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25話 足の長さがもう少しあれば…

 既存のエリア9割、新規のエリア1割と言う形でのダンジョン探索も既に2ヶ月目に入っている。

 そこで問題になってきたのが、マップだ。スキルの『マップ』ではなく、それを手書きで書き写していたマップの事だ。

 何が問題かというと、あまりに立体過ぎてノートの様な平面に表現出来なくなってきているんだよ。

 ゲームの様な積層構造なら、各フロワー毎に作製して階段部分を番号指定すれば良いのだが、ここのダンジョンはそんな平面じゃ無い。

 実際の洞窟などと同じように、上り下り立体交差しながら広大に広がりつつ全体として下っていると言う、非積層構造になっている。

 ある程度を越えると、とてもでは無いが手書きで表現出来る限界を超えている。

 無論、俺自身はダンジョン内に入れば『マップ』スキルを使用することによって、脳内なりホログラムスクリーンに表示することが出来る。

 そして、ホログラムスクリーンで有れば、碧も見ることは出来る。

 だが、家で今後の予定などを話し合う際は、どうしても手書きマップを参考にせざるを得ない。

 結局悩んだあげく、『ダンジョン管理機構』が販売している『ダンジョンマップ作成ソフト(日本国内ダンジョンマップ付き)』を購入した。

 一応、PC用とAndroidアプリ、iOSアプリがセットになっていて、日本の3つのダンジョンマップも最新版をネットからダウンロード出来ることになっている。

 価格は5万8千円…安くは無いよな。有る意味タダの3DCG作製ソフトなんで、無茶高いと言って良いと思う。地図自体は無料と言う前提なのだから。

 そして、このソフトを購入したのを切っ掛けに、SIMフリー系のモバイルルーターを購入し、データ通信専用のSIMを契約した。

 モバイルルーターはwifiだけで無く、有線のネットワークアダプターも付いている物を選んでいる。だって、(うち)のPCにはwifiなんて付いてないから…

 この携帯系のネット環境は、容量制限が有って結構面倒なんだが、普通にネット検索をするので有れば全く問題なかった。

 ただ、一番最初に必要も無いのに『最新版ダンジョンマップ』のダウンロードをした為に、あっと言う間に容量制限に達してしまった…失敗したよ。

 そんな失敗もしたが、その後ダンジョン入り口の『出窓』部分にちゃぶ台などと一緒にPCを持ち込み、少しずつマップの入力を実施した。

 全てのマップ入力が終了したのは、やり始めて13日後となった。慣れるまでが大変だったんだよ。

 一応、ダンジョン内なので『知力』が16に上がっていた事も有ってこれだけで済んだが、ダンジョン外で有れば倍は楽に掛かったと思う。なんせ『知力』8だから…

 後、以前使用していたスマホで、現在は契約解除の為カメラとしてしか使用していなかった物に、専用アプリをインストールしてこの作製した地図データを転送した。

 なにぶんそれなりに前の機種なんで、処理速度はそれなりだが、地図は普通に見られる様になった。現在は碧が装備している。

 指でぐりぐりと立体的に動かして見れる為、それなりに役立ちそうではある。ただ、GPSのように現在位置が分からないので、自身でマップをある程度覚えておかないと意味が無いという問題もあったりする。

