第2Q アーちゃんの最後
「おまえはもう死んでいる。」
ニーシロウのフィニッシュのアッパーカットが決まり、アーちゃんは吹き飛ばされる。
「うぎゃー!?」
吹き飛ばされるアーちゃん。
「アーちゃん!?」
渋子はアーちゃんに駆け寄ろうとする。
「おい、どこへ行く。次に死ぬのは、おまえだ。ニート様に歯向かったことを後悔するがいい。」
しかし、アーちゃんと渋子の間にニーシロウが邪魔をする。
「そこをどいて!? アーちゃんが!? アーちゃんを助けないと!?」
渋子は必死にアーちゃんを助けるために藻掻く。
「気にするな。おまえはここで死ぬ。直ぐに仲間に会わせてやる。」
「キャアアアアアアー!?」
ニーシロウの魔の手が渋子に迫る。
「なに!?」
「アーちゃん!?」
その時、ニーシロウの背後からアーちゃんが現れてしがみつく。
「バカな!? おまえは確かに殺したはず!? なぜ生きている!?」
自身の最強の拳が防がれて戸惑うニーシロウ。
「私もダメかと思ったが、こいつが私の命を助けてくれたのだ!」
「エクスカリバー!?」
折れてしまった聖剣エクスカリバーがあった。ニーシロウの攻撃からエクスカリバーがアーちゃんを守ってくれていたのだ。
「渋子! 必ずお姉ちゃんの元に帰れ!」
「アーちゃん!?」
「あなたに会えて良かったよ。」
アーちゃんは渋子と過ごした時間が好きだった。楽しいことも悲しいことも、難しい問題も共に助け合い乗り切ってきたのだ。アーちゃんも渋子に、とても思い入れがある。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおー!」
アーちゃんが命の炎を急激に燃やし、神々しい聖なる光を暴走させる。
「や、やめろ!? 俺は死にたくない!? やめてくれ!?」
「命乞いするとは騎士としては失格だな。私もおまえみたいのが道連れで残念だよ。ベヨンド・ザー・ホーリー・ライトー!ー!!!」
激しい光を放ちニーシロウを道連れに、アーちゃんは聖なる光の彼方へ旅立った。そして光は消え、その場には渋子一人だけ残された。他には誰もいない。
「アーちゃん・・・・・・アーちゃんー!!!!!!!!!!!!!!!」
初めて仲間を失った渋子の悲しみは涙となり叫ぶことしかできなかった。
つづく。




