彰する準備をしていた位だ」なんて言った事についてだ。

 それを言われた直後に、「そーデスか、それにしては半年も放置は変ですよねー」と言うと、押し黙ってくれたよ。

 だから、再度その事を言及しても、全く意味は無いって事だ。

「だ・か・ら、何しに来たんだって聞いてるんだけど」

 俺の嫌みったらしい言葉を受けて、顔を歪める4人だが、直ぐには誰も口を開かなかった。

 そして、30秒程立って口を開いたのは防衛大臣だ。

「…つまりだ、君たちにまた、部隊に参加してもらいたいのだ。無論、今回の罪は全て恩赦で処理する。その上で、前回の分も含めて十分な額を支払おう」

 まあ、さっきまでの経過報告を聞いていて、おおよその事は分かっていた。あの状態で、俺達の元にわざわざ来る用なんてそれ位しか無い。

 一応、もう一つの可能性として、デボとぺんぺんを貸してくれって言うのも考えてたけどね。

 ちなみに、現在、デボとぺんぺんは俺達の家に帰っている。

 現場検証の為、俺達の家に写真撮りに行ったヤツらが、2人の迎撃を受けて敷地内に入れず逃げ帰ってきた。

 何でも、デボからレーザー攻撃を受けたそうだ。まあ、当然だが威嚇射撃で、かなり離れた路面を焦がしただけだったみたいだが。

 そして、その旨を俺に伝え、2人を説得するビデオを撮影させられた。そのおかげで、2人の現状が分かったので助かったよ。

 一応、ビデオの撮影条件として、碧にもぺんぺんとデボが家にいる事を伝える事を提示して認めさせた。これは、まだ警察の留置場に居た時の話だ。

 話は少し変わるが、この拘置所に収監されている、例のプロとの会話で、恩赦のことが出た事が有るんだが、彼が言うには「恩赦は既決者だけを対象にして、未決者は対象としない」って話だ。

 彼の場合は、経験則による知識であって、実際の法律家では無い。間違っている可能性も有る。

 だが、仮に彼の話が本当であれば、俺たちに取っては意味の無い話になる。

 高確率で執行猶予になるらいし俺達が、判決後恩赦を受けてもほぼ意味が無いって事だ。

 執行猶予の事については、担当弁護士にも確認している。絶対という言葉は使えないが、常識的に考えて執行猶予の確立がかなり高い、そうだ。

 何より、日本の全てのダンジョンを消滅させた行為が、情状酌量にかなり良い効果を発揮するだろうって話だ。

 正式な形の『賞』では無いが、それ以上の効果が有るだろうとの事。マスメディアが機能していれば、それだけで凄い騒ぎになっているだろう、と弁護士は言っていた。

 と、言う訳で、俺の答えは1つしか無い。

「お・こ・と・わ・り」

 もちろん、某ハーフアナウンサーを真似て、ちゃんと手でポーズも取ったぞ。あれ?元アナウンサーだっけ?

