1.なんか…おかしいよね?
この物語は、貴方たちの世界が生まれる、ずっと前の世界の話である_______
さあ、この貴重な話をどうぞ、お楽しみあれ、笑_______
(1)_______
とある草むらに寝っ転がり、上を見る。心が穏やかになる空が広がっている。
思わずずっとみてしまうところだった私…と隣にいる、黄金のように輝く絹のような金髪の長髪。それに目を見るといつの間にか吸い込まれそうな翡翠の目。いや、少し青みがかった…かな。
しかも身長も高い。その腰にかけた剣。
服はだいたいThe、異世界の可愛い女の子!見たいな服だね。
まぁ、いわゆる美女である。 そんな美女は、私の妹でもあり…双子である。名は「アルン」と言う。
彼女は基本元気であるが、怒ったら血の気が全て無くなりそうなほど怖いので、そこはギャップだな…
元気過ぎて言ってることにビックリマークがいつも着いている。
彼女は急に起き上がったかと思ったら急に目を合わせてきた。なんかきしょい…
「きっしょなんだお前こっち見るな」
おっとつい言ってしまった
「は?、!」
じゃなくて、そろそろ行かなきゃ…
「さて、そろそろ行くか」
私は起き上がり出発を促す。
「はいよ!」
元気に言う彼女。……こいつ許してくれるんだ。
(1)_______
とある草むらに寝っ転がり、上を見る。やっぱり、空は綺麗だなぁ…
あ、ご紹介されましたアルンです!
同じ行動をしていた私の片割れ。正確にはおねぇちゃんだけど。
私のおねぇちゃん…いや、「アルテ」はとっても綺麗な人。
髪はボブ。だけどとってもサラサラでココアみたいな色してる。時々美味しそうだなぁ…と思ってしまう。いや、ダメだ…そんなこと考えてはいけない!!
少し起き上がって彼女の目を見てみる。
ずっと見ていたくなるほど綺麗な目。翡翠色である。まるで宇宙みたい。本当に綺麗。この生涯でこんな綺麗な目はアルテ以外に見たことない。
しかも私より身長が少し高い。170はあるかもしれない…
彼女の私服は何故か軍服とか、ブラウスにスカート、ネクタイをつけている。時々コートを羽織っている。あとは……手袋つけてるかな。かっこいいよね!
ドレスなんか着ない。1度着せようとしたらビリビリに引き裂かれた。
分かったとは思うけど……気性がかなり荒い。
っと…彼女にそろそろ行こうと言われたためわたしは行動を開始した。
「はいよ!」
(2)_______
少し歩くと綺麗な町と道。レンガ造りの家や石造りの家が並んでいる。
少し上を見あげると、豪華な城が見える。しかも高い。ざっと標高1kmあるのでは?と思うほどである。まぁ、王様のお城なのだから当たり前だが。
気を取り直して、国の中心に向かって歩きながら周りを見る。魔法使いだらけだ。
だって、ここは魔法の国とも呼ばれる、「フィトリア王国」なのだから。かなり発展しており、軍事力もかなり高い。
通常では種族によって違うが、人間だと魔法はヒールや物を浮かせるぐらいである。特訓したらもっと強くなれるが、文字通り血が滲む努力が必要である。
だが、何故かこの国の敷地で産まれるだけで様々な魔法が使えるのだ。使えない者は絶対に居ないと信じられていたぐらいに。才能によっても違うが、大体は通常以上である。火魔法も、水魔法も、便利な魔法も…挙げるとキリが無いので辞めておこう。
最初はとてもいい国だと思った。だが、実際は違う。
左手に見える、路地裏。2人で覗き込む。
「あれ、やっぱやっばいよねぇ…」
少し残念そうにわたしはつぶやく。
「まぁね…慣れた光景でしょ?、!」
そう返答が帰ってくる。
目の前に広がるのは、おそらく魔法が苦手であろう一般市民…と、明らかに調子に乗りやがっているチンピラ。10人ほどだろうか。余程魔法の腕に自信があるのだろう。いや、あれだけムキムキなら近接も…
「寄って集って何してんだか…」
アルンは呆れたように言う。
かなり大きい声で会話が繰り広げられている。
「おォい、金出せよ、カ・ネ」
チンピラが姿勢を低くし巻舌気味に話す。
「いッ、いえッ!持ってッませんからぁッ゛!」
