六十三話 一泊と二日目
繭奈と冬夏にしっかりと抱き着かれ、起きることのできない朝。朝食の時間に間に合わせるならばそろそろ起きても良い頃なのだが、これでは身動きがとれない。
モゾモゾと身体を動かして見るものの、その度に二人の抱く力が強くなる。どーしろってーの?
それになにより、二人の柔らかい胸の感触が強く感じられ、ありがたいこといや困ったことこの上ない。
仕方ないのでモゾモゾとしながら二人を呼び掛けてみると、ようやく繭奈が目を開けた。
「ん……おはよう、龍彦くん」
「おはよう」
寝起き特有の、しっかりと出しきれていない声で繭奈が挨拶した。ただでさえ悪い目つきが半目になって更に悪くなり、可愛さが倍増している。たまらねぇー。
そんな彼女を堪能していると、間髪容れずに冬夏も目を覚ましたようだ。昨日の行為を終えてから随分とデレてくれる彼女に、俺が年頃の男であるということを思い知らされる。可愛すぎるだろコイツ。
二人の可愛い女の子に癒された後は、着替えて朝食を食べに広間へと向かった。部屋を出ると、ちょうど茂たちが部屋から出てきた。
「おっ、おはよーさん」
「おはよう茂」
軽く挨拶を済ませた俺たちは、そのまま広間へと向かう。すると、告美と麗凪が先に来ていたようで、席を取っておいてくれていた。
二人ともこちらに気付くなり、満面の笑みでこちらに手を振った。かわええやん。
「おはよっ!龍彦くん!」
「おはよう告美、麗凪。席を取ってくれてありがとね」
そうお礼を言うと、二人とも いえいえと笑った。せっかくなので早いとこ料理を取ってきてしまおう。あんまり待たせるのは趣味じゃないからね。
そういうわけで料理を取り終えて、みんなで席に着いた。あんまりちなみに朝はビュッフェ形式なので、足りなければまた取りに行けるのは助かる。
隣にいる告美からの視線というか、オーラみたいなもんが凄いな。なんかすごい、甘いぞ。
学校の連中が今の告美を見たらぶっ壊れてしまうだろう。なんなら麗凪も、というか繭奈と冬夏もな。
そんな優越感に心地よくなりながら腹一杯に朝食を終えて、部屋に戻って荷物をまとめた。忘れ物はないかと確認して、部屋を出て鍵を閉める。
ロビーにやってきて、受付で鍵を返して辺りを見回すがまだ誰もいない。俺たちが先に来たかと思ったところで、向こうから告美と麗凪がやってきた。
その後すぐに茂と貝崎がやって来たので、すぐに海に向かう。嬉しいことに天気には恵まれたものの、やはりというか照りてりでとっても暑い。
このままでは十分と経たずに汗をかいてしまうほどの気温だったが、幸い海は近いので助かった。そう汗だくにならない内に水着へと着替えることができそうだ。
昨日よろしく水着に着替えて、適当な場所に陣取って日焼け止めクリームを塗ることしたのだが、繭奈と冬夏は二人で塗るからと俺を告美と麗凪に譲った。昨日はその事でちょっと落ち込んでたからね。
「ハァ、ハァ……じゃあ龍彦くん、日焼け止め塗るから水着脱いで!」
「えっ」
「告美、しっかりしなさい。水着のところは塗っても仕方ないでしょ」
顔を赤くし鼻息を荒くした告美が脱げと言ってくる。当然だが俺は困惑して、麗凪がツッコミを入れたおかげで告美も思い留まったが、俺は既にうつ伏せにさせられて、水着をガッチリ掴まれているところだった。両手でね。
「ハッ!!いけないいけない、いやぁ龍彦くんが変なとこ日焼けしないか心配でつい……」
「どんな心配よそれは、せめて塗るのは背中でしょ?」
「ノンノンだよ麗凪。昨日の白雪さんたちを見たでしょ?せっかくなら私たちで両面塗ってあげようよ」
告美は人差し指を立てながら左右に揺らし、ドヤ顔でそう語る。麗凪はなにを想像したのかゴクリと喉をならした。
なんなら告美の顔はだらしないことになっている。よだれ拭きなさいコラ。
とりあえず、俺は興奮している告美を落ち着かせるために麗凪の背中をに日焼け止めを塗ることした。その間に告美は、前の方に加えて塗れる範囲で日焼け止めを塗ってもらった。
麗凪も同じようにした後は、二人とも昨日の繭奈たちを真似て、俺を挟むように全身くまなく日焼け止めを塗ってくれるのだった。
告美はずっと鼻の下を伸ばしていたけど、まぁ面白かったので別に良いか。麗凪はずっと苦笑してたけどね。