 まあ、ダンジョン内で有れば『知力』も高い為、記憶力も格段に増しているので覚えるのは楽なんだけどね。

 ちなみに、この方法を利用した『ダンジョン記憶術のススメ』なんて本が発売されていたりする。

 ダンジョンである程度『知力値』を上げて、その上でダンジョン内で勉強をすると言うものだ。

 記憶力そのものはもちろん、一時記憶から長期記憶にまで移行出来る速度が、地上より数倍早いのだという。

 これを利用して、本来なら難しい資格試験で有る司法書士・行政書士などの勉強をダンジョンで行う『合宿ツアー』などと言うモノも企画されたことがある。

 しかし、前提である『知力』を上げる戦闘で負傷者が多発し、訴訟問題に発展した為、現在ではかなり小規模なモノか個人契約のモノが実施されているだけだ。

 入り口近くの『部屋』で護衛を付けて勉強…そこまでしてそんな資格が欲しいのか? と俺としては思うよ。

 そしてもう一つ、未成年者が大学受験の為に、他人の身分を偽装してダンジョンに入ろうとする問題が発生して、一時社会問題と化したことも有る。

 この偽装の過程で、有印私文書偽造・同行使、有印公文書偽造・同行使が行われ、結構重い刑罰を受けた者も多い。

 有印公文書偽造って、強盗や殺人などと同様、裁判官が3人以上となる重い罪らしい。この騒ぎで初めて知ったよ。閑話休題。

 このマップは、ある程度新規マップが溜まったら入力することにした。

 金銭的に余裕が出来たら、地下室内に入力専用PCを置きたい。一々家と地下を持ち運びするのが面倒い。

 新しく買った分を家に置いて、今の分を地下室に置く形で行きたいんだが、最近色々出費が多すぎるので、もう少し先になりそうだ。


 『お城の周りをぐ~るぐる+α』を開始して、『悪魔の壺』以降新たなモンスターには出会わなかったのだが、久々に新たなモンスターと出会うことになった。


 ☆レッド・ゴブリン

  ・レベル 8~10

  ・体長 140センチ

  ・攻撃方法 武器(短剣・長剣・ロッド・斧)噛みつき 引っ掻き 魔法

  ・使用魔法・スキル ファイアー・ボール ストーン・ボール

  ・弱点 左胸・頭部

  ・魔石 紫(ランクA サイズ2)450円 永久磁石

  ・その他のドロップ品 武器(短剣・長剣・ロッド・斧) 下級回復薬

  ・その他の特徴 魔法を使うゴブリン 体色は赤 グリーンゴブリンを指揮することもある

  ・棲息ダンジョン名及び深度 ほぼ全てのダンジョンに湧く 表層部


 グリーン・ゴブリンの色違いだ。ファミコン時代から有るアレだな。キャラクターの色とパラメーターだけ変えたお手軽モンスター。

 …と言うのはゲームの中だけで、現実で有るこのダンジョンではそんな簡単なものでは無い。

 実際、外観はグリーン・ゴブリンと同じで、赤と言うよりも赤茶の皮膚をしただけなのだが、能力はもちろん行動パターンすら全く違う。

 外観が似ているだけの全く別物だ。

「赤ゴブだとぉ? マズい! アイツら魔法を使うぞ!」

 二股に分岐した斜度20度程の上り坂の先にレッド・ゴブリンの姿を見た瞬間、俺は碧達に警告を発した。

 自分たちが使っていて良く分かる様に、魔法は劇的な効果を発揮する。

 それが使う立場ならば便利な力以外の何物でも無いのだが、受ける立場となれば話は全く違ってくる。危険・恐怖・死の予感を感じさせるモノとなる。

 20メートル程先の鍾乳石の出っ張り部分から現れたのは4体のレッド・ゴブリンだ。

 レッド・ゴブリンは俺達の存在に気付いたとたん、各自が魔法を起動し始める。

 早い! 魔法の展開速度が間違いなく俺達よりも早い。

 先に攻撃態勢に入ったのは俺達だったが、実際に魔法が放たれたのはレッド・ゴブリン達の方が先と成った。

 レッド・ゴブリンから放たれたのは、ファイアー・ボールとストーン・ボールだ。

 ストーン・ボールはこれが初見なんだが、『ボール』じゃ無いぞソレ。金平糖の様なトゲトゲは普通『ボール』って言わないだろ。

 また、このストーン・ボール、弾速が他のボールよりも早い。アロー系ほどでは無いが、100Km/hは楽に越えるだろう。

 他のボール系が、普通の小学生が投げるゴムボール程度だと言うのと比べれば格段の差で有ることが分かると思う。

 ちなみに、アロー系は200km/h程だ。

 俺が放ったサンダー・ボールは、俺に向かって来たストーン・ボールに当たり消滅する。

 ストーン・ボールも細かな欠片となったが、破片は広い範囲に広がりながら俺達にぶつかってくる。

 個々の破片は大した大きさでは無い。だが、その速度はある程度減少したとは言え80Km/h程度はあっただろう。地味に痛い。

 そして、視界がその時点で閉ざされてしまった。失敗した。

 俺と碧はヘルメット付属のバイザーが有り、目に破片やホコリが入ることは無い。だが、ぺんぺんの装備にそれは無い。

 俺達の様に、ホコリによる視界の悪化程度では済まず、完全に目を閉じるなり顔を背ける必要があり、視界が一瞬では有れゼロとなる。