随分と怯えたように話す。流石に怯えすぎでは?と思ってしまったが…
よく見るとチンピラの手には炎がメラメラと揺らいでいるのが見えた。
他のチンピラは雷…水…竜巻…拳…ん?拳?やっぱり近接か。
「脅しかよ…」
「みじん切りにちょんぎってやろうか!」
アルンは怖い顔をしながら言う。
「こわいよ…」
もうちょっとこのまま見ておこう…
(3)_______
俺はただのその辺の者である。
俺は今楽しそうな現場に遭遇している。
俺は路地裏を覗き込む。
俺はこれをここの名物だと思っている。そう。調子に乗っている奴らが一般市民をボコすところだ。
俺自身も流石に俺が性格悪い、と思っているがまぁよしとしよう。
俺は現場を見ていたら急に黒い深いフードが着いたローブに身を包み仮面をつけている2人組が現れた。1人は剣らしき物を持っている。
俺はこの気持ちしか頭になかった。
「なんだあいつ…」
俺は2人組の声を聞こうとしたが何も聞こえない。よく見たらその場で静止しているだけだ。と思っていたのだが……
俺は目の前の場面に驚愕する。何故なら2人組は名物の傍に走っていきチンピラの魔法をもろともせずなぎ倒しているからだ。
剣を持っている方は剣を鞘から抜いたかと思えば剣を動かしているのは分かるがどこを切っているか見えない剣の動きでチンピラのうち2人の頭を一刀両断。それに加え体には無数の傷があった。
そいつはもう1人の方を見たため俺の目線も自然にその方向に動く。
1人はローブから銃を出し、目の前にいたチンピラの頭に銃を突きつける。
「はッ……゛!?おいッ!!やめ゛ッ」
チンピラの汚い声は銃声と共に聞こえなくなった。
そいつは銃の方と呼ぼう。見るからにチンピラの頭には穴が空いている。死んだだろうな。と俺は内容が詰まっていないものを予想する。
「やったか?」
あ、まずいぞ俺、このセリフはダメだな
銃の方に殺られたはずのチンピラが直前に雷魔法を放っていたようでその場が光に包まれ、銃の方に雷が降った。
黒い煙が立ち込め現場が見えない。
少したち、やっと煙が逃げていった。
そのチンピラは少し判断を間違えたらしい。
その雷魔法は狭い路地裏で放つには威力が強かったようだ。
生き残っていたうちのチンピラ4人もそれに巻き込まれて黒焦げになり横たわっていた。
壁も真っ黒。俺その家の住民なんだけど??
酷い。損害賠償を請求したいがこの国は出してくれないしもうこいつら死んでる。
酷い。
それはさておき。
あいつらクソアホすぎる。
あ、襲われていた住民はどうなったんだ?
上を見てみると剣の方が住民をお姫様抱っこして俺の家の屋根に立っていた。拳の方もいる。
「君。家はどこ?怪我はない?」
剣の方が喋ったかと思ったら心配の声をかける。優しいな… あれ。男かと思ってたけど女の声だった。
「っえ?えっと。まず助けてくれてありがとうございます…」
「家はあっちら辺です…ッ゛」
東の方に震える手を伸ばし指さした。
怯えてるな。まぁ無理もないよな。
「「りょーかい」」
拳の方に住民をバトンタッチしたかと思えば拳の方は屋根から飛び降り東の方に凄いスピードで走っていった。
剣の方も飛び降り追いかけて行った。
「にしても、あいつらなんだったんだ?」
俺の頭に浮かんだひとつの組織。
この国内を根城にする殺し屋組織。
「失敗した」ということを聞かない。
この国を狙っていると言う噂も聞く。
海外進出も果たしている。
多額の金を積まないと「頼んでも。」仕事をしない。
彼らは基本的に一般人を殺さないのだ。
世界一の情報をもつ国がこの組織を支えている。
自分たちの情報の中にある「平和」を脅かす存在だけを消す。
仮面と黒いフード付きのローブを身に着けているのが特徴である。
その組織の名は 穏禍ノ御紅(おんかのみこう) である。
…
炭…少しも落とそう。
俺の人生で1番悲しかった。
家に戻り、水の入ったバケツと雑巾を取ってくる。家の中は無事そうだ。
キッュキュッと音が鳴る。俺が壁を水に濡れた雑巾で擦っている音だ。むなしい。
全然落ちない。 はぁぁぁぁ…
幸いお金はあるし引っ越そう。こんな国バックれてやらぁ゛!!
