_4__お約束ってヤツさ
初投稿につき至らない点もあることと思います。
感想・ご指摘・アドバイスなどお待ちしております。
シレンという名前を持つ、転生した俺のコピーは脳筋となり、この未知なる世界で協力するどころか俺を服従させた。
まあINTが1だものね。
あの脳筋は俺のコピーだ。俺がINT1と圧倒的な暴力を持って転生していたらシレンみたいに振舞ってたってことだ。
そう思うと身震いした。
俺は今、食料調達のため、野生動物を探して草原を探索している。
そう思わせておいて逃げ出そうかと考えたが、シレンのMSは俺の6倍以上あるので逃走不可能と判断し諦めた。
次に交渉を考えた。食料を調達してシレンの願いを聞き、なるべく優位な関係を築くという案だ。
まだこの世界の平均的な強さを知らないが、シレンはどう考えても強者だから俺が育つまで同行するのもアリと言えばアリだと思う。
今後の予定に思考を巡らせながら歩いていると、少し遠くの草叢に茶色い野兎を発見した。
おお!まともな生き物だ。なんだかホッとするなぁ。
俺は反射的に身を屈めながら、この世界にも穏やかな生き物が居ることに安堵した。
すぐに《神眼》で確認する。
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| ━━━ 2歳 オス レダントラビット
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| レベル |§| 1
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| STR |§| 2
| AGI |§| 5
| INT |§| 1
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| HP |§| 5 / 5
| MP |§| 1 / 1
| ATK |§| 6
| DEF |§| 2
| MATK |§| 1
| MDEF |§| 1
| MS |§| 100
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| スキル |§| 逃走術(LV1)
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|ШЖШ ШЖШ ШЖШ ШЖШ ШЖШ ШЖШ ШЖШ ШЖШ ШЖШ ШЖШ ШЖШ
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| |§|捕獲条件
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| 無し
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|ШЖШ ШЖШ ШЖШ ШЖШ ШЖШ ШЖШ ШЖШ ШЖШ ШЖШ ШЖШ ШЖШ
うん、弱い。安心した。もしこんな兎が俺のステータスを上回っていたら俺は引き籠るよ。
俺のMSは600だから走ったら逃げられることはない。しかしせっかく異世界に来たのだ、魔法を使いたかった。
ステータスを表示させて魔法スキルの詳細を開く。そこには習得済みの魔法が記載されていた。
やっぱり最初は火魔法を使おう、とその他大勢は考えるのかもしれないが、俺は真っ先に風魔法と時空間魔法をチェックした。
飛べる、もしくは対象の動きを止める魔法を使いたかった。
万が一ということもあるため、シレンから逃げれる可能性のある手段を見つけておきたいということと、人が飛ぶだとか動物を行動不能にするとかは俺の夢だったからだ。
あった!風魔法から[フライト]、時空間魔法から[タイムロック]という魔法を習得していた。
おっしゃ!早速使ってみるべ。
屈んだ姿勢のまま、”フライト”と念じた。
すると体の周りに風が吹き回り、俺は宙に浮いた。
うおおっ!やった浮いたよ俺!!
ずっと憧れていた夢が叶ってメチャクチャ感動した。
これで通勤は楽になるな!と思ったが今は無職なことに気が付いて一瞬、目が死んだ。
草叢に佇んでいる野兎の方へ向かうイメージをすると、俺の体は飛んで行った。
飛んでいるということに俺の心は躍ったが、思っていたより速く無かった。時速80Km程だろうか。
残念だが、これじゃシレンから逃げることは難しいだろう。
ある程度野兎に近寄ると”タイムロック”と念じた。すると野兎の動きがピタッと止まった。
おおおっ!兎が硬直したぞ!!エスパーだなこりゃ。魔法だけどさ。
超人的な力に満足しつつ”フライト”で一気に野兎との距離を詰め、鞭を振るった。
野兎の頭部に命中し、一撃で頭部を粉砕した。
まあ、ステータスが違うからね。
その直後、”タイムロック”の効果時間が切れたのか、ドサっと胴体が崩れ落ち、頭を失った首から流血した。
グロっ!!
でもまあ生きる為だし許してくれ。
野兎の死体を回収し、時空間魔法の”ディメンションホール”という魔法で空中に出現した小型の黒い渦に入れた。
森付近の草原に鹿を発見したので野兎と同様の手法で狩った。
シレンの巨体を考えるともうちょい狩っておくか。
あの森の中に行けば猪とか居そうだな。この辺の草原にはもう動物の姿は見えないし、森へ行こう。
そして森の中をテクテク歩いて行くと、遠くに人影が見えた。
ひ、人だ!!!異世界に来て初めて俺以外の人間だぜ!
