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【96】聖女様の秘密(5)


黒々とした巨体。


弓のように広がった太くて大きな角。


黒々とした牛の化け物。


跳ね飛ばされる騎士!


そしてオルフェルが剣を抜き身構える。



ドゴン!!



変な音がしてオルフェルが宙を舞う!



「いゃーぁああ!オルフェル様ぁああああ!!!」



「しっかりして。ラフィーネ。ぼくはここにいる」



──えっ?



わたしは目を開ける。


天井が見える。


まだ見慣れていないけど……わたしの部屋


「ラフィーネ。目覚めたかい?」


オルフェル様が顔を覗かせる


「ずいぶん、うなされていたようだね……」

「オルフェル様……」


「ああ。ぼくだ。オルフェルだ」


わたしは布団を撥ね飛ばし、オルフェルへ抱き付く


「大丈夫ですか?お怪我はありませんか?

それと……これは夢ですか?」

「ラフィーネ。夢じゃないよ」


本当だ……。オルフェル様の温もりが心地よい


「良かったです……。わたしてっきりオルフェル様が酷い目に合ったと思って……」

「ぼくは平気です。何ともありません」


「あ!あの……魔物はどうなったのですか?」

「みんな消えてしまいました」


──みんな消えちゃったの?


「では……お怪我なされた方々も大勢いらしたと思うのですが……あの恐ろしい牛さんに飛ばされた騎士の方もおりましたし……心配です」

「みんな大丈夫です。

不思議な事が起きました……」


そしてオルフェル様は領都全域を覆った不思議な光のことを教えてくれた。光に包まれて気が付いたら数百体もいた牛の魔物は消え去り、怪我や死んだ人まで治ってしまったと言う


『あの魔法……絶対聖域(サンクチュアリ)にはそんな力もあったんだ……』


それだけではない。領都全域に聖なる波動も感じる。これはきっと初めに唱えた魔法[ホーリーフィールド]と同じ効果


でも……何でわたし……こんな魔法が使えるのだろう?


あの不思議な光のお姉さんが教えてくれたのかな?


けれどあの光溢れる世界で、お姉さんが言ったことを思い出した


『これは秘密。魔王が近くにいるから……』


──魔王ってなんだろう?


わたしの近くににいるのかな?


でも良かった……あのお姉さんが不思議な力をわたしに授けてくれて……そのお陰でみんな助かったんだ


「ラフィーネ。泣いているのかい?」


ええ……嬉しくて……涙がとまりません。

みんな無事で……何より……


「オルフェル様にまたこうして会えて……とても嬉しいです」


「あらあら。お熱いわね。さすが新婚って言ったところかしら?」


──えっ?!この声ってまさか!


声のする方へ首をねじ曲げると、そこには国王夫妻がわたしとオルフェルを微笑ましく見ていた。一瞬で固まり目が合ったまま動けないわたしへ王妃様はニコッて笑って


「わたくし達も昔はそんな時代があったのよ。お互いにウブだったわ。でも今も捨てたものじゃないのよ」

「だが。今は夫婦と言うよりも同士と云ったところだな。個人の幸せより国益を共に選択してきたからな。もはやお互いに裏も表も知り尽くした間柄だ」


わたしは話が入って来ない。

なぜなら薄手の寝巻きで、結構恥ずかしい状態で動くに動けず、挨拶すら儘ならない。


オドオドしていると、察してくれたのか国王陛下が


「これは失礼。我々は王都へ帰るのでな。一目、ラフィーネ殿の可愛い顔を拝んで帰ろうと思ってな」

「丁度顔を出したら(うな)されていてね。オルフェルがあやしていたところに出くわしたって訳。

そのまま抱き付いていらして、結構ですわよ」


──そんな訳には!


いかないと思いつつ。ついつい御言葉に甘えているうちに、国王夫妻は帰ってしまった。

それと……驚いたことに!わたし丸二日も眠っていたみたい!


今はお昼過ぎ……当然……



ギュルルルルルルルルルル



お腹の虫が盛大に鳴ってしまって、オルフェルにクスッと笑われました。



そして夜……



わたしは自分の寝室に寝かされていたけど、寝つけずにいたら隣の部屋から人の気配がしたので、ノックする


「ラフィーネ……どうしたの?眠れないの」


ドアが開いてオルフェルが顔を出す。

それもあるけど……


「わたし……オルフェルと一緒に寝ても良いですか?

あんな事が起きたばかりで……不安で……」

「もちろん……さあ……おいで……」


そしてわたしはオルフェル様の寝室の、大きなベッドに誘導されて……


「ひゃっ!」


いきなり抱き抱えられ、ベッドに寝かされて、ポスポスと優しく布団の上から叩かれる


「あの……今日も手を……繋いでも良いですか?」

「喜んで……」


隣に寝ているオルフェル様は手を繋いでくれた。手を優しく握ってくれている。でもちょっと物足りない……。

一応夫婦なのだし……愛し合うのはまだ先だけど……ちょっと勇気を出して


──えいっ!


オルフェル様の手を両手で胸に抱いて、反転!

オルフェル様の体に密着!とまではいかないけど、なんと無く体がふれ合う


「あの……迷惑でしょうか?不安で……」


尤もらしい言い訳を連ねるとオルフェル様。

わたしを包み込むようにハグしてくれたの。



そしてそのまま……深い眠りに……。






これで[秘密]パートが終わりました。

もうラフィーネをレイアや聖女として認識されたようです。でも肝心の本人がアレじゃあ……ね。

先行き不透明です。



次回は[招かざる客]パートになります。

完全に物語から浮いてるアイツがやって来ます。

そして……。

懐かしいあの白豚親子に忍び寄る影。


美少女から白豚令嬢に成り下がったあの娘の運命やいかに!

でもね。バリバリR15案件ですから、気を付けてお読みください。


もし続きが気になったり面白いと思ったら、

広告後ろの☆☆☆☆☆を★★★★★して頂けると嬉しいです。


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― 新着の感想 ―
[良い点] あらあらラフィーネちゃんってば積極的ね。 まあ不安要素もあるから仕方ないね。 お幸せに。 [一言] さてさて次話から制裁のお時間かしらね。 数年経ってあの豚姫が豚のままなのか、 果たして痩…
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