表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

神様シリーズ

とある神様の始まり

作者: 仲仁へび




 終わる世界が一つあった。


 その世界は、本当に最後の最後の終末で、今にも消えてしまいそうな世界だった。


「ごめん、ここまでだ」

「俺達を支えてくれた人たちに申し訳ないな」

「私達、負けちゃったんだね」

「もう、明日なんてない」


 立ち上がった者達はいた。


 彼等は抗った。


 しかし、その努力はみのらない。



 その結果、世界が消え去った後、たった一人だけ残された少女がいた。








 暗闇で過ごす少女がいる。


 その少女には、何もない。


 自分が誰かも思い出せない。


 ただ、少女には過去を見つめる能力があった。


 だから、退屈はしなかったし、学習し、成長する事ができた。








 少女は、過去を見続ける。


 それは、世界終末を巡る物語。


 たくさんの人たちが、努力し、世界が滅びないように頑張る物語だ。


 しかし、結局は世界は滅びてしまった。


 強大な力をもつ敵に、主人公達は果敢に戦ったが負けてしまう。


 少女は結末に悲しんだ。


 もう、何もかも手遅れだからだ。

 

 自分にできる事などない。


 






 ならば自分はどうしてここに存在しているのだろうか。


 意味なんてないだろう。


 けれど、少女は意味を作る事にした。


 自分が神になり、彼らを覚えている「神」が新しい世界を紡ごうと。


 そうする事が彼等の努力を無駄にしないことになるはずだと。


 そう祈りを込めて。








 少女は世界を作り出す。


 命を作り、星を作り、自然を作る。


 そこには、少女が過去に見た少年少女たちもいた。


 本物ではない。


 ただ模倣しただけの生命だった。


 しかし少女は、彼らには幸せに生きてほしいと、祈って見守り続けた。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