表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
51/60

51話 2回目の失敗

────────────────────

「今どんな感じだ?」

「一部の集団…ここでは『国』って言ってるわね、その一部の『国』では何とか抑えられては居るけど、大半は駄目ね」

「駄目か。まあ、仕方が無いだろう。基本、文明レベルに応じた形で現れるから、対処出来る方が奇跡ってレベルだろう」

「ええ、でも、ここはDDの絡みがあるから、可能性は有ると思うのよ」

「……DDか。だが、逆にLもDDの影響を受けてるんだろう? プラスマイナスでゼロって事じゃ無いのか?」

「互いに戦う場合の戦闘力と限定した場合、Lよりここのヤツらへの影響力の方が大きいと思うわ」

「そうか。…なら、可能性は有るって事か」

「…あくまでも、可能性ってレベルの話ね。ただ、現状を見ている限り、かなり厳しいわ」

「出来れば、奇跡ってヤツを見てみたいんだがな。そうすれば、その記録って事だけでも良い金になるだろう」

「ええ、間違いなく引っ張りだこになるわ。……そうなってくれると良いんだけど。私達にとっても」

 ………

「………なあ、こいつらにもLに関する伝承とか有るんだよな」

「ええ、もちろん。Lは一定レベルの知力を有する生命体には深層心理レベルですり込まれるから」

「じゃあ、伝承か神話の形で有るのか?」

「色々有るわね。神話系が一番多いかしら。良く有る『神の○○』って形ね」

「典型的なヤツか。(いかずち)とか審判なんてヤツだな」

「そうね。『ハルマゲドン』なんて言われているのも有るわね。……でも、元々の出典は違うのだけど、ここの言葉で現状に一番良い言葉が有るの」

「どんなのだ?」

「軍団を意味する言葉で、『レギオン』よ」

────────────────────





 666は聖書に書かれている言葉らしい。俺はキリスト教では無いし、そっちに興味も無いのでハッキリは分からない。

 旧約・新約の区別すら付かない人間だ。ただ、この数字が、黙示録なんてのに書かれている事は知っている。

 無論、漫画や小説からの知識だ。故に、正確な所は殆ど知らない。

 ただ、キリスト教的には象徴的な数字なのは間違いない訳だ。何より、6のぞろ目なんて言う、いかにもな数字ってだけでも偶然とは考えにくい。

 宗教的な意味はともかく、『大氾濫』のトリガーキーとして使われたと考えるのはおかしくは無い。

 俺はそう思った。そして、碧も同意見だった。

 だが、ここに集まっていた自衛隊のお偉いさん方の半分は、それ以上の事を考えてしまっている様だ。

 やれ「神の裁きなのか…」とか、やれ「ハルマゲドンだとでも言うのか?」などと騒いでいる。

 あー、そう言えばハルマゲドンなんてのも有ったな。アーマゲドンとかってのも無かったか? 何か、聞いた記憶は有るが詳細は分からない。最終戦争的な使われ方だったと思う。

