EX 怪盗パルン三世
「アハッ!」
渋子は今日も笑って強く愛に生きています。だって、スマイル・シンデレラ、笑顔姫ですもの。
「今回のクエストで分かったことは、普通にヒット作のキャラクターの名ゼリフって、一行じゃないのね。2行になってもいいんだわ。」
カリオストトロの秘宝を渋子は手に入れた。そのままでは恐らく権利問題があるのでルパンというキャラクターは使えない。二次創作にもなってしまう。しかしパルンとキャラクター名を変えれば、業界的にはリスペクト、オマージュで問題ないらしい。多くの既存作品が似たり寄ったりで許されているのは、無言の業界の常識だからだ。
「それだけじゃないぜ。カリオストトロの秘宝は。」
「まあ~!」
カリオストトロ城の水が、渋子のアトミックボムの衝撃で破壊され、湖の底から黄金都市が現れる。
「こういうのがワクワクする展開ってやつね! アハッ!」
渋子は新たなシナリオ展開を覚えた。
「待て! パルン! 逮捕だ!」
そこに国際警察の銭亀警部が現れる。
「やべえ!? とっつあんだ!?」
泥棒と警察が仲が良い。これもギャップウケである。
「逃げるぞ! 渋子!」
「悪いけど先に逃げてて、後で追いつくから。アハッ!」
パルンは渋子を置いて先に逃げる。
「大丈夫ですか!? 渋子姫!?」
銭亀警部は渋子を民間人保護の観点から声をかける。
「あの、刑事さん。あの方は何も盗んでいません。」
渋子は爽快な泥棒のパルンを助けたいと思った。
「いいえ! 奴はとんでもない物を盗みました。」
「え?」
「それは、あなたの心です!」
「・・・・・・はい! アハッ!」
確かに物語の中で渋子の心はパルンに盗まれていた。このシーンのためだけに今までの物語があったと言っても過言ではない。
「さあ! 約束通りパルンの後を追わなくっちゃ。パルンも私の仲間にするんだから。アハッ!」
EXクエスト、国際警察を吹き飛ばせ。
「銭亀警部、国際警察のみなさん。あなた方に恨みはありませんが、死んでください! ポイッ。」
渋子はアトミックボムを投げた。
「ドカーンー!」
ドッカンと大爆発が起こり、国際警察部隊は跡形もなく吹き飛んだ。
「異世界ファンタジーでも現代ドラマでも、王家の血筋は大人気なのね! アハッ!」
渋子の去った後にはキノコ雲しか残らない。
つづく




