第4Q 死なない
「きっと、ソウちゃんなら大丈夫。」
渋子はニートの相手をソウちゃんに任せ先に進んだ。
「ソウちゃんは、アーちゃんとは違う。絶対に死ぬものか。アハッ!」
自分に言い聞かせていた。渋子はアーちゃんを失った時の様な悲しみを味わいたくないのだ。
「そうだ! 私は私のやるべきことをするんだ! 私がログアウトを持ちかえれば、こんな戦いは終わるんだ! 私が、私が、私が、この戦いを終わらせるんだ!」
嫌なことを忘れたい一心で前に向かって進んで行く。
「渋子姫!」
「シバちゃん!?」
一人で彷徨い走っている渋子の前に、仲間のシバちゃんが現れた。
「ご無事でしたか、渋子姫。」
「シバちゃん!」
感極まってシバちゃんの胸に飛び込む渋子。
「ど、ど、どうしました!? 渋子姫!?」
「アーちゃんが!? アーちゃんが!? うええええええーん!!!!!!!!」
やっと泣けた。戦闘中ではないシバちゃんとの出会いで渋子は涙を流して泣きまくった。
「大丈夫ですよ。アーちゃんも私もAIですから、死んでもお姉さんの日向様に、もう一度プログラムをしてもらえば、直ぐに復元できますから。」
「ほ、本当?」
「はい。ただし、日向様がバックアップをちゃんと取っていればの話ですが。」
「お姉ちゃん、いつもどこか抜けてるからな。アッハッハッハ!」
シバちゃんの気さくさに渋子の顔に笑顔が戻る。
「やっと笑顔が戻りましたね。」
「あ、本当だね。アハッ!」
渋子の表情が明るくなった。泣いていた心が前向きになったのだ。シバちゃんという友達に励ましてもらって渋子は元気を取り戻す。
「さあ、先に進みましょう。私は死にませんから。」
「うん・・・・・・!?」
血が飛び散る。シバちゃんの血が。何かにシバちゃんが撃たれた。死なないといったばかりのシバちゃんが撃たれて倒れ込む。
「シバちゃん!? シバちゃん!? イヤー!!!!!!!!!!!!!!」
目の前で倒れたシバちゃんを見て渋子は動けない。また仲間の死に渋子は気が狂いそうに発狂する。
つづく。




