第10Q 友情、絆
「やはりニートと戦う運命なんだわ!?」
いよいよ渋子とニートの最終決戦が始まる。
「俺の嫁になれ! 光栄に思え! 渋子! おまえはニートの嫁に選ばれたのだ! 学校も会社にも行かないから、朝から晩まで一日中ニートの俺様に愛されるのだ! 幸せに思え!」
社会的常識のないニートは渋子を嫁に選んだ。
「嫌よ! 誰がニートなんかの嫁になるもんですか! 汚らわしい! ニートの分際で結婚しようなんて、4000年早いのよ!」
ニートの求婚を渋子は拒否する。
「なら力づくで手に入れるまでだ! 出てこい! 外に出てこい! 揺らしてやるぞ!」
「うわあああー!?」
ニートが渋子の家をグラグラと揺らし始める。思わず渋子は家の中で転がってしまう。
「クソッ!? ニートめ!?」
渋子はニートに怒りの炎を燃やす。
「あれ? 揺れが収まった。」
ニートが揺らしていた渋子の家の揺れが、いきなり止まった。何があったのかと渋子は窓の外を見てみる。
「ああー!? みんな!?」
なんと渋子の仲間の死んでしまった、ソウちゃん、シバちゃん、アーちゃん、ノブちゃん、ジャーちゃん、パルンちゃんの魂が現れて、ニートの動きを封じ込んでいる。
「待たせたな! 渋子!」
「ソウちゃん!」
「我々の肉体は死んでしまったが、魂は、いつも渋子と一緒だ!」
「シバちゃん!」
「こいつは私たちで抑える!」
「アーちゃん!」
「早く現世に帰れ! 渋子!」
「ノブちゃん!」
「帰ったら我々の体の復元を忘れるなよ!」
「ジャーちゃん!」
「泣くなよ。早く帰ってもらわないと、ログアウトを盗んだ意味がなくなるんだけどな! ケッケッケ!」
「パルちゃん!」
渋子のピンチに仲間がたちが助けに来てくれた。
「こんなに嬉しいことはない。ありがとう! みんな!」
渋子は仲間たちの友情と絆に感動した。そして心の中がスッキリした渋子はログアウトのボタンを大きく掲げる。
「やめろ!? 逃がさないぞ!?」
ニートは渋子に恋しているので逃がしたくはないので必死に抵抗しようとする。
「そうはさせないぞ! いくぞ! みんな!」
「おお!」
渋子の6人の仲間たちがニートの動きを全力で防ぐ。
「また、会おうな。」
笑顔で渋子がログアウトをポチッとなと押す。その瞬間、渋子はゲームの世界から姿を消すのであった。
つづく。




