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二十一から二十五
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戻り雨 今朝の祈祷は雅帯び 闇這う時の裂け目ありとも
もどりあめ けさのきとうは みやびお(び やみはうときの さけめありとも)
22
囲碁の間の嘗ての駒で意思示し 強いて孫の手 束の間の恋
いごのまの かつてのこまで いししめ(し しいてまごのて つかのまのこい)
23
軽く舞い戦う女苦役解く厄難謳歌只今来るか
かるくまい たたかうおんな くやくと(く やくなんおうか ただいまくるか)
24
形見なる 武家も常の世 見限りき 神代のことも 煙る涙か
かたみなる ぶけもことのよ みかぎり(き かみよのことも けぶるなみだか)
25
道標 待て路地裏で 髪留めと 身がてら後ろ 手まえる七味
みちしるべ まてろじうらで かみどめ(と みがてらうしろ てまへるしちみ)