表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
猫とともに  作者: 夢葉 転生
一章-冒険者育成学校
1/2

1話-祈りを捧げて

「異世界の神様、どうか俺の願いを聞いてください。この世界に未練はありません。異世界に行かせてください!なんでもしますから!」


 はあ。

 深いため息をつき、高校を卒業してから寝る前に欠かさず行なっている祈りをすませ、何の神様かも分からない神様の写真を飾っている棚の前から離れて窓の外を眺める。


 もう20歳か…。


 もう…20歳…か。


 あああああああ!年取るわー!


 高卒で就職してサラリーマンをしているが、生きる事につまらなさを感じている。


 ボーっと窓の外を眺めながらゲームの世界、読んでいる漫画の世界で生きていけたら楽しいんだろうなー、なんて考えていると、一緒に住んでいる猫が足に擦り寄ってきた。


「よしよし」と言いながら抱き抱える。


 にゃーにゃーと言いながら甘えてくる。


「ププ、俺が異世界に行ったら一緒に来てくれるか?」


 ププは俺の顔をジッと見ながら「にゃー」と返事をした。

 これは来てくれるって事かな、なんて思いながらププを撫でる。


「さて、そろそろ寝るか」


 ププを下ろしてベッドに向かう。


 仕事で溜まっていた疲れもあり、布団に入るとすぐに寝てしまった。


「…さい…きな……い!」


 なんかうるさいな。


「おきなさい!」


 バチィン!


「いった!」


「やっと起きたわね!」


 状況が飲み込めずジンジンする右頬を押さえて目をパチパチさせていると、目の前には、白髪で金色の目をして、全身真っ白の服を着ている人が「あなたの願い叶えてあげる」と言った。


「願い?」


「そうよ、あなた女神である私に祈りを捧げてたじゃない。毎日毎日異世界に行きたい!って。だからこの私が管理している世界にあなたを招待してあげるの」


「え…ほんまに?」


「もちろん」


「っしゃあああああ。勝ち組やー!で、どんな世界なん?魔法とかあんの?冒険者とかは?モンスターとかは?」


「落ち着きなさい。魔法…あるわよ。冒険者…もちろん。モンスター?たっくさん!まあ、実際に見て世界を知りなさい。あなた20歳よね?向こうだと成人が16歳だからあなた16歳で送るわね」


 へぇ、成人が16歳とか魔法、冒険者、モンスター…異世界臭がビンビンや!


「あなたは貧弱すぎるからある程度身体強化はしておくわね」


「誰が貧弱や!それより頼みがあるんですけど、俺の家族を連れて行くことは出来ませんか?」


「家族?」


「はい、ププって名前の黒猫です」


「うーん…あなたと暮らしてるメス猫よね?...そうね、あなたの魔法って事にして許可します。なんせそろそろ魔王の目覚めの時期だし」


「え?」


 最後の方が聞き取れなかった。


「許可しますって言ったのよ。気にしないで!じゃ、早速ゲートを開くわね」


 女神が指を鳴らすと白く光るドアが出現した。


「おお…」


「そのドアの前に立って自分の名前を言い、ドアを開けなさい。そうすればあなたは住む世界が変わるわ」


橘隼人(たちばなはやと)行ってきます!」


 ドアノブに手をかけ勢いよく開く。


 俺は白い光に包まれた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