第6Q 上杉謙信
「アハッ!」
渋子は毎日元気に笑顔で生きてます。
「そろそろオリジナルを考える時期かしら? それとも日向お姉ちゃんを信じて、次は赤い炊飯器のジャー・クエストにしようかしら?」
選択肢が多くなると悩む時間も多くなり、悩み疲れになるので、結果として、何もしていないで時間だけが過ぎてしまうので、勿体ない。
「王家、帝国、王族の血筋。現代ドラマでも、財閥系。結局、複雑な権力とお金が好きなのよね。人間って。」
ドロドロした生い立ちを考えると思うと頭が痛くなる渋子。
「でも、大体の既存作品を参考にして、新キャラクターを量産できる体制が整った。アハッ!」
新キャラクターの複雑な方程式を解いた。
「例えば、全開の武田信玄。名前をアーサー王の登場キャラクターのマーリンにする。甲斐の虎の武田信玄からの、召喚魔法使いマーリン。得意な召喚魔法はタイガー。それではストレート過ぎるので、刀虎として、サーベル・タイガーではなく、召喚獣ソード・タイガー。どう? これだけでも魅力的なキャラクターが描けたわよ。アハッ!」
アーちゃんとノブちゃんに邪魔されないので、創作は順調に進む。
「更に! 武田信玄の生い立ちを移設! 何らなら上杉謙信の生い立ちを移設しても構わない!」
開き直った? 点が線に繋がったので話はどんどん進んで行く。何でもありで。
「確か武田信玄は長男だが、父の後妻になった継母がいて、その継母の息子を武田家の家督を継がせようと、継母は信玄を殺しにかかる。」
武田信玄の生い立ちは過酷を極めた。
「結局、弟を殺して武田家の家督を継ぐから、織田信長と同じだわ。」
ここまで曹操、アーサー王、織田信長と3人の伝記を読んできた結論が、全ての物語は似たり寄ったりということである。
「まあ、人間の物語には限界があるってことね。」
渋子は似ているのはパクリではなく、仕方がないと思えるように成長した。
「勝負! いざ! 尋常に勝負! 我は上杉謙信である!」
第6クエスト、上杉謙信を倒せ。
「ウザイ! ポイッ。」
渋子はアトミックボムを投げた。
「ギャアアアアアアー!?」
ドッカンと大爆発が起こり、上杉謙信を倒した。
「そうか! 最後の件はコピーして貼り付けて修正すればいいんだわ! 私って偉い! アハッ!」
渋子の去った後にはキノコ雲しか残らない。
つづく。




