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三十六から四十
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晴れ上がり 漕ぎ出し筏 残す疵 児の他界した 樵か、あれは?
はれあがり こぎだしいかだ のこすき(ず このたかいした きこりかあれは
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香る枇杷 見つめる宝 元カノか 友ら語る目 罪詫びる丘
かおるびわ みつめるたから もとかの(か ともらかたるめ つみわびるおか)
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歪む顔 涙飛び泣く 時暫し 奇特な人だ 皆拝む粥
ゆがむかお なみだとびなく ときしば(し きとくなひとだ みなおがむかゆ)
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寛いで 似た樫拒む 巣や何処と 休むは小鹿 谷で色づく
くつろいで にたかしこばむ すやどこ(と やすむはこじか たにでいろづく)
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お金だけ サブカルは嘘 うそやぐや 想像遥か ふざけた寝顔
おかねだけ さぶかるはうそ うそやぐ(や そうぞうはるか ふざけたねがお)
※ うそ‐や・ぐ の解説
[動ガ四]《「うぞやく」とも》鼻がくすぐったくなる。おかしくて笑いたくなる
「鼻が—・いでをかしきぞ」〈沙石集・四〉