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私達のRPG  作者: キョコ
第一章 ~アルマウヴァ王国、集まる若人~
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Warm bathing

全身砂埃、固まった血だらけ。


腐った肉に触れて体中異臭を放っている。


「痛いんだからな……神父。まだアンタに殴られた所がジンジンするんだからな!!」


「人をグール扱いにする奴が……」


「取りあえずさ。神父……この国って銭湯とか無いの」


「有る有る。ふゥ、どうせ君達私に『銭湯代よろしく』なんだろ」


途端に全員会話がストップする。


「…………仕方ない奴らだ―――――まあ、いい。丁度私も行きたかったしな」


「あ、はい。神父様……お久しぶりですね」


いざ銭湯の暖簾をくぐると、1人の髪の長い女性が番頭をしていた。


彼女は、とても髪が長く、顔の半分以上が隠れている。


そして、とても地味に見える。


「やあ、ルビィ。男4人。女1人だ」


「はい……タオルや石鹸などはいかがしますか」


「人数分」


「じゃあ、1550円になります……」


銭湯代が神父のポケットマネーから払われたのを確認した4人は、一斉に走り出した。


まるで修学旅行の小学生だ。


「やっほー!!俺が一番乗りなんだからな!!」


「いいやー!俺がだー!!」


「お前らキチンと身体洗ってから湯船に浸かれよ!!!あと、騒ぐな!!ガキか!!」


腰に布も巻かず浴場へと走っていくシルティーンとサハタを注意する神父にリフルベが、布を腰に当てながら口にする。


「神父、風呂入る時も包帯するんですね」


「当り前だ。傷に染みるからな――――というか、リフルベ。お前もう少しアイツ等をどうにか出来ないか」


「ヤダダルイメンドイ」


半ば呆れながらタイルの上ではしゃぐ童心の2人を放っておきながら、神父とリフルベは桶を手にし、身体を洗い始める。


その時だった。


唯一男と女を分けるタイルの壁の向こうから聞きなれた声が聞こえる。


「わー、ネロちゃん大きいですー!!」


「ほんと…………大きい」


「そんな事無いよー」


「ちょ、ちょっと、触ってもいいですか!?」


リフルベと神父の手が止まった。


「気まずい……」


「です、ね……」


「でも、姫様も結構ありますよねー」


カンパネーロのその言葉にいきなり神父が立ちあがり始めた。


そして、いきなり着衣場へと向かい始める。


「え、そ、そう?」


「た、確かに……私なんてまだまだですー……」


「………別に気にする事無いんじゃ」


その時、ガラリと女湯の扉が開かれる。


「貴様ら、王の裸を見ていいと思っているのか!!王も何故この様な所にィッギ!!?」


突如現れた神父に女性一同冷たい視線を送っていた。


「おー、神父ー!!お前もこっちに入るのカー?」


「人外(ゲテモノ!!タオルを巻け!飛ぶな!騒ぐなぁ!!」


「ソーニョクレアーレ、レビアタン、ソーニョクレアーレ」


神父の目の前に手足の無い羽の生えたドラゴンが現れた。


「うおおおおおおおおおおおおおお!!?」


そして、熱湯を身体に当てられ続け宙に浮かび上がらせる。


そのまま男湯へダストシュート。


「ありがとう、レビアタン」


カンパネーロが手を叩くと、レビアタンは消えた。


「最ッッッ低……普通女湯に入るかなー!?」


「ああいう所は直して欲しいですー」


「……だとよ、神父」


頭からお湯を被って泡を流すリフルベの横で神父はうなだれていた。


「神父神父ー!!こうなったら俺達も比べ合いっこするしかないんだからな!!」


「何をだ」


「ナニをだ!!」


力強く仁王立ちするサハタとシルティーンに神父は改めて呆れかえった。


「……本当P3のああいうおかしな行動は、私も困ってまして――――」


「キャー、シルティーンの大きいー」


「えー、サハタのも中々のものだからなー!!」


湯船に浸かっていた全女性一同が噴き出す。


ただし、ウイッカは除いて。


「わー!!リフルベのすげえー!!」


「何を比べてるのかナー」


「ウイッカちゃん、行っちゃ駄目」


イヴが必死に行こうとするウイッカの足を手で抑えている時だ。


「お、おおふ……神父の馬並み……っすね」


「正直見てられないんだからな」


「ガキとは違うんだよ」


直後、神父に雷が落ちた。


「グッジョブですー、ネロちゃん」


「おわー!!神父ー!!大丈夫かー!!?」


「お前さん達、何してんだ」


またそこに聞きなれた声が聞こえた。


「ク、クロー!!何で此処に!?!」


湯船に浸かりに来たにしては服を着ている。


「いや、そこに居る糞神父が死にそうだから、墓を刺しに……」


「ほうほう、所で……忘却者はナニ、ってあるのか?」


サハタの素朴な疑問に忘却者は戸惑いながらも小さく答えた。


「わ……分からん」


「よーし、じゃあ、確かめてみよう」


と、2人が飛びかかった瞬間、忘却者は姿を消した。


「付き合ってられない」と取っていいらしい。


結局、神父は湯船に浸かる事無く浮んで終えた。


風呂上がりの一杯は格別だ。


腰に何も巻かない彼らはそう豪語しながら、牛乳を飲み終える。


そして、ひたすら猥談をしながら彼らは着衣を終える。


さて、これからどうしようかと彼らが外に出た瞬間、同時に女性陣も出てきた。


「……ああ、王。先程は粗相を。申し訳ございません」


「馬並み……」


「ウマナミー!!」


「………馬チン」


「馬並み……です」


「馬ー……」



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