人知れず俺は決意を固める。
(4)_______
アルンと話しながら目的地に歩いていく。
「さっきのどうなったかな」
「どーでもいい、しーらね!!」
まぁ、あんなことが日常茶飯事なのだ。ぶっちゃけクソやばい。
これだけじゃなくて、この国は王様になんでも従わなければ行けない。そう。なんでも。
運が悪いことに、ここの王様はなんとも傲慢である。
商人や騎士などは別だが国を出るのにもお金を支払わなければいけない。その額なんと1000万。
クソみたい。ほんま死にたまえクソ野郎くたばれくぁwせdrftgyふじこlp;@
ピーーーーーーーーー(規制音)
っと、取り乱したね。
後はこの国は高い軍事力を持っているため調子に乗っているのか知らないが他の国などを襲い領土を奪うのだ。
この世界は、王がいない。たとえここの国を問題視していても、指摘したら必ず軍が国を襲う。
…世界は、もっともっとある。だって、ここは神に作られた世界たちなのだから。
神…か。
今、頭の中を必死で探り神について思い出す。
『帝王三星神』
この3人の神様達が世界を作った。創世神、破壊神、あと…誰だっけ。思い出せない。1番、いや、原初が創世神だったかな……
神はたくさんいるけど。
後、神達が住む天界。すっきりとした青に地面は雲。そして中心に巨大な木。世界樹があったっけ。そこに葉っぱのように連なる世界。天界の下にある地獄まで根っこは続いている、とか。
だけど、3年前だったかな。帝王三星神は全員死んだ。いや、生まれ変わる、という表現が正しいかもしれない。神は基本的に、魂が絶対に消えないように出来ているから。
生まれ変わるにも時間が要する。だから、世界たちは今、混乱の渦に巻き込まれている。まだ影響無いところはあるだろうけど。
なんで知ってるかって?それはね、世界の言葉という謎の言葉が通達してくれてるんだよ。
……
ダメだ、もう思い出せない。
神なんて興味無い。
なれるものならなりたいが……
わたしのゆめはそんなのじゃないから。
そういえば、さっきの現場はどうなったんだろう。途中で立ち去ったから後は知らない。
(5)_______
目的地に着いた。
目の前には行列が並んでいる。
まぁ、私たちのバイト先である。
金がないんだよ、金が。
ここは飲食店。私はコックをやっている。私めっちゃ上手いいんだよ、ハッハッハ、自画自賛だけどネ。
……ばか恥ずかしい。
だがアルンは文字どうり、ゴミを作る。どんな高級食材、道具があろうとただのゴミを作り出す。誰かが見ていようとな。
だからアルンは接客をしている。
そんな本人は苦い顔をしながら呟いている。
「めんどくさいなぁ゛!!」
「それなっはっは」
苦笑いしか出来ない。
まだまだ他の仕事を詰め込んでいるけどまぁ説明めんどくさいので適当に過ごすか。
なぜ魔法で料理を作らないのかって、それはこの店は「手料理」がモットーなのだ。 ちなみに基本的に、完成された料理を創造するのはとても難しい。魔法は一から全ての手順や構成などを頭で処理する。そしてその手順を創造のもとである魔力が答え魔法や世界ができるのだ。
感覚などでサラッとできる猛者もいるようだが。生物によっては魔法の手順を最短にし、おバカな生物の魔法が使える。
(5)_____________________
深夜を回った。やっと私たちは全ての仕事が終わった。
他愛のない話をしながらぼちぼち歩いていると、やっと家に着いた。
この国は領土がかなり広く、町外れの草原に私たちの家がある。
少し小さいけど、二人で住んでるから申し分なし。
私たちは今中学生。15歳である。もうすぐ高校に進学する。
この国は、絶対に魔法高校まで通わないと行けないのだ。
ん?なぜ子供が二人でって?
元々小さい頃からお母さんしかいなくて、けどお母さんに捨てられたんだよ。小学校卒業して、追い出された。ドアから投げ出されるように。
もちろん、追い出されてからすぐに帰ろうとした。でも起き上がって家の方を見ると、何も無かった。隣に荷物があるだけで。
だから、自分たちで家を作った。どんな手を使ってでも働いた。
でも、私たちにはひとつ欠点があった。
魔法が使えない
この国にとってはおかしい。おかしすぎる。当たり前なのに。使えないんだよ!
魔力は沢山あるのにね。
だから私たちは他のことを頑張った。本当に。血反吐を吐くまで。勉強、武術、剣術、もっと色々あるけど。
んと、話しすぎたね。もう布団に入っている。
おやすみ。
おかえりなさい。どうでしたか?この……主役、いえ、主人公とその妹のことを理解できましたか……?
まぁいいです。また、次のお話で会いましょう。