表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
72/114

第七十二話

カチリ、とスマホをテーブルに置き、店長は誰かとの電話を終えた。 「……」 ふう、と深いため息が一つ、タバコの煙と共に吐き出される。


(……あの『飴』の調査も、玉藻前からの情報を待つしかなく、行き詰まりだ) 店長は、雑誌のページを意味もなくめくった。 (バイト君に、あの飴がどんな影響を及ぼすか分からない。だから、店の外にいる時に見守るよう、『あいつ』に依頼したが……) 『順序ってものがあるんですよ!』 さっきの電話口での、妙に芝居がかった言い訳を思い出す。 (……『順序』、か)


そういえば、と店長は思い出す。 (今日、バイト君は『友達』とお芝居だったな。……あいつも、確か芝居が好きだとか言ってたか……)


「あの、お頭」 横で暇そうにしていたラキが、店長の様子を伺うように話しかけてきた。

「今、バイト君のことで電話してましたよね?」

「……まあな」


「そういえばお頭、聞きました?」 ラキは、何か面白いゴシップでも話すように、ニヤニヤしながら続けた。

「今日、バイト君、女の子と『お芝居デート』だって言って、ウキウキしてましたよ」


ピタリ、と店長の雑誌をめくる手が止まった。 ジト目が、ゆっくりとラキに向けられる。

「……ん? 私は『友達』と行くと聞いていたが?」


「え……?」 ラキの顔から、ニヤついた笑みが消えた。 (あ、やべ。あいつ、相手のこと『友達』ってぼかしてたのか。ごめん、バイト君) ラキは慌てて目をそらした。


店長は、ラキのその分かりやすい反応と、さっきの電話の相手の言い訳を、頭の中で結びつけた。

「……ふーん……」 やっと、合点がいった。


「……今日、バイト君、あの狸と出かけてたのか」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