SS、テクノロジー
「さあ! 皆の者! 世界中を笑顔に変えるのだ! この世はアハ教が支配するのだ! 逆らう者は殺してしまえ! アハッ! アハッ! アハッ!」
なぜだろう? 聖女スマイルシンデレラのはずが、悪乗りして宗教で世界を支配する魔女になっている。
「さすが! 殿の姉上! 対決軸の鮮明化という手法ですね!」
「余にもライバルで劉備というランクBの下民がいたが、ライバルがいた方が競ったり、比べたり、人間の心の葛藤が描きやすい!」
シバちゃんとソウちゃんも天才ゲーム・プログラマーの姉の日向を称える。
「そうでしょ! 私は天才ゲーム・プログラマーでもあるけど、天才ゲーム・シナリオライターでもあるのよ! アハッ! アハッ! アハッ!」
「殿の姉上に忠誠! アハッ!」
「余も殿の姉上に忠誠を誓うぞ! アハッ!」
シバちゃんとソウちゃんは渋子より姉の日向が好きだった。
「どうして!? シバちゃんとソウちゃんは渋子よりお姉ちゃんが好きなの?」
「日向様は頭脳明晰で頭が賢く、創作アイデアの宝箱です。アハッ!」
「兜に鳩時計を飼っている子供より、セクシー姉ちゃんの方がいい。アハッ!」
「聞くんじゃなかった。禿てしまえ。」
渋子は男が嫌いになりそうだった。
「これで街の設定もできたし、再びストーリークエストに戻ってもいいのかな?」
渋子の家の外にいた巨大ボスたちは除去され、武器屋や宿屋のある素朴な街並みが完成した。
「あ!? しまった!?」
その時、町の確認作業をしていた姉が大きな声をあげた。
「巨大ロボ製造工場を作るの忘れてた!?」
巨大なモノが好きなのは姉の趣味である。
「巨大ロボ製造工場!?」
「そんなもの要らないよ!? お姉ちゃんは世界観を壊すつもり!?」
「必要よ! もともと、このゲームは異世界と戦国時代との戦いで、世界観をぶつ壊す爽快感が売りなんだから!」
そう、元々はオリジナルストーリーの異世界戦国時代というのがタイトルであった。どうすれば、これだけ話が逸れ、新しい展開が生み出されるのだろうか。
「こうしましょう。巨大ロボは使用するか使用しないか選択制にしましょう。」
「別にそれでもいいわよ。その代わり巨大ロボで遊んでくれた人には、スタミナ回復薬をプレゼントしまくってやる!」
巨大ロボが好きな姉は「巨大ロボで遊ばない人間はスタミナ回復は課金して薬を買え!」と脅している。
「無課金も課金しないでもよいのであれば減らないので、過疎りませんね。」
「そうよ。貧乏人を飼いならすなんて簡単よ。秘儀! 飼い殺し! アハッ!」
恐ろしい巨大ロボ好きの姉の執念であった。
つづく。




