反省会、怪盗パルン三世
「ただいま! アハッ!」
渋子が自分の家にクエストをクリアして戻ってきた。
「おかえり! アハッ!」
天才ゲーム・プログラマーの姉の日向が妹を迎える。
「アハッ! アハッ! アハッ!」
「アハッ! アハッ! アハッ!」
渋野姉妹はアハ会話で全てを分かり合えるコミュニケーションスキルを持っているアハ教の教祖である。
「なんだ? ここは?」
パルンは渋子に連れられて、渋子の家までやって来た。
「私の現実世界よ。正確にはゲームの中ね。」
「可哀そうに渋子はゲームの世界に閉じ込められちゃったの。」
「おおー! べっぴんさん! 誰だよ!? 紹介してちょうだい!?」
「私のお姉ちゃんよ。」
「渋子のお姉さん!?」
パルンの愛情は渋子から日向に移った。
「パルちゃん、妹の渋子を助けてください!」
「お任せください! この怪盗パルン三世に盗めぬものはございません。必ずや妹さんを助けるので、私と熱い口づけを! ブチューっと!」
魔性の女、日向は腐女子の美貌でパルンを虜にした。
「ストップ!」
そこにソウちゃんたちイケメンがあらわれる。
「日向は私のものだ!」
「代わりに渋子姫を差し上げますよ。」
「護衛をしている私の方が妹を守って、日向様に忠誠を誓っている。」
「日向は天下人の私にふさわしい!」
「見せてもらおうか? 日向への愛情とやらを。」
日向を取り巻くイケメンたち。
「うわー!? イケメンが5人も!?」
「諦める?」
「滅相もない。私は日向様のお心を盗んで見せます。」
パルンも含め、渋子ではなく姉の日向の親衛隊が結成された。
「こうやって円卓の騎士ができるのね。」
渋子は自分の不人気に呆れた。
「そして、誰かが不倫して仲間割れをして、物語は進んで行くが、物語が終わりに向かっている悲劇ね。」
「私、そんなに尻軽女じゃないわよ!?」
「アハッ!」
渋子は笑って誤魔化す。
「日向お姉ちゃん、次のクエストは誰になるの?」
「まだ決めてない。」
話題を逸らす渋子。
「町を作りながら、次に何のクエストをすればいいか考えましょう。」
「そだね。」
「ジャーちゃん、町作りは順調なの?」
「私を疑っているのか? これでも私はニュータイプの存在そのものであるぞ。」
「渋子の町は、活況な街にランクアップしたぞ。」
「流石は、ジャー総帥ね。それでは私の街へ、レッツ・ゴー!」
渋子は自分の街の様子を見学しに行く。
つづく。