 お偉いさんの中に、どうやら敬虔なキリスト教徒らしい人が居た様で、黙示録がど~たらと語り始めている。

 俺と碧は、その様子を呆然と見ていた。いや、碧は呆れた目で見てたけど。

 国防を担う自衛隊の幹部がこれで良いのか? って思ったよ。

 ただ、状況的に、余りにも非現実が現実化している為、神だの悪魔だのが現実に居たとしてもおかしく無いと考えても仕方がない気はする。

 現に、俺達は今『魔法』が普通に使えると言う有り得ない現実に居るんだから…

 でもさ、防衛を担っているあんた達がそれじゃマズいだろう。

 何か、「仏教にも終末論が有って、末法、滅法等と言う…」なんて仏教のことまで語り出すヤツまで出て来たよ。

 無論、「たまたま数字がそうだっただけだろう!」と言う者も居る。だが、そう言いながらも、その顔は引きつっていたりする。

 人数的には、4人が666に別の意味を感じていて、3人がそれを否定する感じだ。残りの4人は黙っている。

 黙っている派に担当官も入っているが、彼の場合は階級が低い為に発言を控えているだけなんだと思う。

「神の意志が、我々を排除しようとしているのか…」

「だから、偶然だろう。時計を見た瞬間数字が揃っているのと同じだ」

「魔法なんてモノが使える様になった世界だ、何があっても不思議ではないが… 神や悪魔等と言うモノは考えたくない…」

「知恵が必要だ。賢い者は獣の数字にどんな意味が有るかを考えろ。数字は人間を示している。数字は666だ。ヨハネの黙示録13章18節……」

「陸将補、その黙示録だと数はあくまでも人間を表すのだろう? で有れば、この数字とは関係ないでは無いか」

 ぐだぐだだ。どこのオカルト集団の会話だよ、って感じだ。

 さすがに俺も呆れて、この場から出て行こうかと考えていると、横に座っていた碧が立ち上がった。

「あーーーうっさい!!! 神だろうが悪魔だろうが黙示録だろうが、どーーーーでも良いじゃない!!! どのみち何もしなかったら皆モンスターに殺されるんだよ!! 神の使いだろうが悪魔の使徒だろうが、殺さなきゃこっちが殺されるなら、やるしかないじゃん!! 専守防衛でしょ! 突っ掛かって来たのは向こう! あんた達のやる事は一つ!!」

 碧の怒鳴り声が終わった瞬間、さっきまでの騒々しさが嘘の様に静まりかえった。聞こえてくるのは部屋に置かれて空気清浄機のモーター音だけだった。

 とても30歳以上歳が離れている者への口の利き方では無かったが、まあ、許そう。俺も完全に同意だし。

 その前の1等陸佐がらみの発言と言い、しばらく前に自分の中で上方修正していた自衛隊幹部の評価を、一気に下降修正したよ。急角度でね。株式市場なら、サーキッドブレーカーが発動するレベルの急降下。

 そんな、ただいま絶賛評価だだ下がり中の幹部達は、黙ったままお互いの顔を見回していた。

 その表情に、碧に対する(いきどお)りは無く、逆にばつが悪そうな顔の者も居る。

 30以上歳の離れた小娘に、あんな口調で言われたにしては意外な反応だ。

 そんな中、聖書の一文らしきモノを語っていた陸将補とか言う階級のおっさんが、大きく息を吐き出してから立ち上がった。…もう、敬称はおっさんで良いよ。この人達。

「専守防衛…… そう、専守防衛だったな。まさに、専守防衛だ」

 それは周りに対して言っている言葉では無く、独り言の様な言い方だった。

 だが、それを聞いた他のおっさん達が何故か立ち上がった。そして、大半の者の顔にはさっきまでの戸惑いや絶望感のようなモノが無くなっている。

 ……何だよ、その呪文は? タダのお題目だろ? そのお題目で狼狽から立ち直るって… どんだけ身に染み付けてるんだよ。

 身に染み付()ている、じゃなくて身に染み付()ている、だよ。他動的じゃ無くって自動的。

 周囲では、呪文の様に「専守防衛だ」という言葉が小声で呟かれている。

 それは、彼らにとっての錦の御旗で有ると同時に、自らを納得させる言葉だったのかも知れない。そして一部の者にとっては自己暗示の呪文だ。

 ブツブツと呪文(専守防衛)を呟きながら、自分の目的と行動原理を再認識させている彼らに向かって、碧が更なる言葉を掛けた。

「だいたいさ、『天は自らを助くる者を助く』って言うじゃない。仮に、コレが神の試練とかってヤツでも、何にもせずに受け入れたら、それって逆に神の意志に反する事に成るんじゃ無いの?」