なんか緊張してきたな、第一村人だと良いが友好的な人間かどうか不明だ。用心しなくては。
急いで近くにあった木陰に身を隠し、森に現れた人影を観察した。
現れたのは人とは言い難かった。
遠くて顔の詳細は見えないが、濁った赤紫の肌、頭に生えた2本の角、蝙蝠の翼、真紅の眼に銀色の長髪、2メートルを超えたガッチリとした雄々しい体格。
俺が初めて見た異世界人は、悪魔丸出しだった。
しかも1人では無かった。団体さんだった。遠くて全員は分からないが、先頭を歩く3人はなんとなく確認出来た。
同じく2メートル級の体格に青い肌、頭部に聳え立つ一本角、灰色の短い髪、背中にデカいグレートソードらしき武器を2本背負っている者。
またもや2メートル級の長身に金髪オールバックの白い肌、額に3番目の眼玉、鼻まで覆うマスクっぽい装甲、鼻より下全てが金ピカの分厚い鎧、左右の腰にこれまた金ピカのロングソードっぽい武器を計2本ぶら下げた者。
何事??まさかピクニックじゃないよね?
この3人の後を追うように追従する人影をみると、この集団はおよそ30人くらいは居るだろうか。
国でも滅ぼすのか?ってほど強そうな集団だった。
やばい、こっちに向かってくる。
兎に角、俺は急いで彼らのステータスを確認した。
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| ルシファー 315歳 男 悪魔族 【処刑魔】
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| レベル |§| 160
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| STR |§| 220
| AGI |§| 268
| INT |§| 150
|
| HP |§| 3800 / 3800
| MP |§| 2200 / 2200
| ATK |§| 510
| DEF |§| 207
| MATK |§| 606
| MDEF |§| 233
| MS |§| 820
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| スキル |§| 火魔法(LV7)
| |§| 闇魔法(LV8)
| |§| 武技(LV5)
| |§| 盾技(LV2)
| |§| 格闘(LV7)
| |§| 狙撃(LV2)
| |§| 恐怖(LV7)
| |§| 暗黒(LV4)
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| ユニークスキル |§| 悪夢ノ惨劇
| |§| 極悪非道
| |§| 巨魔霧
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|ШЖШ ШЖШ ШЖШ ШЖШ ШЖШ ШЖШ ШЖШ ШЖШ ШЖШ ШЖШ ШЖШ
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| |§|捕獲条件
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| 無し
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|ШЖШ ШЖШ ШЖШ ШЖШ ШЖШ ШЖШ ШЖШ ШЖШ ШЖШ ШЖШ ШЖШ
強ぇぇ・・・・
先頭の銀髪悪魔を見てみたが、こりゃ強すぎだな。んでやっぱり悪魔か。
ステータス、俺の2倍かよ。
絶対話しかけちゃダメ。関わっちゃダメなヤツだわ。
他の2人のステータスも見てみたかったが、これ以上近寄られると不味いので、俺は一目散にこの場を離れ、シレンの元へもどった。
「おっせえぞ!!ショボ筋!!!腕立でもしてたのかオラぁ!!!さっさと飯寄越せ!!!!」
全速力で戻り、極度の緊張と肉体の疲労で息が上がっている俺に、シレンは恫喝した。
お前じゃあるまいし筋トレなんてするか!
そうツッコミつつ、息を切らせながら悪魔達がこの草原に来ていることを報告した。
「ハァ、ハァ、遅くなってすいましぇんでした、直に食事にしたいのですが、先程森に悪魔の集団を見かけたのです!こっちに向かって進行しています!」
「早く飯寄越せ!」
ったくこの脳筋は!!
「っあ、え?あの、食事は悪魔達を何とかするなり安全な場所に避難するなりしてからが良いのでは?」
「今!!!!!食!う!ん!じゃああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」
煩い煩い煩い煩い!煩いわボケ!!
絶対悪魔達にも聞こえただろう怒声を叫ばれて頭に血が上った。しかも俺に唾が飛んできた。
反射的に耳を塞いでダメージを軽減させた俺は、仕方無くシレンの言うことに従い、”ディメンションホール”から鹿と兎の死体を取り出した。
「馬鹿垂れえええええええええええええええええええ!!!!!!!」
煩い煩い煩い煩い!煩いわボケ!!
今度は何!?何度もその音量を出すんじゃない!
「肉じゃねぇだろ!!ショボ筋!!俺様が食いてぇのは木の実とかキノコなんだよ!!これだからショボ筋はよぉ!!!!」
「へ?」
うそおおおおおおおおおおおおおお!?
こいつベジタリアンなの??
その筋肉何で出来てんだよ!!ってか先に言っとけよ!!!
「お前の筋肉にはガッカリだ!頭もショボ過ぎる!!!俺様が採って来る!!!ついて来い!!」
そう言ってシレンは森へ向かって行った。
道中で悪魔達がシレンの前に立ち塞がりゴニャゴニャと揉め出したが、シレンが1発殴っただけで消し飛んだ。
俺は一層従順な態度になった。
こんな文字の羅列に目を通して下さった皆様、感謝でございます!
ありがとうございました!!
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