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ふわふわランド

 わたしは何度か言っているが無性愛者である。人を恋愛対象に見られないし、性的対象でもない。そもそも性欲がないのだから恋愛ドラマなどが受け入れられない。なぜ接吻をしたらハッピーエンドになるのか、肉体関係に発展したらゴールなのか、わからない。


 そんな自分たちには現実世界とは離れたところにある所謂サンクチュアリが必要な気がする。LGBTの街といえば新宿二丁目だが、世間一般でいうところのLGBTは【同性愛者】に重きが置かれている。つまりはどこまで行ってもわたしが苦手とする性愛が絡む。


 Twitterで似たような環境を作ることはできるかもしれないが、センシティブなアカウントからDMやフォローが飛んできたり、既婚者や恋愛真っ只中の人間の愚痴や惚気が飛んできたり、わたしはひたすらペットだけ見ていたいんじゃと思って頑張ってブロックしても、最近のTwitterはブロック貫通してくるので意味がない。


 TwitterではないSNSで色気のない話ばかり受け取るようにすればいいんじゃない? と思っていろいろ試すが、Gravityはまず男女どちらかを選択し、そのアバターで生きていかねばならない。無性別のわたしにはいまいちだった。その上、『恋愛の星』というトピックがあって、その星をフォローしていないのにめちゃくちゃ見せつけてくる。気持ち悪い。


 最近話題のくるっぷくんに登録しているが、たしかに色気はない。創作者向きだから自分のプライベートを話す人がいない。しかしその創作物が恋愛モノだとアウトなのだ。


 わたしの創作は恋愛モノではない。耽美系だ。たしかに性は絡むこともしばしばだが、人間の生々しい描写はしたくないのでしていない。それに、わたしの作品に出てくる『恋をしている人』は性的接触はもちろん、触れることだって望んでいない。わかるだろうか、手も繋ぎたくないのだ。精神的な愛。


 そこでわたしは『ふわふわランド』というサンクチュアリを考えた。


 そこでは、下品なテレビも、偏向報道をする新聞もなく、退屈なラジオもない。そこには無性愛者しか入ることが許されず、喫茶店のようなこぢんまりとしたものだ。BLもGLもヘテロもなく、そこにはただ他人の体温を感じたくない人々が集う。娯楽は、ペット、車、バイク、読書、キャラクター、手芸、イラストなどなど、各々の好きなものを独自のSNSで発信する。そのSNSには変なbotもないし、ひたすら愚痴を呟いてるガキもいないし、みんなそれぞれの趣味を尊重しあっている。ポルノ系のものも一切ないし、いうなれば、大人の幼稚園のようなものだろうか。本当の愛はそこにある。性や恋が絡まない隣人愛で生きていけるならそれでいいじゃないか。


 Aセクランドと呼ばれることは必定だが、それではあまりに差別的ではないか。たしかにアセクシャルにしか受け入れられない場所ではあろう。しかしアセクシャルも人間だ。日々の現実世界での恋愛至上主義に疲れきっている。


『ふわふわランド』では家に縛られることもないし、結婚しろ子供を作れと言ってくる人もいない。好きなアニメの薄い本が軒並みBLで地雷になってしまった人も気軽に来ていい。出会い目的でない上に、もちろんヤリモクもいない。まっくら森のように、必要とする人の前にだけ現れる不思議な空間。


 そこには子どももいるかもしれない。周りの子が彼氏だの彼女だの言って薄っぺらい『恋愛』を繰り広げているのにうんざりしている子もいるだろう。かつてわたしがそうだったように。


『ふわふわランド』は残念ながら全員には優しくないかもしれない。アセクシャル特化型サンクチュアリだから、本当に恋愛至上主義に疲れきっている人にしか優しくできる自信がない。下ネタマンには厳しいし、下品なことを口走っただけで出禁になると思う。わたしがそういう人苦手だから。


 ここまで書いてなんとなくわかってきた。わたしは庵を結んで隠居したい。プライベートで他人との関わりなどもうやってられない。そこにはうっすら下心がある。どんな関係でも。わたしはそれが耐えられない。


『ふわふわランド』が本当にできたなら、わたしはそこで静かに暮らそう。すべての現実世界での足取りを消して。

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