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【56】聖女様と初恋(4)


わたしはジャンの胸ぐらを掴んだまま


「そんなんじゃ!わたしを守れない!

ううん!守って欲しくない!

バカバカバカバカバカバカバカバカ!!!

バカジャン!!!!」


ジャンをずっと揺すっていた。

ジャンがバカすぎて……

なにも分かってなくて……


悔しくて悔して……


涙が止まらない



「ゴメン」


ジャンがそんなわたしを見て、急にシュンとして下を向いた


「謝る相手を間違っているよ!

こんなにみんなに迷惑かけて!

御領主様には、凄い失礼な事をしたんだよ?

分かってるジャン?

あんたの仕出かしたこと?

他の御貴族様だったら、あんた殺されていても文句は云えないよ!

それどころか、普通こんなことを仕出かしたら、あんたもわたしもジャンの家族も無事じゃすまないんだよ!」


ホントそう!


ここで粋がっても得るものなんて何もない。

むしろ命を失う羽目になる


「わたしも一緒に謝ってあげるから、何度も許して貰うまで謝るから、ね」

「……分かった。でも……アイラはいい。

これはボクが悪い。良く分からないけど、凄く格好悪いって分かった」


そしてジャンはアーサーの方を向き、土下座をした


「オレ……ぼ……ボクが悪かった。

アイラは悪くない。

ごめんなさい。

許して下さい」


そんなジャンを冷たい眼差しで見つめるアーサー


「ジャン。アイラの言うとおりだ。

普通なら君の首はもう、胴体から離れているだろう。

君にも家族がいるのだろう?

今までの君の行動は、君だけではなく家族も殺すことになる。

だが今回だけは許してやる。

アイラに免じてだ。

メリアベル!」


「は!」


メリアベルが地面に片ひざを付き、アーサーの足元に控えた


「この少年を家まで送ってやれ。

ナアナアには出来ない。

両親の前でコイツの仕出かした事!

みっちり言い聞かせろ!

なんなら親父さんに殴らせろ!

二度とこのような事が無いようにな」


そしてジャンはメリアベルさんに連れられて家を出ていった。


それを見届けたアーサーは、わたしに手を差し出した。わたしはアーサーに引っ張られて立ち上がった。


でもアーサーの手はわたしの手を握ったままだ


「アイラ。今日の勝者は君だ」

「御領主様。お心遣いありがとうございます。

後でわたしもジャンにみっちり言い聞かせます」


「不敬罪にするぞ?」


「えっ?ジャンを許してくださるのでは?」

「あのガキではない。君の方だ」


「えっ?なんで?でしょうか??」

「敬語禁止」


「……あっ……」


アーサーが悪戯っぽく笑う。

そしてわたしも釣られて笑ってしまった。


わたしは気が抜けて、へなへなとその場にへたり込んだ。

アーサーはそんなわたしを、また助け上げて


「興が醒めたね。仕切り直しといこっか」


わたしは誘導されてテーブルの椅子に座らされる。

アーサーはそんなわたしの隣に座り、じっとわたしを見詰めている


「な……なに?なにか……顔に付いてるの?」

「うん。まあね。眼鏡がね」


眼鏡?この丸眼鏡のこと


「あれだけの頭突きかまして、良く落ちなかったな?と思ってさ」

「わたしと似て、しぶといんです」


「ははっ!やっぱり面白いや!凄く気に入った。

ねぇアイラ。さっそくだけど、願い事使わせて貰うよ」

「え?もうですか?いいけど……嫌だったら断るからね」


「もちろん。そうしてくれ」

「で……願い事ってなに?」


アーサーはじっと見つめる。

わたしは恥ずかしくなって顔が熱くなる


「で……願い事って……なんですか?」

「キス」


──へ?


「勝利のキスをして」

「……………………」


わたしは固まってしまった


「嫌?」

「嫌……じゃ無い……わ……します」


「じゃ。ここに。熱い抱擁付きでお願い!」


アーサーは唇を指差す


──え!口付けじゃん!


ダンジョンでジャンのお父さんにしたのは、やむにやまれぬ緊急事態ということで、わたしの中ではノーカン扱い。

で……これは


「わたしの、……初めてのキス」

「ホント?嬉しいね。じゃあ。さっそく」


アーサーは立ち上がると両手を広げた


「さあ。ボクの女神よ!願い事を叶えたまえ!」


わたしはアーサーと向かい合って


「熱い抱擁……抜きで」

「ダメ」


「みんなの前じゃ、恥ずかしいよ」

「勝利は皆と分かち合うものだろう?」


上手いこというね


「キス以外は?」

「ダメ……往生際が悪いよ。

それと……眼鏡取ってくれないかな?」


──眼鏡?眼鏡とったらバレる


訳無いか?


「嫌だけど……」

「嫌なことはしたくないけど、これは半強制。

ジャンを許してあげただろう?

親父の鉄拳付きで……」


「分かったわ」


わたしは眼鏡を取る。

アーサーはわたしをポーと口を半開きで見詰めて


「……綺麗だ」

「へ?」


「もう……誰にも触れさせたくない」



そう言うとわたしに抱き付き、熱い口付けをした……。







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[一言] ませた13歳やな(笑) それセクハラ・パワハラやで!
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