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クールで一途な白雪さん  作者: 隆頭


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六十六話 楽しかった

 いつもであれば放課後を迎える時間、俺たちは着替えを終えて帰路に着く。おやつにスイーツを食べた後に俺たちは、みんなで集まってしっかり遊んだ。

 着替えた後は楽しかったなと思いながら、道行く人一人にお願いして、海をバックにみんなで写真を撮ってもらった。楽しかった思い出をスマホという記録に残し、メッセージアプリを使って皆と共有する。

 来年もまた来ることができるだろうか?そんなこと余韻に浸りながら、疲れきった身体を抱えて家に帰るのだった。



 みんなで電車に乗って、空いている席に座る。いつの間にか寝ていた俺は、となりに座っている繭奈の肩にもたれかかっていた。しかし繭奈はなんか嬉しそうで、俺の手を握りながら目を覚ました俺に ふふっと微笑んだ。


 ちなみにもう一人俺の隣にいるのは告美……ではなく、麗凪だった、彼女も寝ていて俺の肩にもたれかかっている。なんだかんだあれだけはしゃいだので、みんなして疲れているのだろう。じゃあ繭奈はどうして起きているのかという話だ、体力が多すぎるというか、まだ元気なのだろうか。

 もしかしたら、皆をいつでも起こせるように、起きていてくれたのかもしれない。



 そんなこんなで電車が最寄駅に到着し、荷物を持って電車を降りる。さすがに日は落ちて、もう夜といった時間だ。

 途中で別れながら家に向かって歩く。とても楽しかった、その余韻に浸りながら、冬夏の家に着く。


「じゃあ、アタシはここでね」


「えぇ、それじゃあまたね。冬夏」


「おやすみ冬夏」


 俺たちの挨拶に冬夏が うんと返す。彼女はそのまま玄関の扉に手を掛け……る前に、振り向いてこちらにやってきた。

 目の前で足を止め、いったい何をするのかも思ったら、彼女は俺の首に手を回して唇を重ねてきた。もはやフリーズである。


「──昨日散々したんだし、これくらい良いでしょ?じゃねっ」


 照れながらそう言った冬夏は、駆け足で扉を開けて家に入った。耳まで真っ赤だったぞ、可愛いなアイツ。


「ふふっ、冬夏も龍彦くんにメロメロね♪」


 繭奈が得意げにそう言った。こちらとしては苦笑いである。

 今時メロメロだなんて言わないだろうが、しかし好かれていることに悪い気はしない。だが、こちらとしては首を傾げるばかりだ。



 繭奈の家に到着した。楽しい時間ではあったが、必ず一日に終わりが来る以上、その時間にも終わりが来るのは宜なることだろう。

 それは分かってるけど、やっぱり離れるのは寂しいものだ。


「楽しかったわね。今度は冬夏と三人で行きましょう」


「別に繭奈と二人で良いんじゃないかな」


 何気に繭奈は、俺と冬夏が仲良くしていることに喜んでいるようだ。普通嫉妬するんじゃねぇかな?漫画知識で恐縮だけどさ。


「あら、龍彦くんは嫌かしら?昨日ノリノリだったからダメじゃないかと思ってたわ」


「嫌ってんじゃないけどさ」


 あくまで冬夏とは友達というスタンスなのだが、先ほどのことも含めて、さすがに行き過ぎであると言わざるを得ない。とは言っても、当の本人は俺と繭奈の関係を知っているわけで、繭奈も冬夏の行動は否定していないわけで……あぁもう頭が痛いぞ。


「なら良いじゃない。龍彦くんだって女の子とエッチなことしたいっていう欲望くらいあるでしょ?冬夏だってそういうことの興味はあるのよ。私もあの子なら別に良いと思ってるわよ。あなたはちょっと固すぎね」


「そうかなぁ……」


 固すぎというか、常識的に考えてしまうとあまり良いこととは言えない。なんなら俺ってクズなのではないかと思ってしまう。


「少なくとも、嘘を吐いて隠れて浮気をしているよりは百倍マシね。当事者が認めていのなら良いのよ、それに龍彦くんよりずっと悪質な人もいるしね」


「まぁ、それもそっか」


 確かに、俺だってエッチなことは好きだ。それも可愛い女の子が相手だというのなら尚更である。

 繭奈だって構わないというのなら、素直に受け入れて冬夏を楽しませるのも良いのかもしれない。冬夏だってきっと、いつの日か良い相手を見つけるさ。


「そうよ。それじゃまたね。龍彦くん」


「うん。またあとで電話するよ」


 改めて唇を重ねて挨拶をする。俺の言葉に繭奈は うんと返して離れる。彼女はドアノブを握りこちらに振り返った。


「大好きよ龍彦くん♪気を付けてね」


「ありがと、俺も大好きだよ」


 俺の返事にニッコリと笑った繭奈を見て、こちらも帰路に着く。まだまだ夏休みはある、いっぱい遊べるな。胸が躍るよ。

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