第3Q 地下水道
「アハッ!」
渋子は今日も笑って強く生きていきます。だって、スマイル・シンデレラ、笑顔姫ですもの。
「そうか!? ミスった!? 私の役はお城に捕らわれのカワイイ姫のクララじゃなくて、カリオストトロの城の財宝を盗みに来た女怪盗、峰内不二子にしておけばよかった!? はまり役だったのに!?」
でも今のお姫様役でアトミックボムを投げつける役も気にはいっている。
「まったく、ここはどこだ? 地下水道から侵入したのはいいが、死体が時間の経過で骨だけになってやがる。カリオストトロの秘密を知った者は地下に落として口封じをしていたのか。」
その頃、怪盗パルンはカリオストトロ城の地下水道から潜入していた。
「お、おまえは!? パルン!?」
「おおー! 銭亀のとっつあん! 奇遇だな! こんな物騒な所で出会うとは!」
銭亀警部。怪盗パルンのライバルである国際警察の警部である。パルンを逮捕するためなら、たとえ火の中水の中、どこへでも追いかけるのである。
「逮捕だ! と言いたいところだが、おい、パルン。ここはなんだ? へのへのもへじばっかりで薄気味悪いんだが?」
「ここはカリオストトロ秘宝の秘密を知った人間の処刑場さ。私たちも早くここから脱出しないと、ああなっちゃうぞ。」
「なにー!? それは嫌だ! 早くここから抜け出そうぜ!」
「よし! 話はまとまった。じゃあ、とっつあん。ここを出て、カリオストトロの財宝を手に入れるまで休戦だ。」
「いや、ここを出るまでだ。」
「分かった。休戦成立だ。」
ここに怪盗と警察の最強スペシャル・タッグが結成された。
「遅いな、パルン。私はいつまで待てばいいのかしら?」
第3クエスト、捕らわれの時計台に風穴を開けろ。
「よし! 自分から行動して、自分の物語を打ち上げよう! ポイッ。」
渋子はアトミックボムを投げた。
「ドカーンー!」
ドッカンと大爆発が起こり、渋子はカリオストトロ城の時計台に穴が開いた。
「早くコイコイ、第怪盗! さあ! 私を盗みに来なさい! パルン! アハッ!」
渋子の去った後にはキノコ雲しか残らない。
つづく。




