怪盗パルン三世Q
「人生、笑っていれば何とかなるものである。アハッ!」
渋子はスマイル・シンデレラと呼ばれる笑顔で、今日も元気に明るく前向きに生きていく。
「これより、怪盗パルン三世のクエストに向かう。目的は奪われたログアウトを取り戻すためだ。」
今回より明確にクエストに挑む動機づけがされた。現実世界に戻りたい渋子なのだから、帰る方法としてログアウトは適任である。
「その前に! なんでアーちゃんとジャーちゃん以外は、私の町で指名手配になってんのよ!?」
「アハッ!」
「アハッ!」
「アハッ!」
ソウちゃん、シバちゃん、ノブちゃんは指名手配の脱獄囚として、渋子の家の全体朝礼に参加していたので笑って誤魔化す。
「考えたな。キャラクターが多くなって捌き切れなくなったら、病院か刑務所に入れてしまえばいいのだ。アハッ!」
ジャーちゃんも感心するストーリー展開である。
「じゃあ、そういうことで。」
「どういうことだよ!?」
「私とアーちゃんは怪盗パルンクエストに挑むわ。ジャーちゃんは町作りを引き継いで。後の3人は刑務所の牢屋に戻ろう。」
「そんな冷たいことを言わないで!? 助けてくださいよ!?」
「おまえたちは反省しろ、反省。まったく、どいつもこいつもよくしゃべる。」
朝の全体朝礼だったが姉の日向の姿が見えなかった。
「あれ? 日向お姉ちゃんが来てないわね?」
「日向姫なら、怪盗パルンのクエストのプログラミングを連日徹夜作業していたので、疲れて眠っていますよ。」
姉の職業のプログラミングは死と隣り合わせの厳しい世界であった。急いで渋子は日向の元を訪れる。
「なんですって!? 死なないで!? 日向お姉ちゃん!?」
「勝手に人を殺さないで!? 少し寝れば良くなるわよ。心配してくれて、ありがとう。私のカワイイ妹の渋子よ。アハッ!」
「お姉ちゃんこそ。私もお姉ちゃんが日向お姉ちゃんで良かったよ。アハッ!」
「アハッ! アハッ! アハッ!」
「アハッ! アハッ! アハッ!」
素晴らしい渋野姉妹の姉妹愛である。
「早く行きなさい。渋子。怪盗パルンからログアウトを取り戻すのよ。」
「分かった。行ってきます。必ずパルンからログアウトを取り戻して、お姉ちゃんのいる現実世界に戻るんだ!」
やっと渋子は怪盗パルンのクエストに向かうのであった。
つづく。