 それまで、かなり無理して呪文(専守防衛)で自己暗示を掛けようとしていた者の顔もこれで急に変わった。

 ……碧の言っている事は間違っては居ない。そして、おっさん達が納得したなら良いんだけどさ。

 でも、碧は『神の裁き』を『神の試練』に言い換えたんだよね。無論、この事態が『裁き』なのか『試練』なのかは不明だ。全く別のモノで有る可能性が高い。

 ただ、彼らの不安は『裁き』だった。それを碧は『試練』に言い換えて誤魔化した様なモノだ。

 まあ、キリスト教系の人って、何かというと『神の試練』って言葉を使うから、かえって納得しやすかったかも知れない。教徒じゃない俺ですら聞いた事が有る言葉だからね。

 基本的に人は、自分の都合の良い言葉に耳を傾ける性質がある。この場では『試練』で有り、『何もしない事こそ神の意に反する』だ。

 まあ、俺たちに取ってはありがたいんだが、正直大丈夫なのかと思ってしまう。こんな事で、意識誘導されるヤツらが幹部で、と。

 そんな俺の心配を余所に、意気を取り戻したおっさん達は、元の役職に準じた顔で今後の計画を練り始めた。

 俺と碧は、それに対して意見を求められた場合、答えるのがその場での役割となった。

 公聴会で始まり、査問会に変わった所でパニックによる議事停止を経て、やっと作戦立案会議に成った訳だ。無駄な時間が長かった事。

 その場で話し合われた作戦は、先ずは1ヶ所部隊を送って最下層のボスを倒そうと言うモノだ。

 それによって、ダンジョンが消滅するか確認する訳だな。それで消えれば、他のダンジョンも同様の方法で対処していこうと言うモノだ。

 言うは安いが…の典型だ。

 その前提として、後1ヶ月間、現在実行している『ユーザー登録作戦』を実施し、最低限の戦力を確保する。

 その新たに生まれた戦力によって、戦線の維持と作戦のサポートを任すと言う形だ。

 そして、ダンジョン攻略という作戦が、途中で失敗するなり、作戦が成功してもダンジョンの消滅に至らなかった場合、その後の戦力のことも考えての事だ。

 ただ、日を置くごとに深部のモンスターが現れる訳で、『ユーザー登録作戦』の維持は無論として、『ダンジョン攻略作戦』も難しくなる。

 実際、既にグリフォンよりレベル的に上位と成る、『サイクロブス』と名付けられたレベル53からレベル58のモンスターが現れ始めている。

 このモンスターは、ゲームに出て来るアレでは無く、首から上が無く胸の上部に巨大な単眼が有るモンスターだ。

 全長が3メートル程で、棍棒を持つモノも居て、その辺りはゲームのサイクロブスに似ている。

 このモンスターの厄介な点は、その目による状態異常攻撃だ。『魔眼』だの『石化にらみ』だの『麻痺にらみ』等と言う言い方をされるスキルで、人間には取れないスキルなので、正式なスキル名は不明だ。

 無論、ぺんぺんとデボのスキルリストにも載っていなかった。まあ、このダンジョンの命名システム的に考えれば、上記の名称がそのまま設定されている可能性が高いと思う。

 ただ、このモンスターはグリフォンの様な高速での移動能力を有していないのが救いだ。

 その意味で、現状で最大に警戒を必要とするモンスターは、未だにグリフォンと成って居る。

 しかし、後一月もすれば、確実にそれ以上のモンスターが現れるだろう。

 巨大なワームである『ビッグイーター』、3つの顔を持ち各自違うブレスを吐くオオカミ『ケルベロス』など……

 この場合、一番問題になるのがビッグイーターだろう。何せ、地面の下をミミズやモグラの様に移動するのだから…しかも、高速で。

 このモンスターは、ダンジョン内では思った程問題は無かった。なぜならステルス系の能力を有していなかったので、『気配察知』で充分に認識出来たからだ。

 そして、ダンジョンの特性なのか、地面や壁面内の移動可能なエリアが限定されている様で、20メートル以上の深さには潜れずに、終始『気配察知』の範囲に捉える事が出来た。