 彼らは慌てた様に、2人掛かりで翻意(ほんい)を促そうとしてくるが取り合わない。

 終いには、「お前は、世界の危機を救おうという気概は無いのか!!」なんて言ってきた。

 だから、「いや、それで頑張ったら、ここにほーり込まれたんだけど」と言うと、俗に言う『ぐぬぬぬぬ…』状態に成ったよ。

 それでも、防衛大臣は「それをしたのは他の者達で、我々はそれを是正する為に来たんだ」なんて言って来たよ。

 で、「そーデスか、そーデスか、じゃあ、今ここでその是正ってのをやってくれるんですよね。後の参軍関係なく」と言ってやると、こちらも『ぐぬぬ…』状態になった。

 全くアホか。

 結局、彼らはなにやら怒鳴りたいのをかなり我慢したまま帰って行った。

 まあ、どこぞの悪役やられキャラの様な「覚えておけよ、この後どう成っても知らんぞ」的な脅し文句を吐かなかっただけでもまだマシか。

 実際、彼ら自身はともかく、政府というレベルで言えば、俺達をどうにでも出来る立場にいるのは間違いない。

 そんな彼らを怒らす事は、愚の骨頂でしか無いのだが、流石に拘禁病なのか、俺も怒りっぽくなっていた様だ。

 いかんいかん、碧に染まってはいけない。ダークサイドに落ちてはいけない。口まねのつもりが、染まりかけている。気を付けねば。


 特別面会(?)が有った後、4日後にまた団体さんによる特別面会が有った。

 ちなみに、あの後、例のプロにその面会について聞いてみると、そこは面会室では無く、拘置所に移った後に取り調べを受ける際使用される部屋だった様だ。

 利用するのは警察や検事がおもで、間違っても面会に使用する場では無いらしい。明らかに異常って事だな。

 今回は、前回のメンバーに加え、法務大臣と文部科学大臣と厚生労働大臣まで来ていた。

 で、いきなり文部科学大臣と厚生労働大臣から謝罪があった。何でも、彼ら2人が今回俺達を告発した張本人らしい。

 理由を聞くと、散々誤魔化したあげく、結局はあの日、京都の駐屯地での俺達の態度(実質碧の態度)が気にくわなかったって事だった。子供か。

 散々10分以上「法と秩序の間点から…」「罪は罪、知っていてそれを見逃すのは…」などと言ったあげくがそれだ。

 彼らは、碧の『あっそ、じゃあ、私達を刑務所にでも入れれば? 逮捕でも何でも好きにすれば?』を覚えていて、事が終わるのをずっと待っていたらしい。

 そして、『阿蘇ダンジョン』の消滅と、周辺モンスターのだいたいの掃討が完了した事を知り、それを実行したって事だ。その執念を別のモノにつかえよ!って言いたい。

 そんな、言い訳まみれの謝罪と追求が終わった段階で、法務大臣が一枚の紙を出した。

 それは、俺達の罪を赦免する執行指揮書だった。法務大臣印も押されており、既に効力を発揮した状態となっていた。

 どういった根拠や論法で、この指揮書が作製されたかは不明だが、かなり強引な形で発行されたのは間違いないだろう。

 確か日本では、アメリカの様に某24なドラマで良く有る『司法取引で…』とか『大統領の権限で…』なんてのは出来ないって聞いた事が有る。

 ……

「これで君たちは、晴れて自由の身だ」

 法務大臣は会心の笑顔を作って俺の前にその指揮書を差し出した。

 フーッ

 俺はその指揮書に息を吹きかけ、法務大臣の手元に返す。

「お・こ・と・わ・りって言ったよね、俺。悪いけど、このまましばらくすれば執行猶予で出られるのに、なんで後でもめそうな物の世話にならなきゃいけない? しばらくしてマスコミが復活すれば絶対騒ぎになるだろ? 刑を受けた方が後々の為だよ」

