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その先へ、、、


刀身を流れ落ちてくる暖かな温もりに私は絶句した。私を見下ろす楽しげな顔。悪戯が成功した童の様に笑い、私の頬に触れる指先は温もりを失っておられたのだ。

「なにをっ・・・何をなさっておられるのですか⁉︎」

「役目を果たせと申したであろう」

刀身にかかかる重みに私は言葉を失ってしまった。どうしてこうなってしまったのか⁉︎考えを巡らせてみても答えは遠退いていくだけで、震える手を抑えるだけで精一杯だったのだ。

「これで良い。これで良いのだ、光秀」

信長様はそう言葉にされ、後ろへと倒れられました。刀からズルリと抜ける重みに恐怖し、崩れ落ちる体を抱き止めました。その余りの軽さに、驚きと共に偉大さを知りました。

「すまぬ、光秀」

「・・・・・・・信長様」

失われていく温もりを何とか留めようと傷口を押さえたものの、信長様はそれを拒否される様に私の手を握られました。

「お主に一番辛い役目を押し付けてしまう」

「・・・それは、どういう」

信長様は私の手を固く握られました。

「お主は裏切り者として名を残す事になるだろう。それはわしの我儘だ。許せ」

お考えが解らずに首を振る私に信長様は目を細めて笑われました。

「わしの様な者が天下を取ってはならぬ。だから誰かに討たれねばならぬのじゃ」

「何故です⁉︎その為に今まで苦労されてきたではありませんか‼︎」

「魔王では、、駄目なのだ。血で血を洗う様な者が人の上に立ってはならぬ。だがお主でも、秀吉でもないのだ。恐らく、家康ならばやり遂げるじゃろう」

城は轟々と燃え盛っているのに、足に伝い落ちた血は、少しずつ温もりを失っていかれました。私は信長様の言葉を聞き逃さぬ様にキツく抱き締めて、少しでも長く共にいる時間を稼ごうと足掻きました。

「だからこれは、わしの我儘じゃ。秀吉でも家康でもなく、お主に討たれたかった。わしを裏切り、殺した男と言われ続ける事になると解っておったのにの」

「では、私は討たれれば宜しいのですか?」

私の言葉に信長様は何とも言えない顔をして“すまぬ”と謝られました。

「私は何処までも信長様と共に語られるのですね」

「そうじゃ。お主はわしの首を持って凱旋せよ。魔王は討ち取ったと」

これ程嬉しい事は御座いませんでした。信長様は共に語られる相手に私を選ばれたのです。秀吉殿でも、家康殿でもなく、私を選ばれた。それは確かに死を意味する事になりますが、名誉以外の何物でも御座いません。この何ヶ月もの間私に辛く当たり続けられたのはこの為だったのですね。

「直ぐに参りますので、少しの間地獄でお待ち下され。この光秀、何処までも信長様と共に参ります」

そう私が笑うと、信長様は安心した様に目を閉じられました。ズシリと重くなった体を抱き上げて、私は地下の爆薬庫へと向かいました。

信長様はこの首を持って凱旋せよと申されましたが、髪の毛一本であろうと誰の目にも触れさせる気にはなりません。

「信長様はこのまま吹き飛ぶ方が相応しい」

私は信長様を床へ寝かせ、その身に漆黒の羽織をかけました。お気に入りの羽織を共に地獄へ持っていける様に。

「信長様。地獄で、、、地獄でお逢いしましょう」

私は踵を返して崩れ落ちる城を出ました。その後は皆が知るままで御座います。

信長様のお考え通りに今も私は信長を殺した男として語られております。それは確かに不名誉な肩書きではありますが、私だけは知っております。

信長様のお考えを、信長様の思いを、信長様の愛を、私は知っております。



「光秀、征くぞ!」

「直ちに!」





誰もが知る歴史の裏には、個々の知られざる心があるのかもしれません。全てが書物や逸話で解るとは限りませんよね?

貴方ならどう考えますか?



な〜んて、

こうだったらいいなぁ〜と言う、

腐女子の願望です。













大好きなお笑い芸人さんの

MVを見て突発的に書きました。

お二人ともカッコよくて、

特に殿が、、、、

と、私の戯言でした。


読んで下さりありがとうございます‼︎



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