第4Q 脱出
「アハッ!」
渋子は今日も笑って強く生きていきます。だって、スマイル・シンデレラ、笑顔姫ですもの。
「やあ、渋子。待たせたね。助けに来たよ。」
カリオストトロの地下水道から脱出したパルンは、渋子の捕まっている時計台までやって来た。
「パルちゃん! ここに来てはダメ! カリオストトロ王の罠よ!」
「ぱ、ぱ、パルちゃん!?」
パルンはパルちゃんと呼ばれ、気恥ずかしいさと正体不明の痒さに襲われる。
「おお~! なんということよ~! 悪党の言うことは信じられるのに、泥棒の言うことは信じてくれないとわ。ああ~、嘆かわしい。」
臭いパルンのお芝居が続いているが、気がつけばパルンは渋子の目の前に現れる。
「は~い、渋子。」
「まあ~、すごい。」
「渋子を盗みにやってきました。姫、どうぞ、この盗人に盗まれてやってください。」
「はい。喜んで。」
手品の様に各国の国旗を広げては渋子に見せてみるパルン。だんだん渋子も怪盗パルンのことが好きになっていた。
「そこまでだ! パルン!」
「カリオストトロ国王!?」
時計台に回り道していたカリオストトロ国王が手下を引き連れて現れる。
「死ね! 薄汚い泥棒め!」
カリオストトロ国王が手下どもにマシンガンでパルンを撃ち殺す様に手で指示を出すと、ドドッドオドー! っとマシンガンがぶっ放された。
「ウワアアアアア!?」
「パルン!?」
マシンガンの銃弾がパルンに命中して、勢い余って時計台の大穴から吹き飛ばされてしまう。
「追え! パルンを確実に殺すんだ!」
「御意!」
手下たちは時計台から出て手負いのパルンにとどめを刺そうと追いかけようとする。
「やめて! パルンを追いかけるなら私も、ここから飛び降りて死にます!」
第4クエスト、カリオストトロ国王の手下どもを殲滅せよ。
「パルンの後は追わせないわよ! ポイッ。」
渋子はアトミックボムを投げた。
「ドカーンー!」
ドッカンと大爆発が起こり、時計台は粉々に吹き飛んだ。
「はあっ!? 私もカリオストトロ国王の血を引いているんだった!?」
渋子の去った後にはキノコ雲しか残らない。
つづく。




