ラストQ みんなの叡智を一つに
「今回のクエストはラストのストーリー展開を考えることです!」
渋子はソウちゃんたち6人を集めて渋子の家で会議を開いている。
「はい! 題材は何にしましょう?」
ラスボスのストーリー展開を知恵を出し合って考える。
「これも日向様のためだ!」
「がんばるぞ!」
「おお!」
いつの間にか、ソウちゃんたちは姉の日向の親衛隊になっていた。
「ありがとう。みんな。」
感激する日向。
「この裏切り者ども!?」
絶叫する妹の渋子。元々は渋子の友達であったが、姉の日向のカリスマ的なオーラに渋子の元を去って、みんなが日向の味方をした。
「もう異世界ファンタジーというだけではウケない!」
「異世界転生ブームも飽きた! 終わりだ!」
「現代ドラマもウケない!」
「毎回、同じことの繰り返すの周回ドラマばかりだ!」
「ウケが必要だ! 面白くなければ売れない!」
「私たちが主役の新作でいいんじゃない?」
アーちゃん以外の知力は90以上で優秀と思われる。知力100は三国志の諸葛亮孔明位だが、渋子の友達にコウちゃんはいない。
「結論を発表します!」
「ゴクンッ。」
遂にみんなの叡智を結集した結論が発表される。
「新作は! 現代ファンタジーです!」
これがみんなの叡智を結集して真ん中をとった結論である。
「げ、げ、げのキダタロー!?」
「違う! 現代ファンタジーだ!」
新作のジャンルは、現代ファンタジーに決まった。
「なぜに!? 現代ファンタジー!?」
みんなの質問が集中する。
「1つ目、まず現代時代において、巨大ロボはウケない。プラモデルも売れてない。メカニックデザインをどうする? CG制作費が高い。よって、却下します。」
某テレビの頭のデカイ女の子5才と同じ理由である。
「まあ、巨大ロボは、どうでもいいや。」
ソウちゃんたちの作品に巨大ロボは出ていないので気にしない。
「そうか、私の時代は終わったのだな。」
赤い炊飯器のジャーこと、ジャーちゃんは遠くを見つめる。
「2つ目、異世界ファンタジーも、そろそろウケない。ほぼ異世界ファンタジーはアニメにしかならない。後はお金持ちの失敗したくない監督がCG使って作るだけのお金のためだけの映画にしかならない。」
アニメの実写化で良い出来の作品は、ほぼない。監督と出演者、出演者のファンが喜んでいるだけだ。多くのアニメのファンはガッカリしているだろう。アニメ映画の声優に芸能人の棒読みを使うのも、広告塔という理由は分かるが作品のクオリティーを下げている。業界の無言のルールなのだろう。
「3つ目、製作費を安く抑えるためにも、実写ドラマ化されるためにも、現代ドラマの方が妥当。そして何よりも高校生主人公の現代ファンタジーがアクセス数が跳ねたから、対象者を10代で、作品内容も10代にしよう。」
つまり最初から決まっていた。出来レースってこと。
「あのラスボスのストーリー展開を考えるんじゃなかったの?」
日向は一人だけ話の輪の中に入っていけなかった。
つづく。




