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技の特訓


 あ、やっぱりもういる。


 「もう!修くん。今日は私の相談の日でしょ! 遅いよ!」

 「悪い悪い。ちょっとな」


 「むぅー、ちょっとってなに。どこで道草くってたの? ただでさえ平日の放課後は時間が限られているんだから。理由によってはまた怒っちゃうかもよ!」

 「だからすまんって。ちょっとこれをな。美優紀はこのキャラ好きだろ?」


 「うわぁ!ぬいぐるみ。うん。好き! でも何で!?」

 「いや、まぁ帰り道にたまたま目に入ってな。それで取ってたってわけ」


 「す、すっごく嬉しい!ありがとう。ふふ、大切にするね!やった! 嬉しい」

 「お、おう」


 「あれ? でも修くんの帰り道にゲームセンターなんてあったっけ.......?」


 「と、ところで今日はどんな相談だー?」

 「あ、そうそう。今日はね」


 あ、危ねぇ。

 念の為にこっちもゲットしておいて良かったぜ.......。

 セーフ。

 ふっ、本命が中々取れなくて時間がかかりそうだったから、普通に取りやすかったこっちも遅れた時の保険でな。


 「新しく覚えた技が男の子に通じるか試したくてね。今日も練習台のお願いだよ!」

 「はぁ......また今日も実験台か」

 「うん!」


 くっ......結構これ体力使うんだよな。

 適当に『男を堕とす技を身につけて磨け。達也は生半可な技術じゃ堕ちないぞ!』なんて言ったあの時の自分を恨む。

 一体、いつもいつも美優紀はどこで技を習得してくるんだよ。

 最近、さらに実験台にされる頻度が上がったぞ。


 「って、お、おい。そういうことだろうけど、そういうことなのはわかるけど、いきなり何してんだよ。さすがにここでこれはまずいだろ」

 「えー? ふふ、でもすっごく自然じゃなかった? 今の恋人つなぎへのもっていき方.......」


 し、しかもここでこいつの得意の上目遣いか。


 「い、いや自然かもしれないけど、さすがにこんな公衆の面前でこれは。高校の奴等に見られるかもしれないし、万が一あいつに見られたらどうするんだよ。お前」

 「ふふっ、大丈夫だよ。大丈夫。だって達也くんは今部活中だし」


 「い、いや例えそうだとしても他の奴等にあらぬ噂を流されでもしたら.....」

 「ん? 別にいいよ。私は修くんなら.......。別に」


 「え?」

 ど、どういうことだよ。それ


 「修くんなら.....。勘違いされても私はいいよ」


 し、しかもそんな真剣な目でじっと、お、俺のことを見つめながら.......


 「って、ふふふっ、修くん。顔真っ赤じゃん。今の効いた? ねぇドキッとしたんでしょ! やった成功だね!」


 「は、はぁ? ど、ドキッとなんかしてねぇし。何言ってんだ。調子のいいこと言ってんじゃねぇ。俺がお前にドキッとするわけがないだろう。た、達也ならまだしも俺だぞ。い、今まで何があっても硬派一筋だった俺だぞ。ねぇよ!ねぇから!」

 

 ど、ドキっとなんか、す、するわけないだろうが。

 か、か、顔だって赤くなんてなってねぇよ。


 「ふふ、ざんねん。じゃあもっともっと練習しなきゃね」

 「そ、そうだ。こんなんじゃ俺は全然。何もねぇ。何も感じねぇよ」

 「はいはい」


 「と、ところで実際、達也はお前の技にどんな反応なんだよ。忙しい中これだけ俺がつきあってやってるんだ。当然効果でてるんだろうな?」

 俺がこれだけ身体張っているんだ。さすがにちょっとは


 「ん? まだ使ってないよ?」


 「は?」

 使ってない?


 「な、何でだよ.......。いや、おかしいだろ」


 「ふふっ、だって私、ゲームとかでも昔からラスボスには最大までレベルを上げてから挑むタイプだから。まだまだ練習が足りないよ。特に修くんをドキドキさせられない内はそんな、達也くんなんて絶対に無理だよ」


 「いや、それはそれでどういうことだよ.....。」

 誰が雑魚だ。コラ。


 「え? じゃあやっぱりさっきのドキドキした? ふふっ」


 「は? だ、だからしてねぇって言ってんだろ!!!」 

 

 こ、こいつはマジで.....。 

 してねぇ。ほ、本当にしてねぇ。してねぇから。

 ふ、ふざけんなよ。うん。し、してねぇ。



 「はいはい。じゃあもっと特訓だね!」

 「お、おう.......の、望むことろだよ。かかってこいよ」 


 「じゃあ次はね――――――」

 

 

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 達也狙いではないことを明言しないことに違和感が… 自分から告白はしないルール、謎に達也狙いに見せかけてることが、小説の都合でずっとこの関係を続けるための無理のある設定に思えてしまいます…
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