反省会、アーサー王Q
「それではアーサー王クエストの反省会を始めます。」
司会は軍師のシバちゃんが行っている。
「1番の反省点は・・・・・・EX覇王アーサーのダメージ・ゼロのアビリティーを間違えていた! 日向お姉ちゃんです!」
「それを言わないで!? ごめんなさい!?」
今回、一番反省しているのは姉の日向だった。
「ごめんね。みんな。これはデス・ゲームだから、一つの間違いが、みんなの命を危険にさらすのに、本当にごめんなさい!」
日向は申し訳なさそうに深々と頭を下げた。
「大丈夫だよ。お姉ちゃん。」
「渋子。」
「ね? みんなも大丈夫だよね。」
「まあ、生きていたから良しとするか。」
「私も新入りだし、なんも言えねえ。」
「雨降って地固まるですな。」
日向のプログラミングのミスは渋子たちの温かい心で許された。
「良かったね、お姉ちゃん。アハッ!」
「ありがとう。みんな。アハッ!」
「アハッ! アハッ! アハッ!」
「アハッ! アハッ! アハッ!」
「う、宇宙人だ・・・・・・。」
渋野姉妹のアハ会話に宇宙を感じるソウちゃんたちであった。
「他の反省事項は何だったっけ?」
「アーサー王クエストなら、アーサー王を第1クエストから登場させる。」
「第7クエストでアーサー王と戦う。」
「勝ったらSランクのアーサー王をプレゼント。」
「しかしSランクばかりになるので、1戦闘にSランクは1人まで。」
「その分、Sランクは部隊が持てる。各ランクを1人ずつまで。」
「これで1度にたくさんのクエストをこなすことができる。委任か派遣かな。まあ、それは追々と考えましょう。私の脳みそのメモリー不足だわ。」
天才ゲーム・プログラマーの姉の日向は脳みそをフル活動させているので、過労死寸前の限界を迎えている。だから、つまらない凡ミスが多い。
「それじゃあ、それを踏まえて、もう一度、アーサー王を周回する?」
「それなら大丈夫よ! 新作のクエストが出来たの! その名も赤い炊飯器のジャーよ! どう? 面白そうでしょ!」
「・・・・・・。」
日向は新作を作ったのでやってもらいたいが、渋子たちは沈黙して微妙な沈黙の間ができる。
「こっちにする。」
渋子は次のクエストに、織田信長を選んだ。
「お姉ちゃん。私たちが織田信長で遊んでいる間に、もう一度、新作のプログラミングにミスがないか見直しておいて。じゃーね。」
「アッハハ! 面白い! 赤い炊飯器のジャーと、じゃーねが、かけてあるのよね。アハッ!」
姉の日向は妹の渋子たちに信頼されていなかった。
つづく。




