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プロローグ

「いいかい神内君? これはね、世界を救うための戦いなんだ」


 まさか十五年の人生でこんなことを言われる日がくるとは思いもしなかった。

 秋葉原にある、とあるメイド喫茶の個室。 

 言葉の意味がまったく理解できていない俺に向かって、件のセリフの主は大真面目に続ける。


「必要なんだよ。この戦争に勝つために君の機体ロボット武御雷タケミカヅチがね」


 コーヒーの入ったカップをことりとテーブルに置き、まっすぐに俺を見据える。メガネがきらりと光るその表情は真剣そのものだ。


「え、えーっと……」


 俺は言葉を返そうにもなにを言っていいのかすら分からず、言葉は詰まり視線は宙を泳ぐ。

 隣に座っているクラスメイトの新城に助けを求めようと視線を送るも、彼女の意識はいまメニュー表のデザートへと釘付けとなっており支援は期待できそうにもない。

 つまりいまの俺は『世界の平和』を願う目の前に男たちから、熱意がこもった視線の集中砲火を浴びている真っ最中だ。

 そろそろ心がポッキリ折れてしまいそうな俺に向かって、止めとばかりに戦略級兵器にも匹敵する巨大な一撃が降ってきた。


「さあ神内君。共に日本を……いや、世界を護ろうではないか!」


 戦略級兵器による強烈な爆撃を受け俺の心が粉々に砕け散るなか、新城がメイドを呼ぶピンポーンという音だけが虚しく響く。

 俺は天井を見上げ頭を掻きむしりながら、どうしてこんなことになったのだろうかと思い悩む。


(えっと……こんなことになった切欠は確か――)

今日は続けて投稿します。

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