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クールで一途な白雪さん  作者: 隆頭


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四十九話 まさかのダブル

 水着を買おうということで、繭奈と共にショッピングモールにやってきた。だが、中に入り目的の店を目指していると、なんと茂たちカップルとバッタリ会ってしまったのだ。


 俺は繭奈に腕を抱かれており、言い逃れのできない状況。なんなら、繭奈はガッシリと腕を抱いているため、振りほどくこともできない。やらないけど。


「龍彦、なんで白雪と……?」


「えっと、まぁその……」


 実は付き合ってました。ただ、それが言いづらくて狼狽(ろうばい)してしまう。そんな俺を見た茂と貝崎は、すぐに察してしまった。


「えっ、嘘でしょ?付き合ってたの?いつから?」


「夏休みに入る前からよ、私からお願いして付き合ってもらったの」


 貝崎の言葉に繭奈が返す。そうも胸を張って言われてしまうと、気にするのがバカらしくなってくる。

 付き合っているのは事実だし、それを他人にとやかく言われる筋合いはないか。この際だし、俺も繭奈のように堂々としてやろう。


「まぁそんな繭奈を、俺は好きになったんだけどな」


「ふふ、嬉しいわ龍彦くん♪」


「えぇ、甘ぁ……」


「マジかよ……」


 俺たちのやりとりを見ていた二人が絶句していた。そりゃ今まで付き合っていないと思った二人が、目の前でイチャイチャし始めたら驚くだろう。


「っていうか、蔵真くんって白雪さんが好きだったの?私ずっと告美(つぐみ)麗凪(れな) 選ぶと思ってたから、しかも色々と言われてたし、なんていうかその……」


「いやまぁ、俺もこんなになるなんて予想してなかったけどね。繭奈からのアピールがなかったら絶対付き合ってなかったよ」


「それを聞いて安心も安心ね、やっぱりお淑やかさなんてクソよ。もし待っていたら絶対他の女に取られてたわ」


 思ったよりストレートな物言いをする繭奈だが、俺としては慣れたものである。しかし、茂たちはそうでないようで、二人とも呆けた表情をしていた。


「あれ?なんか私の知ってる白雪さんじゃない。白雪さんってもっとこう、蔵真くんに辛辣な物言いするタイプだと思ってたのに」


「確かに。なんか顔 合わせる度にいっつも龍彦のことチクチクしてたっつーか……」


 困惑気味な二人だが、正直なところその気持ちはめちゃくちゃ理解できる。二人とも俺が繭奈に色々言われてるところしか見てないからな。


「あんなもの全部照れ隠しに決まってるじゃない、死ぬほどダダ滑りしてただけ。本当は龍彦くんが好きで好きで堪らなかったわ」


「ほぇー……」


 得意気に語る繭奈を見ている貝崎がそんな声を上げる。すっかりと呆気にとられてしまっている。


「そういえば、二人は買い物?」


「え?あぁ、そうだな。せっかくの夏休みだしプールでも、行こうかってタカネと話してたんだけど、もしかして龍彦たちもか?」


 繭奈に付き合っているといつまでも話が続かないので、強引に話を進めると、茂がそう言ったので、それに頷く。


「水着を買おうってことで、デートの流れでここにきたんだよ。茂たちもなんだ」


「おう」


 俺の質問に頷く茂。あまりにもタイミングが良すぎるだろうとは思うが、せっかくならダブルデートでもするかという話になった。

 とりあえず、目的の店に四人で向かった。早速各々水着を選んだ訳だが、やはり繭奈は暗めの色が似合うなぁ……最初に選んだ黒が良すぎる。


 しかし発想を変えて敢えて水色のフリフリした、明るいイメージというか、繭奈のクールな性格と反したような水着(もの)も良き。

 とにかくどれも似合ってしまう繭奈は、やはり最高の女の子だ。


「せっかくだしどれが試着してみたいわね……龍彦くんはどれがいいかしら?」


「そうだな……」


 いくつか選んだ水着、その中から一つを選ぶとなると、どうしようか悩んでしまう。正直全部素敵なのだが、せっかくならバシッと選びたい。


 直感を信じて選んだ水着を手に取ってそれを繭奈に渡すと、彼女は優しく微笑んで試着に向かった。楽しみすぎる。

 まぁあくまで服の上からの試着だろうが……あれ?そういえば繭奈、今日はスカートだったような?

 そういう時ってどうするんだろ?


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