 だが、これが地上(ダンジョン外)と成ると話は違う。多分、そんな制限は無く、いくらでも深く潜る事が出来るだろう。

 故に、簡単に包囲網を突破したり、『気配察知』認識外の真下から、集まっている部隊中央部に急激に上昇して来て襲い掛かると言うケースも考えられる。

 飛んでいるグリフォンで有ればレーダーで遠距離からでも捉える事が出来る。だが、地に潜ったビッグイーターはそうはいかない。

 だぶん、地震計のようなモノで検出は可能かも知れないが、複数の数が必要だし、その情報を統合して位置を計算するシステムの構築も必要だ。直ぐに準備する事は出来ない。

 ちなみに、飛行モンスター用のレーダーは『大氾濫』初期から既に稼働している。

 レーダーと言うと、金属に反応するというイメージがあるが、漁船などで一般に使用されているモノで通称『鳥レーダー』というモノが有り、それは空を飛ぶ海鳥を探す為の物で、まさに飛行モンスターを探すのにうってつけだった。

 何よりも数がいくらでも有った。遠洋漁業系の船舶には、ほぼ確実に設置されている様な物だ。確保は非常に容易だった。

 臨時用の布設で、本来使うべき導波管では無いものを使用しているらしいが、それでも問題無い性能を発揮しているらしい。

 そんなレーダーと違い、地震計がレアなモノだと言う事は、情弱野郎の俺にでも分かる事だ。

 出来れば、そんなモノが必要になる前にこの事態を収められれば良いのだが、…無理だな。確実に無理だ。

 一応、その点も俺は指摘したのだが、「一ヶ月が限界だ。それ以上には縮められん」だそうだ…

 その一ヶ月が経過した時点で、ダンジョン入り口を爆破してのダンジョン封鎖を実施する。

 そして、そのダンジョン封鎖を連続で実行する事で、溢れ出すモンスターの数を一定期間ゼロとし、その間に包囲網を一気に狭める。

 最低限でも半径20キロ以下には狭めたい考えの様だ。

 包囲網が狭く出来れば、それだけ包囲網の隙が無くなり、最低限必要な人員も少なく出来る。

 更に、モンスターの密度を上げる事に繋がり、効率的な殲滅に繋がる訳だ。

 ただ、ダンジョンの入り口を封鎖して、一時的にモンスターの流出を停止させても、その間ダンジョン内でのモンスターの増殖は進んでいる訳で、その分は入り口が開放された時点で一気に溢れる事になる。

