織田信長クエスト
「織田信長って、どんな人?」
渋子たちは戦国時代の名古屋にやってきた。
「知りません。」
もちろんソウちゃんたちが知っているはずがない。
「サル! サルはおらぬのか! 全く使えんサルじゃ!」
勇ましい男が渋子たちの前に現れ、渋子たちに気づく。
「なんだ? おまえたちは。」
「私は渋子。あとはおまけよ。」
「誰がおまけだ? 誰が?」
「アハッ!」
思わずツッコムソウちゃん。笑って誤魔化す渋子。
「私は織田信長であ~る!」
「わあ~い! 不動産のCMみたい!」
織田信長が現れた。信長も設定上はイケメンである。
「あ! 閃いた! 1戦闘1人Sランクだけだと寂しいから、プレイヤーの渋子と、そのクエストの主人公も一緒に戦いましょうよ! その方が織田信長に愛着が湧くわ!」
「さすが! 殿! 素晴らしいアイデアです!」
「でしょ! もっと褒めて! アハッ!」
絶好調に調子に乗る渋子。もしかしたらイケメンを見るとアイデアが閃くのかもしれない。
「それでも渋子軍はSランクが3人いる。2人はお留守番ということになってしまうぞ? 1人、誰が戦うんだ?」
ソウちゃんたちは自分の出番がライバルに奪われると注視した。
「アーちゃんにしましょう。」
「やったー! 戦闘で目立つぞ!」
渋子はアーサー王を選択した。
「なぜだ!? なぜ私じゃないんだ!?」
活躍したかったソウちゃんは渋子に噛みついた。
「武力だけ高くて、妻の浮気にも気づかないからよ!」
「なんですと!?」
「ワッハッハー! それを聞いたら、どうでも良くなったよ!」
アーサー王が選ばれた理由は武力は高いが、無神経や気配りに欠ける知力の無さだった。
「ソウちゃんとシバちゃんは知力が高いから、内政をやってもらいたいの。」
「内政!」
「街作りですね。」
「そうなの。田畑を耕したり、市場に活気を作ったり、町の人口を増やしたり、渋子の家を掃除したり、町工場のレベルを上げてほしいの。」
「最後の方は少し、おかしいような?」
「掃除って、自分でやれよな。」
「アハッ! アハッ! アハッ!」
笑って誤魔化す渋子の命令で、ソウちゃんとシバちゃんは快く街作りをする。
「じゃあ、信長。あなたの人生を見させてもらうわよ!」
「なんなんだ!? おまえたちは!?」
「あなたは今日から、ノブちゃんよ! 仲良くやりましょう! アハッ!」
「ノ、ノブちゃん!?」
無邪気で天真爛漫な渋子は信長を仲間に加え珍道中の旅に出る。
つづく。




