第13話 光の約束と、未来への扉(エピローグ)
【エピローグ】
物語の最後は、それぞれの“光”と“未来”。
セイラとリオン、ゼノとミアーナ、そして旅立ったルシアの想い……
それぞれのかたちの“約束”が、この世界に残っていきます。
※ここでいったん本編完結となりますが、
人物紹介やスピンオフなどの構想もありますので
また“君に会えたら”うれしいです、、、笑
─あれから平穏な日々が戻った頃……
王都の大広間では、新たな未来を照らす準備が進んでいた。
セリーヌ王妃は、次期国王ゼノ・グランリュードの戴冠式を心から誇らしげに見守っていた。
「ゼノ・グランリュード……あなたなら、きっとこの国を導いてゆけますわ。」
「はい。母上!!」
その瞳に映るのは、悲しみを越えた安らぎの光だった。
ゼノの傍らには、ミアーナが静かに寄り添っていた。 すれ違い続けたふたりは、ようやく心を交わし、正式に婚約を交わしたのだった。
それは政略ではなく、互いに選び取った愛のかたち。
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一方、セイラとリオンもまた──
すべての記憶と想いを取り戻し、再び惹かれ合ったふたりは、 新しい一歩を踏み出していた。
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「ゼノ殿下、ミアーナと結婚するんだって。……よかったね。想い、ちゃんと通じあったんだね。」
そう微笑むセイラの横で、リオンがふいっと目をそらす。
「……。あれだけ周りを振り回したんだ。結婚ぐらいしてもらわないとな……(セイラに付きまとうやつはたとえ殿下であっても許さん)」
「えっ、なに?なに?まさか嫉妬?」
「……!嫉妬なんてしてない。……全然、してない」
拗ねたようにそっぽを向きながらも、リオンはちらりとセイラを見る。
「でもまあ、あのふたりは……運命だったのかもしれないな……」
「うん、私もそう思う。……じゃあリオンは?」
「……俺?」
「そう。“運命の相手”は、リオンにはいないの?」
少し意地悪く笑って聞いたセイラに、リオンはわずかに頬を染めながら、ぼそりと呟いた。
「……じゃあ、結婚でもしてみるか。俺たちも」
「……っ! 全然ロマンチックじゃない!」
セイラは思わず立ち止まり、ぷくっと頬を膨らませる。
「なんか……急に大きくなっちゃって!ちゃんと全部思い出したんだからね!出会った頃は……小さい騎士様で可愛いかったのにー」
そう言いながらも、目はどこか嬉しそうに照れながら、キラキラと輝いている。
リオンもまた、昔の話を照れくさそうに頭をかきながら、少しだけ笑って言った。
「悪いな。こういうの……慣れてないんだよ」
「ふふ、知ってる……。ツンデレだったんだね、リオンって」
「ち、違うっ……ツンデレなんかじゃ……」
「はいはい、否定しな〜い。でも、ちょっと……可愛いかも?」
セイラがそう言ってくすくす笑うと、リオンは顔を真っ赤にして目を逸らす。
「……やっぱズルいよ、お前は……」
「?……何が?」
「そうやって昔の話をされると……俺は、何も言い返せなくなる……守ってやれなくて、お前を……どれだけ……想っていたか。もう小さい頃の、小さい”騎士様”じゃないんだからな。」
そう言うと、頬が赤く染まっていき、耳まで染まっていた。
小さくぼやきながら……
リオンはセイラの手をそっと引き寄せる。
そして、ふいに彼女の耳元に囁いた。
「……目、閉じろ。じゃないと……俺が恥ずかしい」
「え……?」
戸惑うセイラが顔を上げたその瞬間、 リオンの腕がそっと彼女の腰を引き寄せ、唇がふれる。
それは──少しぎこちなくて、不器用で、 でも、長い時間大切に抱いてきた想いが、 やっと届いたことを伝える、優しいキスだった。
離れたくないと願うように、 リオンはそのまま、そっと額を彼女の肩に寄せて囁く。
「……なぁ、セイラ。 今度は、絶対に何があっても、離さないから……」
セイラは笑顔のまま、そっと目を閉じて──
「うん。……運命があなたに会わせてくれたんだよ……。大好きよ……リオン」
ふたりの心が、ぴたりと重なった瞬間だった。
平和は、訪れたのではなく。
誰かが願い、傷つき、選び取ったことで── この世界に“与えられた”ものだった。
残された者たちは、それぞれの想いを胸に、 新たな光を見上げていた。
それでも──誰もが信じている。
きっとまた、君に会えると。
【ここまでお読みいただき、ありがとうございました】
12話までの激動と感情のぶつかり合いから一転、
このエピローグでは、“約束”と未来と恋愛をテーマにしてみました。
リオンとセイラの関係が少しずつ進み、ようやく“恋の始まり”
ツンデレなリオンがいい味かな?と。
今後、スピンオフ予定です。
・ゼノ×ミアーナ
・リオン×セイラ
・異界へ旅立ったルシアの行方
スピンオフで、また。