 法務大臣は無論、他の面々も俺の言っている事が分かっているのか、苦い顔をしている。

 過去、密入国して来た某半島北の指導者のバカ息子を、罪に問わず送り返すなどして、国民からかなりバッシングされた事もある。

 日本人には、『超法規的処置』ってヤツが全くなじんでいない。故に、絶対に反発が出る。

 だが、かと言って、俺達をそのまま放置していたとしても、それはそれで反発が出るのも間違いない。結構面倒な国民性だ。

 その後の、作戦参加の事は別にしても、それ以前の段階で結構面倒な状況になっている訳だ。無論、今後、元の様な秩序が回復したらという前提の話だが…

 後の面倒を考えて、拒否した俺だが、その拒否は拒否されてしまった。

 なぜなら、既に執行された指揮書はその時点で効力を発揮しているからだ。その効力を停止する事は出来ない。既に実行されたからだ。

 もし、この指揮書の執行を事実上無しにするとしたら、改めて同じ罪を問い直すしか無い。だが、それは一事不再理の原則によって不可能なのだという。

 つまり、俺達はこの時点で、望むと望まざるとにかかわらずこの拘置所にいられなくなったと言う事に成る。


 俺は、自分の意志によらず、拘置所より放り出されてしまった。

 そして、俺から遅れる事20分で、碧も龍槍を除いたフル装備で放り出されてきた。龍槍は俺の草薙剣やナイフと一緒で、箱詰めにされており、それを肩に担いでいる。

「お兄ー、おひさ~。で、どゆこと?」

 俺同様、久々に見る碧は痩せていた。食いしん坊な碧には、粗食状態の留置所・拘置所の飯はキツかっただろう。量もだが、未だに1日2食しか出て来ないからね。

 そんな碧を迎え、拘置所の玄関内で、思いっきり場違いな格好のまま、俺は碧に状況を説明した。

 どうやら、4日前、碧の元にもあの4人が来たらしいが、ほぼ俺と同様の事を言って拒否したらしい。時間からすると、俺の後直ぐだった様だ。

「面倒くさいね~、拒否って出来ないんだ。もう3ヶ月ぐらいなら我慢出来たのに」

「ああ、多分、取りあえず俺達を出しておいて、その上で交渉しようって事なんだろ。恩を売るつもりだったみたいだぞ」

「あははー、アホですか? 全然恩になんないのにー」

 特に話し合った事は無いんだが、どうも、この辺りの考えは俺と同じだった様だ。…俺の思考が碧化してきてるって事か?

