表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
92/114

第九十二話

「ま、まあ、バレてるのは置いといて! まず、おたけさんの好きなものとか、知ってるんですか?」

「好きなもん……」 ラキさんは、顔を上げ、遠い目をする。 「……昔、どっかの盗賊に惚れてた、ってのは聞いたな」

「ふむふむ。ワイルドな感じが好みなんですかね?」(……盗賊?)


「なんか、すごく大事にしてる物とか、こだわりを持ってる物とかは?」

「ああ、それなら三振りの剣だな。アレは実に立派な物だった」 (剣……)


「じゃあ、好きな食べ物は?」

「え……なんだろう。あんま気にしたことなかったな」 (知らないのか……)


「趣味は?」

「ああ! オフロードバイクが好きだって言ってたな! カッコいいだろ!」

「(バイク……)ちなみにラキさんは?」

「俺? 酒だな」 (……共通点が……)


継人は、少し角度を変えて質問してみた。

「おたけさんって、店長との付き合い、長いんですか?」

「あぁ、そうだな。長いぞ」 ラキさんは、懐かしそうに目を細める。

「実はな、この店、本当はおたけさんも『店長』なんだぜ?」

「え!? そうなんですか!?」

「ああ。まあ、おたけさん、昔っから自由人で、ずっと遊び歩いてるから、お頭がずっと一人で店長してるけどな」 ラキさんは、照れたように頭をかいた。

「俺達がここに世話になり始めた頃に、たまたまおたけさんが店にいてさ。そん時の、あの豪快さにれたんだ」


(なるほど……) 継人は、一つの可能性に思い至った。 「じゃあ、店長にも、おたけさんのこと聞いてみます? なんか、詳しいこと分かるかも……」


「いや……」 ラキさんは、急に渋い顔になった。

「お頭は、どうだろうか。あの人、そういう色恋沙汰とか、全く無頓着だぜ?」


(想像:店長『……たけまる、の? ああ。……知らない。別に興味ないから』)


「まあまあ、聞いてみるだけ聞いてみましょうよ」 継人は、定位置で雑誌を読んでいる店長に声をかけた。 「あの、店長! たけまるさんの好きな食べ物とか、知ってます?」


店長は、雑誌から顔も上げずに答えた。

「……そこらへん、何も知らない。別に、知らなくても困らないから」


(想像通りでした……) 継人は、隣で「ほらな」と言わんばかりの顔をしているラキを見た。

「……だな」 ラキも、深く頷いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