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姉妹愛! 異世界デス・ゲーム  作者: 渋谷かな
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EX 織田信長

「アハッ!」

 渋子は今日も笑って強く生きていきます。

「そうね。最後のアトミックボムを放るシーンの決めゼリフを決めて、クオリティーを上げよう。アハッ!」

 渋子は「私、失敗しないので。」みたいな決めゼリフが欲しかった。もう世の中的には、そんなに流行ってはいない。

「魔法の詠唱みたいに長いとウケない。いや、長くても決めゼリフならいいのか?」

 珍しく試行錯誤する渋子。

「それで? それでは決めゼリフにはならない。やっぱり、邪魔とか、ウザイとか、消えろとかで、一撃ドッカンが、この世界のルールよね。」

 異世界ファンタジーというのは厄介な掟がある。まるで呪いのようだ。

「この世から消えろ。ポイッ。よし! これでいこう! アハッ!」

 カンタンに決めゼリフも決まった。会議はスピード決定が大切である。

「アーちゃん、ノブちゃん。私の仕事は終わったわよ。そっちはどう?」

「渋子姫。後は信長だけです。」

「自分で自分を倒すのもなんか抵抗があるな?」

「そうか、三国志も、異世界ファンタジーも、戦国時代も、女性の扱い方は、殿ではなく、姫なんだわ。殿って呼ばれて喜んじゃあいけなかったんだわ。」

 今日から渋子の呼ばれ方は渋子姫、若しくはプリンセス・渋子。またはスマイル・シンデレラ・渋子になる。

「この際だから、他に何かあるかしら? そうだ! 街作りなのに、町作りだったり、町のはずなのに、村人と言ったり、チグハグだわ。これも町作りと、町民に統一しましょう。」

 ここにきて初めてのワードが町民である。市民でも都民でもない。本当に色々なことを考えらされる今日この頃である。

「我は戦国覇者! 織田信長である!」

 EXクエスト、織田信長を倒せ。

「この世から消えろ。ポイッ。」

 渋子はアトミックボムを投げた。

「ギャアアアアアアー!?」

 ドッカンと大爆発が起こり、織田信長を倒した。

「さあ! 信長クエストもクリアしたし、お家に帰ろっと。日向お姉ちゃんは元気にしてるかな? アハッ!」

 渋子の去った後にはキノコ雲しか残らない。

 つづく。

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