 面会などの手続きに訪れたらしい一般人が、俺達の姿を見て驚いているが、俺達はそのままそこで今までの各自の経緯を話し合った。

 碧の方も基本俺と同じ様な感じだった様で、一応、約束通りデボとぺんぺんの事は知らされていた。

「あの子達なら大丈夫だと思うけど、早く会いに行かないとね」

「だな。さて、問題は、銀行のATMネットワークが復活しているかって事だな」

 あれから半年経っているから、銀行機能は回復していると思いたい。その上で、他府県をまたぐATMの提携機能が復活しているかが問題だ。

「行って見るしかないんじゃない? どっか、そこら辺にあるでしょ」

 拘置所を出て周囲を探すと、幸いな事に比較的近くに都市銀行を発見し、無事お金も下ろす事が出来た。

 ただ予定外な事に、多くのコンビニが閉店しており、自動販売機も動いていなかった。その為、何も食える物は買えないまま駅へとたどり着く。

 一応、電車は動いている様だが、便数も半分以下で、地方に行けばその数は更に少なくなるらしい。

 駅員も「完全に元に戻るのはいつなんでしょうね?」なんてため息交じりに言っていた。

 まあ、全ては食料品を含む輸入品が入ってこない限り無理だろう。電力は原発を再稼働させる事である程度対処しているが、それ以外の品は無理だ。

 ほとんどの家が、プランターレベルでの家庭菜園迄しているらしく、食糧確保に必死な様だ。

 海には、真冬にもかかわらず、素潜りする者が溢れ、海難事故も多発しているとか。

 そこら辺の情報は、拘置所の刑務官達の会話から聞き知ったものだ。だが、実際、出て、見て回った限り、それは本当の事のようだ… 思った以上に荒れている感じがある。

 そして、以前なら4時間と掛からず着く道のりを、9時間掛かってなんとか家までたどり着いた。

 無論、駅から5キロは歩きだ。外灯など無い道で、碧の『ライティング』が地味に役立っていた。

 深夜の山道を移動し、半年以上帰っていない自宅へ後100メートル程の位置に差し掛かった時、前方からもの凄い速さで飛んでくる2つの塊が有った。

 デボとぺんぺんだ。

 デボは俺達の周りを10週ほど飛び回り、碧の頭に飛び乗ってなおも翼をばた付かせている。

 そしてぺんぺんは、俺のギリギリまで『縮地』で移動してくると、そのまま顔に全身でへばり付いてきた。

「ただいま~、ごめんね~、遅くなって」

 碧がそう言いながら、頭上のデボと俺の顔に未だにへばり付いているぺんぺんを撫でているが、俺はぺんぺんがへばり付いている為声が出せない。

 仕方が無いので、そのまま2人をなでた。

 ヒシッと言う擬音が合う程にしがみついていたぺんぺんも、やっと離れてくれ、碧の顔に移った。

 碧は「むごぉー」とかくぐもった声を上げて居たが、引きはがす事無くそのまま撫でている。

 そして、やっと俺も「ただいま」と言えた。その上で、肩に乗ってきたデボが顔をホホに擦り付けるのを、軽く撫でながらしばらく堪能した。

 さみしがり屋の留守番2人が落ち着いた所で、自宅へと向かったが、『ライティング』の明かりでも庭や周囲が整えられたままなのが分かった。

「2人が草取りとかしてくれてたのか?」

 そう聞くと、久々のぺんぺんのペンと叩く感触をホホに感じだ。デボは碧の頭の上で、髪の毛に半分以上潜ったまま、片方の翼を上に上げて答えてくれた。

「ありがとね~。2人ともご飯とか大丈夫だった?」

「デボの身体を見る限り、しっかり食えてた様だな…あ、ごめん、デボ、頭を突くのは止めれ、毛根が、毛根が死ぬって」

 そんなアホな会話をしつつ、懐かしの我が家へと入った。



────────────────────

「僅かずつだが、Lに対処して行ってるじゃないか」

「そうね。まだ、全体の数パーセント程度だけど、時間さえ掛ければ全て対処しそうね」

「かもしれないな。…しかし、最初に立て続けに対処した『国』…日本とか言ったか、あそこの動きが無くなったな」

「ええ、なぜか、一番エーテル体値が高くなっている4体が動かなくなってるのよ」

「って言うと、生体プローブが完全融合し損なったあの2体もか?」

「そうよ。完全融合には失敗したけど、プローブの反応は残ってるから、まだ自動的に追跡が続いてるわ。こっちから指示も、データの要求も出来ないけどね」

「見せて見ろ。……2体ずつ分かれて居るな。こいつらと行動を共にしていた他の26体は……別のLポイントに行ってたはずだが、元の所に戻ってるな」

「そのポイントを監視していたプローブの記録を見ると、入る事も出来ずに逃げ出したみたいよ」

「そうなのか? じゃあ、そのLポイントがそれまでのLポイントよりエネルギー値が高かった訳か」

「いいえ、違うわ、そこのエネルギー値はかなり低い方よ。あの4体が居ないせいで、戦闘力が足りなかったみたい」

「なるほどな、あの4体のエーテル体値は倍以上あるからな、アイツらで保っていたって事か」

「みたいね。既にこの4体は、私達α区管理機構に『人類』として加入出来る値になってるわよ。帰りに勧誘していきましょう」

「ああ、良いんじゃないか。全部のLポイントを対処して、Lが完全に終結すれば、その頃は更にエーテル体値が上がってるはずだ。場合によっては『3級人類』として登録出来るんじゃないか?」

「私達と同ランクって事ね。でもこれで、完全にこの惑星の生物からアストラルは取れなくなったわ。『人類』が発生した惑星は牧場化出来ないから」

「まあ、元々、Lが発動した時点で牧場には成らなかったさ。あの4体が居なかったにせよ、全てのLが対処出来たにせよ」

「Lを発動させるような生命体のアストラルなんて、誰も買わないでしょうね」

「連盟辺りは買いそうだけどな」

「冗談言わないでよ。連盟なんて、『銀河連盟』なんてたいそうな名前を付けてるけど、愚連隊の集まりじゃ無い。接触すらしたくないわよ」

「汎銀河共和連合は… 管理機構(うち)と同じで買う訳無いか。まあ、それ以前に(けが)れたアストラルなんざ、回収もしたくないけどな」

…………

「結局DDとの関係は確証は取れないままか」

「仕方ないわ。いくらコンタクトを取っても無視されるんだから。ここの記録を全て撮ったたら、それを使って思い知らせてやりましょう」

「ああ、管理機構、連盟、共和連合にまで広がる一大アミューズメント会社だろうが、事と次第によれば潰れるぞ」

「そうね。Lを人為的に操作したと成れば、関係者は永久時間凍結刑でしょう。仮に何らかの事故でこう成ったにせよ、大差は無いわ」

「ああ、なんせ『人類』が発生した惑星に、本来は発動する予定の無いLを発動させた訳だからな。今回の場合は、それによって『人類』が誕生したんだが、その前後は関係ない」

