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第5話 お医者様でも クスティの湯でも。

「…という感じなのですが。先生…私は何の病気なんでしょうか?」

「うーーーん」


次の医者との問診の時間に、クロエは思い切って自分に起こっている諸症状について説明した。医者に聞かれてここに来る前のいろいろも包み隠さず話した。

心配して付いてきてくれたエルザさんとラウラさんは部屋の外で待ってもらった。

カルテにメモを取っていらした目の前のおじいちゃん先生は難しいお顔をなさっている。


「…それは…かなりの重症ですね?」


「え?」

「人によっては、命にかかわることもあります。」

「…まあ…」


やっぱり。そんな気がした。そう、クロエは思った。


「しかし、安心しなさい。私はこの病気については右に出る者のいないほどの名医です。貴女はついていましたね。」


そういって、白髪の先生が、にっこりと笑った。


「そうなんですね…よろしくお願いいたします。先生。私はまず、どうしたらよろしいんでしょうか?安静、ですか?」

「うーーん。そうですね。クロエさん?」

先生がクロエを真っすぐに見て言った。

「はい」


「まず…泣きたくなった時、泣いてごらんなさい?」


「…え?」


「泣く、という行為は、実はとてもいいことなんです。何か胸につかえていることが洗い流されるほど、泣いてごらん?ここ、クスティでは…ごまかして笑わなくてもいいんですよ?」

「……」


ぽんぽんっと先生が孫にそうするように頭を撫でてくれた。


「誰かに話を聞いてもらうのも、いいことです。大丈夫ですよ。よく頑張ってきましたね。」


先生の顔がにじんで見える。

ひとつ瞬きをしたら…涙が止まらなくなってしまった。


「なにか…困難にぶつかったとき、正面で受け止めて対処しようとするのは正しいことなのかもしれませんが、目をそらしても…逃げてもいいんですよ?ね?」









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