表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
姉妹愛! 異世界デス・ゲーム  作者: 渋谷かな
87/101

ニート・クエスト

「我々の倒す敵は、ログアウトを盗んだ盗賊ニートを見つけて、捕まえて、ボコボコにして、ログアウトを取り戻すことです! 分かりましたか?」

「は~い。」

 渋子の家の作戦会議。渋子の話にソウちゃんたちはダルそうに返事をしていた。

「どうしたの? みんな? なんで、そんなにやる気がないの?」

「だってラスボス創作編に私たちは出ていない。だからみんなグレている。」

「それにラスボスを倒して、ログアウトを取り返したら、渋子姫は現代世界に帰ってしまう。そんなの嫌だ。」

 渋子の仲間たちは、出番が無かったことと、渋子と別れることになるのが悲しくて子供の様に拗ねていた。

「あんたたちって、可愛いのね。アハッ!」

 渋子は仲間たちのことを心から愛おしく思った。

「それでは、ログアウト盗賊のニートを倒しに、ニートの世界に全員で行くわよ!」

 いよいよ物語は佳境に入り、ラスボスのニートとの全面対決が始まる。

「・・・・・・。」

 しかし渋子の仲間たちからは返事がなかった。

「どうしたのよ!? みんな!?」

「嫌だ。終わりたくないよ。」

 仲間たちは私的な理由から渋子に協力することを拒否していた。

「わ、分かったわよ! なら私一人でもラスボスを倒して、ログアウトを取り戻してやろうじゃない! 本当に子供みたいに駄々をこねて情けない! あんたたち、それでも男なの!?」

「・・・・・・。」

 渋子は挑発するように強い口調で言ってみるも、ソウチャンたちから何の反応もなかった。

「私は渋子と共に行こう。」

「アーちゃん!」

 ソウちゃんたちが冒険をボイコットする中、渋子と一番多くクエストに挑んだ聖剣エクスカリバー持ちのアーサー王こと、アーちゃんが立ち上がった。

「裏切り者!」

「良い恰好し!」

 仲間からアーちゃんに対して厳しい言葉が飛ぶ。

「しょうがないだろう。か弱い渋子一人を戦場に送る訳には行かんだろう。」

「アーちゃんありがとう。」

「がんばって、ログアウトを取り戻そう。」

 渋子はアーちゃんを仲間に加えた。

「では、諸君! 行ってきます!」

 渋子とアーちゃんはニート・クエストに旅立って行った。

「ふん! アーちゃんは分かっているのか? ログアウトを取り戻したら、渋子はいなくなっちゃうんだぞ!?」

 ソウちゃんたちは不貞腐れて動こうとはしなかった。

「あんたたち何を言っているの?」

 その時、天才ゲーム・プログラマーの姉の日向からの神の声が聞こえてくる。

「この物語は10万字書き終えたら終わりよ?」

「なにー!? 謀ったな!?」

「こうしてはおれん!? 直ぐに渋子の後を追わねば!?」

「出番が減る!? 急げ!?」

 ソウチャンたちは慌てて渋子の後を追った。

 つづく。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