 つまり、トータルとしてのモンスターの数は変わらないと言う事だ。

 そして、このダンジョン封鎖は、連続するに従って封鎖可能時間が短くなっていく。

 記録としては、最初は自然回復時間である12時間だったものが、最終的には1時間と掛からず『ダンジョン爆破現象』によって開通したそうだ。

 この為に、この方法はその後殆ど実行されなくなったらしい。だが、今回は目的が誓うので問題無い、と言う事だ。

 この包囲網の縮小に成功して、それまでダンジョン内に閉じ込められていたモンスターが全て出て来て来るまで、弾薬在庫を考えずに湧き出したモンスターを殲滅する。

 そして、本来の1秒1匹ペースに成ったのを確認した時点で、(くだん)の『ダンジョン攻略部隊』を『転移』を使って送り込む。

 この部隊は、話し合いの結果、30人と成った。

 多い方が良いのだが、多すぎても戦列が伸びるだけで、複数の分岐点などで同時に挟撃される可能性が増えると言う問題が有る。

 また、数が多くなればなるほど、それに応じたジャンパーが必要になる訳で、ただでさえ数が回せないジャンパーをそこまで揃える事が出来ないと言う問題も大きい。

 『転移』魔法は、レベル制限8の魔法なので、『ユーザー登録作戦』を実施した者でも直ぐには修得出来ない。

 更に、仮に修得したとしても、『知力』や『素早さ』のパラメーターをある程度上げていないと、瞬時に実行できないため、この任務には不適格となる。

 この任務において『転移』が必要となるのは、途中で探索を打ち切る場合と、緊急時に逃げる場合だ。

 この緊急時に逃げる場合は、当然数瞬の遅れが死を意味する。故に、一定以上の速さでこのスキルを実行出来る能力が必須なんだよ。

 そんな訳で、ジャンパーの数と、MPの回復を考えたローテーションが実行可能な人数が30人だった訳だ。

 この30人の『ダンジョン攻略部隊』が、ローテーションによって魔法・スキルの飽和攻撃を使用して、行ける所まで進み、MPやHPに問題が出た時点で『転移』で帰る。

 翌日はその続きから、って訳だ。そして、その間、使用可能なドロップ品を集め、出来るなら『炸裂弾Ⅱ』を量産し、最終的なボス戦に備える。

 そして、ボス部屋を発見したら俺達がしたように『炸裂弾Ⅱ』の大量投げ込みと、30人による魔法・スキルの連打で部屋の外から攻撃する。

 ……と、まあ、こんな作戦だ。

 色々穴はある。何より一番の問題点は、この作戦に俺達4人も参加しろって言われた事だ。

 一応、この駐屯地における最大戦力なのは間違いないので、その話は分からない事はない。理屈としてはね。

 ただ、俺達は英雄でも、正義の味方でもない。まして、自衛官でも無い。国防のために給料ももらっていない。現在も無給でボランティアだ。

 そして、俺達だけであれば、今後どう成っても生きていける自信は有る。そんな状況で、命を賭ける必要があるのかって問題だ。

 ましてや、それを指示しているこのおっんどもは、例のごとく安全なこの場から、のうのう見ているだけって事だ。

 先程までの事もあって、その点も気に入らなかったので、嫌みも込めて提案をした。

「別に良いですけど、基本危なくなったら逃げますよ。俺達は民間人ですから。後、民間人に死地に向かえって命じるんですから、ここに居る皆さんも最低限『ユーザー登録作戦』には参加して、その後前線に出てください。それが条件です」

 俺はこの時点で、このおっさんどもが慌てて「いや我々は全体の指示を…」とか「そっ、それは…」などと否定やためらいを見せるものだと確信していた。

 それを持って、彼らをなじり、それを理由にこの作戦参加を拒否するつもりだった。だって、危険度が未知数過ぎるんだよ。

 だが、何故か、彼らの口から出た言葉は…

「分かった」

「ここが天王山だ、定年間近で肉体的には衰えたが、魔法なら戦力になるだろう」

「うむ、良いだろう」

 等と言う肯定の言葉ばかりだった。そして、その表情にも無理を押している感は無い。

 ……おい、おかしいだろう! ここはさ、「いや、我々老人よりも、若い者を1人でも多く登録させるべきだ」なんて言い訳をするシーンだろう!

 もしくは「軍には指揮系統というものが有ってだな…」なんて言って誤魔化すのが定番だろーが!

 ……マズい、マズいぞ。

「我々も、僅かながらも戦力となろう。すまんが、君たちも頼む」

 ……そう言われて頭を下げられてしまった。しかも、他のおっさんどももそれに習って全員頭を下げてくる。

 ……失敗した。また失敗した!。前の失敗と同じだ。言質を取るつもりが、こっちが言質を取られた形だ。

 俺って、なんで、こう成長しないんだ? 同じ失敗をこの短期間で2回もするなんて、アホかぁ!!

 そんな自己嫌悪に陥っている俺の横で、碧がすっくと立ち上がった。

「うん、任せなさ~い。ボスモンスターぶち殺してくるから」

 そう言いながら、右手を突き出して、おっさん達に向かってVサインを出している。

 何のVだよ、ビクトリーのVか? ぶち殺しのVなのか?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