 その瞬間を狙っていたかの様に、時間差で届いたファイアー・ボール3発が着弾する。

 ホコリによる視界の悪化はあったが、俺と碧は充分に回避出来た。だが、ぺんぺんは目を閉じたタイムラグの為回避が間に合わない。

 俺は引き延ばされた体感時間の中で、水中で身体を動かす様なもどかしさを感じながら、左足を強引にぺんぺんの前に伸ばす。

 最後の瞬間は、右足の親指を伸ばす力で移動した事でぺんぺんに迫るファイアー・ボールに足ぶつけることに成功する。

「お兄ー!!」

 碧の絶叫が響くが、今はそれどころじゃ無い、足が焼ける様に痛い。ってか燃えてます。

 この時点で、普通であればパニックを起こすのだろうが、『回復薬で完全に治る』と言う事実を知っている事がそれを回避させた。

 通常こう言った場合、痛みそのものもだが、その後の事に対する不安と言うモノもかなり大きな影響を与える。

 交通事故に遭った者が、事故の瞬間自分の身体よりも、車の修理代が…などと考えたと言うのは意外に多くある話だ。

 だが、このダンジョンの場合は、たいていのケガは『回復薬』で直すことが出来る。障害が残ることは無い。

 それが分かっていることは大きい。痛みさえ我慢すれば良いのだから。

「俺は良いから攻撃ぃぃぃぃ!!」

 パニックには成らず、冷静ではあっても痛いものは痛い。当然言いたいことも完全な文章には成らない。

 半分絶叫に近い指示をしながら、俺は転がる様にして足に付いた火を消そうともがく。

 ファイアー・ボールの炎は、着弾後3秒程で消滅する。だが、可燃物に移った炎はそのまま残る。

 俺はその炎を地面と手袋を使って必死に消す。ただし、その間レッド・ゴブリン達の方もにも意識を向けている。

 レッド・ゴブリン達は新たな魔法を繰り出して来ている。

 そんな魔法をかいくぐる様にして、白い弾丸が壁や天上を蹴りながら跳んでいく。

 多分、俺の方に魔法を向けない様に囮に成っているんだろう。

 そして碧は、ファイアー・ボールを放ちながら瞬歩で間合いを詰めていた。

 碧とぺんぺんが一定距離に近寄った段階で、レッド・ゴブリンは魔法攻撃から武器による接近戦へと切り替えた。

 それは当然の措置だが、この場では悪手だった。

 魔法の起動速度ではレッド・ゴブリンが圧倒的ではあったが、肉体的な速度では碧達の方が格段に早かった。

 そして、ぺんぺんという異常に小さなサイズが攻撃の的を絞らせない。

 碧のなんちゃって『五月雨突き』が弾幕の様に4体のレッド・ゴブリンを牽制する中、足下と言う死角からぺんぺんのアイス・アローが各個に致命傷を与えていく。

 2体がアイス・アローに貫かれた瞬間、勝負は決した。それまでの攻撃で傷だらけだった、他の2体の顔面に碧の槍が2発ずつ叩き込まれ全てのレッド・ゴブリンが崩れ落ちる。

 俺はその様子を見ながら、焼け焦げた左足に『低級回復薬』を半分掛け、残りを飲む。

 『回復薬』は外傷に掛ける事で、即効性を発揮するが、それは表面だけで内部は直ぐには治らない。

 だが、飲むことで内部を治すことが出来る。また、飲んだ場合はその効果が掛けた場合の3倍以上の時間継続する。

 つまり、一定以上の外傷の場合、表面の傷を『回復薬』を掛けて塞ぎ、それ以外は飲んで身体の中から治すのが常道となっている訳だ。

 俺は今回つま先でファイアー・ボールを受けたのだが、炸裂した炎は向こうずね当たりまでを包み込んだ。

 足先から(かかと)までは半長靴の安全靴で守られたのだが、その上のプロテクターは半分の面しか被っていなかった。

 魔法の炎は簡単にジーンズ生地を燃やし、その下の足にまで達した。更に、プロテクターの無い側から進入してプロテクターの下までも焼いた。

 プロテクターを固定していたマジックテープも焼けて外れている。

 俺は、『低級回復薬』を掛ける前に、半分燃えたジーンズをナイフで切り裂いて、焼けて癒着した皮膚を強引に剥ぎ取った。

 言うまでも無いけど、ムッチャ痛かったよ。でも『回復薬で直ぐ治る』と言う事が分かっているので、我慢出来た。のたうち回ったけどね…

 実際、『低級回復薬』を掛けて10秒もしない間に皮膚は完全に再生されていて、痛みもほとんど無くなった。ただ、すね毛だけは再生されていない。

 念のため安全靴も脱ぎ、靴下も脱ぐと、足首周辺は微妙に赤くなっていた。だが、それも飲んだ分の効果が発揮されたのか、間もなく薄れ元の皮膚の色へと変わった。

「お兄ー! 大丈夫!?」

 殲滅を終えた二人が瞬歩まで使って集まってきた。ぺんぺんなどむき出しになった俺の足をなめ始める。止めてくれ、こそばゆい。

「大丈夫、大丈夫。周辺警戒忘れるなよ。ほら、火傷も完全に治ったよ」

 場所がY字路の分岐点なので、警戒すべき方向が多い。道路と同じで交差点が一番危険なのはダンジョンも同じだ。警戒を忘れるとマズい。

 俺は3方向の警戒をしながら、申し訳なさそうな顔で俺の足に顔をこすりつけているぺんぺんを、手袋を外した手で撫でてやる。

 碧は俺の足を持ち上げて全面確認すると、安心した様で、何故かペシッと一叩きした。なんで?

