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冒頭

 荒野に咲く一輪の花があった

 人も緑もないその地では

 夢や希望を与えてくれるのだろうか

 水も木陰もないその地では

 儚く散ってゆくのだろうか……


 それでもその花は

 たとえ誰に見られぬとしても

 精一杯に生きて終わってゆくのだろう

 夢や希望を与えようと

 絶望を隠しながらその小さな身を彩らせて生きてゆくのだろう


 だから僕らは思うんだ

 ――なんて美しい花なんだろう

 その儚い美しさ

 ――まるで人間みたいだね……



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