クラスメイトが✕✕すぎる
よくあるハーレムなやつです。
『ルーティーン』
俺の朝は、クラスメイトが起こしに来るところから始まる。
まだ朝かどうかも朧気な頃に、ドスンとベッドのうえに馬乗りになる彼女が目覚ましというわけだ。
俺がこの家に引っ越してきた数ヶ月前からずっと続くルーティーン。
隣の家から毎朝飽きずにやってくる彼女は、クラスメイトでもある少女、夜這河原さん。
スラリと伸びた肢体に、派手なピンクのツインテールが特徴的。
幾度か体を揺すって、それからいつも頭を叩こうとする。けれども俺はそれを反射的に避けて、彼女は頬を膨らませる。
それからも首元に手をやったり、耳元で何か囁いていたが、微睡む俺には響かない。
その後も彼女は何度か同じ事を繰り返したが、起きない俺に愛想が尽きたのかようやくベッドの上から降りてくれた。
やれやれ、一時間目はまだまだ先なのに朝から何をしているんだか。
俺は寝返りを打つふりをして部屋の出入り口に顔を向けた。
夜這河原さんのルーティーンはまだ終わらない。
俺が起きないのを確認すると、今度はタンスに手をかける。両開きのそれをそーっと空けた彼女は、もはや俺の一部と言っても過言でもないアレに手をつける。
離れていても聞こえる荒い鼻息。彼女はそれに頬ずりした。
黒く、硬く、重いそれは、俺の思い出がたくさん詰まった高さ1メートルほどの中型金庫。こんなに小さい見た目だが、耐爆性能抜群の優れものだ。
夜這河原さんはいつものように真っ黒いゴムの手袋を付け直して、全身タイツで包まれた体をぐっと伸ばし、目出し帽の頬をパンっと叩く。
彼女なりに気合を入れる所作なのだろう。
ようやく窓から入ってきた朝日に、どこからか取り出した聴診器がキラリと光った。
慎重にダイヤルを回す彼女を眺めていること2時間ちょっと。起床予定の朝6時なんてあっという間だ。
ここでいつも通り寝返りを打つと、彼女もこれまたいつも通りに舌打ちをした。
歯がゆさで小さく地団駄を踏む彼女もいつも通り。
それからそそくさと近づいてきた夜這河原さんは、本日数度目、再度俺の顔めがけて手を振り下ろす。
偶然を装い難なくそれを避けると、枕はハンマーの形で強くヘコんで、金属の擦れた汚れがついた。
やれやれ、毎日洗濯するのも楽じゃないってのに。
そうして彼女はベッドに上がって、入るときにハンマーで粉砕した窓から出ていった。
彼女狙いは金か、それとも俺の持っている機密情報か、あるいは戦地の思いでか、それはわからない。
でもきっと、いつか金庫を明け放った彼女はきっと驚くだろう。
なかに入っているのが貯金の一部の2億ドルでもなく、国家間に戦争をもたらす機密でもなく、明け放ったものを街ごと葬る破壊力を持つ爆発物なのだから。
一番大切なものは、一番安全な場所に置いておくものさ。
俺は、本来金庫にしまっておくはずである、今はなき戦友の写真を握りしめて、また微睡みに沈んでいくのだった。
ありがとうございました。