「その『人類』と、『人類』に成る可能性を持った生命体のアストラルを(けが)した訳だから、それだけでも相当の罪よ。間違いなく潰れるわよ」

「…と成ると、DDのチケットはパーって事か。俺は好きだったんだがな。あの原始的な迷宮ゲームは」

「あら、貴方、まだDDをプレイしてたの? もういい年なんだから、止めなさいよ。あれは幼生体が遊ぶ所よ」

「何を言ってる、『全ての人々に夢と冒険を』、『同じものは2二つと無く、全ての人々が楽しめる』だぞ。『全ての人』は全年齢って意味も入ってる。娯楽に歳は関係ない」

「はいはい、分かったわよ。好きにしなさい。潰れるまでの間に、思う存分楽しむのね」

────────────────────



 図らずも自由の身となった日から、招かざる客が1日置きで来やがった。

 こっちは食料品確保と、『鍛冶』『細工』『錬金術』『鑑定』の実験と、やる事が多いので非常に邪魔だった。

 何度となく碧が切れて、『ダウンバースト・エッジ』を使い掛けた事か…

 当然、全て追い返した。何となじられようが、彼らに協力する気は無かった。そう、彼らには…

 そんな俺達の前に、ある人物が尋ねて来た。牧村陸曹長だ。

 政治家や、自衛隊のお偉いさんがなんと言おうが、無視出来た。だが、残念な事に『戦友』の言葉は無視出来なかった…

 俺と碧とぺんぺんはため息交じりに、デボは狂喜して彼らへの協力を受諾してしまった。

 政治家どもの、ほくそ笑む顔が思い浮かぶようだが、仕方が無い。

「は~あぁ、しょうが無いか。牧村さん達に言われるとね~。ま、制限解除も有るし、前より楽でしょ」

 碧はぺんぺんとデボでお手玉をしながらそんな事を言っている。

 確かに、『制限解除』を手に入れた事で自由度は格段に上がった。

 この『限定解除』は『阿蘇ダンジョン』を消滅させた後に入手したモノで、『エリア内全ダンジョン踏破者』と言う称号(?)によって得た特典だ。

 この『エリア』は多分日本を表していると思う。牧村陸曹長達は、(うち)のダンジョンを攻略していないのでこの特典は手に入れていない。

 さて、この特典だが、今まで水晶柱でしか出来なかった事を、ダンジョン内(現在では地上のどこでも)で出来る様に成ると言うモノだ。

 だから、この場でパラメーターアップや、魔法・スキルの修得も出来る。そして、『錬金術』や『調薬』もこの場で出来る。

 デボが、家に訪れた警察官に『レイ』を放てたのは、あの後自分で『レイ』を修得したからだ。

 そして、碧も拘置所内で風系魔法を全て修得していた。いわく、暇だったから、だそうだ。

 さらに、3日前に気付いたのだが、『鑑定』がダンジョン産の品以外にも適応されていたのは以前から分かっていた事だが、『錬金術』や『調薬』等の生産系能力の材料としても非ダンジョン産の物が利用出来る事が分かった。

