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十六から二十
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香る里 戻る死の待つ 気凪ぐ獄 亡き妻の知る と去る丘
かおるさと もどるしのまつ きなくご(く なきつまのしる ともとさるおか)
17(18‘(350→400))
君のみや野辺に小松を挽きに来に機微を妻子に家の闇の御酒
きみのみや のへにこまつを ひきにき(に きびをつまこに へのやみのみき)
きみのみや-のへにこまつを-ひきにゆく-われもかたみに-つまむわかなを
後撰集
天暦九年-天徳元年(955-957年)
巻一:春上 作品七
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映える笑み 幟が暴く その印 覗くは灯 仄見える画は
はえるえみ のぼりがあばく そのしる(し のぞくはあかり ほのみえるえは)
19
見る雪と残れば木々の涙歌 皆の疑義晴れ この時緩み
みるゆきと のこればきぎの なみだう(た みなのぎぎはれ このときゆるみ)
20
来る冬の登山道晴れ 丘の地の 香れば饂飩 里の湯旧く)
くるふゆの とざんどうはれ おかのち(の かおればうどん さとのゆふるく)