「焦ったよー、マジで魔法怖いね」

 以前『悪魔の壺』でウォーター・ボールは経験したが、アレはあくまでも水の塊に過ぎなかった。当たっても打撲程度だ。

 だが、今回のファイアー・ボールやストーン・ボールはそれでは済まない。

 漫画やアニメの様に、着弾後わずかに煤けた格好で仁王立ちなんて無理だ。耐性系のアイテムや魔法を使っていれば可能かも知れないが、それも完全では無いらしい。

 単体攻撃魔法でコレだ。範囲攻撃魔法は避け用が無い。シールドするか耐性で耐えるしか無い。……そんなモンスターが出る所までは行きたくないな。

「なんか、一発でボロボロだね」

 碧は俺の足周辺を見ながら呟く。

 実際、足用のプロテクターは焦げているし、取り付け用のマジックテープはボロボロで固定には既に使えない。

 ジーンズは膝まで切り裂いているし、それ以前にその下は焼け焦げてボロボロだ。

 更に、安全靴も全体的に焦げていて、靴紐部分は完全に燃えてなく成っている。靴紐だけ買い換えればいけるか?

 …地味に痛い出費になりそうだな。

 あと、やっぱり現在の装備じゃ魔法には対処出来ないことも露呈したって事だ。う~ん、どうするかな…

「で、ドロップとか無かったのか?」

 殲滅場所を見ながらそう聞くと、碧がハッとした顔をして、ダッシュで向かった。どうやら確認せずに俺の元に来た様だ。

 ぺんぺんはそのまま俺に撫でられたままだ。結構気にしているのだろう。

 でも、ぺんぺんに着弾していた場合、そのダメージは俺よりも格段に大きかったはずだ。

 全身を炎で包まれるので、呼吸が出来なくなったり、最悪は肺を焼かれることで死んでいた可能性も有る。

 更に、死ななかったにしても、ぺんぺん一人ではその後の炎の対処や治療が出来ない為、一人がサポートに付かねばならなくなり、攻撃出来る者が1人だけになると言う問題もあった。

 そんな訳で、俺が庇うのは当然のことだったし、最も良い手段だった訳だ。

 実際は、あの瞬間そこまでは考えなかったけどね。守るのは当たり前なんだよ。家族だから。

「おぉぉぉ!」

 レッド・ゴブリンが死んだ場所に行った碧が大声を上げた。

 そして、何故か瞬歩を使って戻ってくる。こらこら、HPの無駄遣いをするな。

「低級回復薬有ったよ! 10万円ゲット!」

 そう言って、右手に『低級回復薬』を持ち、左手に『斧』を持った状態で何時もの喜びの舞を踊り始める。

「アホかぁ! 斧を持ったまま回るなー!」

 ドロップアイテムらしき片手斧だ。柄の部分だけで50センチは有る。危ないったら無いよ、全く。

 説教をするが、「あははぁ」と笑ってまともに聞きゃあしない。ぺんぺんも、はふっとため息らしき息を吐いている。

 ……まあ、何にせよ今日の狩りはここまでだ。靴やら装備がコレじゃ続けられない。

「今日はここまでだな、『転移』で帰るぞ」

 転移の体勢を取った俺達は、その場から水晶柱の場所へと転移した。

 地下室から出ると、デボが跳びついて来た。

 デボはかなり寂しがり屋の様で、一人でいるのがイヤなのか、終始誰かの側をチョロチョロと付いて回っている。

 だが、流石にダンジョンには連れて行く訳に行かないので、その間は一人で居るのだが、その為地下から上がってくると、良くこんな感じで跳びついて来るんだよ。

 一旦俺の胸に停まった後、再度羽ばたいて右肩に上がる。その状態で頭を俺の頬にこすりつけた後、今度は碧の頭まで飛んでいった。

「デボ、ただいま~」

 碧は頭の上にデボをのせたまま歩いている。デボも器用にバランスを取っているのか、落ちることは無い。

 デボのヤツは、俺の時はぺんぺんの逆の右肩に乗り、碧の場合は頭の上が定位置と成っている。変なスズメだよ。って言うかスズメだよな? チョット自信ない。

 そんな変なデボの様子に癒やされながら家へと入った。

 その後は防具の修理と靴紐の買い出し等でその日は終わってしまった。

 防具の根本的な改修は先送りだ。方策自体が全く考えつかない。

 一応脚部などは、全面を被う板をレジンで作って『硬化剤』で固める案と、ジーンズ自体を部分的に『硬化剤』で固めて防具代わりにすると言う2つの一時しのぎ案は有る。

 その案を共用した状態で、しばらく何とかしながら根本的な対策を見つける必要がある。

 何はともあれ、今日はこれまでだ。痛い目には合ったけど、無事だったので良しとしよう。

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