 ただ、現時点では、非ダンジョン産の物からは、魔法効果のあるモノは作れてはいない。

 その代わり、木や植物から『紙』といった感じで、今まで日常で使っていたような物が錬成出来た。

 今日は、柔らかい、トイレットペーパーとして使える『紙』を錬成出来ないか研究していた。

 多分、調べていけば、今まで工場でしか作れなかったような物が、これらの生産系魔法で作れるように成ると思う。

 あの、『大氾濫』以来…いや、最初のダンジョンが発生した時点から、この世界は変わり始めたのだろう。

 今後、世界中のダンジョンを全て消滅できたときには、この新たな『システム』の元で以前と違う社会が形作られていくのかも知れない。

 いや、もしかしたら、全てのダンジョンが消滅した時点で、この変化した『システム』も全て元に戻ってしまう可能性も有る。

 先の事は分からない。先ずは、『戦友』達の願いを聞いて、インドネシアに行こうか。

「んじゃあ、まあ、久々にまたダンジョンに行こうか」

「分かった。ヤルとなったら、美味しい肉を手に入れないとね~♪」

 ペン

 ツン

「だ~か~ら~、頭を突くなと、何度言わせるんだよ。将来ハゲたらデボのせいだからな」


 どんなダンジョンであろうと

 ダンジョンが消せずに残ってしまった世界で有ろうと

 ダンジョンが消え、今のシステムが残った世界であろうと

 ダンジョンの消滅と共に、このシステムが消えてしまったとしても

 俺達は4人居れば生き残っていける。

 家族4人が揃っていれば、大丈夫だ。


~*~*~*~*~*~終話~*~*~*~*~*~

各話冒頭などに出て来る、罫線内会話の用語解説



L……この宇宙の生命体用自浄システム

   生命体のアストラルが一定以上に成り知性を得た場合、その生命体を監視し腐敗度が一定を越えた段階で発動する

   発動の際は、対象生命体の想念を参考とし、その形を決定する。

   基本的に、発動すれば99パーセントの対象生命体は死滅する。


DD…DD社による体感型アミューズメント施設の一種

   対象種族の情報を使って、その種族に合った環境を形成し、全ての『人類』に適合出来ると謳って居る。

   基本は、システムが作り出した特殊能力を使用した戦闘ゲーム。

   DDは地球の言葉にすれば、ダンジョンとドラゴン的な意味となる。


人類…汎銀河共和連合、α区管理機構、銀河連盟における法規上の知性体区分

   それに満たない知性体は人類としての権利を有しない動物として扱われる。

   人類としての基準は、エーテル体が一定以上を越える事。

   エーテル体の値によって、1級から4級までの区分があり、それによって権利や責任も変わってくる。


シーカー…様々な物を探して宇宙中を駆け巡る山師

   作中の男女は一定以上のアストラルを持つ生命体を探すアストラルシーカー。

   『人類』が居らず且つ一定以上のアストラルを持つ生命体が居る星を見つけたら、その星をアストラル牧場化する。

   産出されたアストラルは、『人類』の(かて)となり、高値で取引される。


プローブ…探査用の端末

   作中で使用されたのは、生体融合型で、一定以上の知性体の居る惑星では機械型の使用が禁止されているため、こちらが使用された。

   ナノ細胞レベルの状態でばら撒かれ、現地の生命体と融合し、その身体をある程度作り替える。

   基本、散布した分の5パーセント程しか、最終的な融合までは行かない。

   5段階に及ぶ融合プロセスの途中で、融合に失敗した場合は、その生命体に様々な問題が生じる事がある。

   大半の場合は死亡するが、希に、肉体または知性が強化される事がある。

   プローブ細胞が、宿主に取り込まれた際に発生するモノで、その場合を『逆融合』と呼ぶ。

   ぺんぺんとデボは、この『逆融合』が発生したケース。

   初期散布時の設定で、地球人とは融合しないように成って居たため、プローブと化した者は居ない。


(注)作中及び、上記の中の『アストラル』『エーテル』は一般に言われる物とは違う物として定義しています。

   その為、一般的なアストラル・エーテルとして考えるとおかしい部分があります。

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[良い点] 無双感が盛り過ぎていないのが○ [気になる点] 短い、続編プリズ! [一言] おもろかった!
[良い点] 最近になって一気に読ませていただきました。面白かったです。 [気になる点] 主人公が自称情弱と言ってるけど絶対情弱じゃない件。 [一言] 政治批判的な要素が多かったのが意外で、ちょっと新鮮…
[気になる点] 主人公や碧の言葉遣いや態度がどんどんと尊大に乱暴になっていき、見苦しかったです。
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